三月の詩(櫖の実)
五人囃子 6号 水彩 櫨の実 林間に太鼓木霊す秋まつり 惟之」 櫨の実を三つ四つ含み山路ゆく 穭田のみどり一面遠比叡 未だ泥に浸かりしままの林檎かな 秋悲し首里城焼けて崩れ落つ 誌上句会 兼題「帰り花」 特選 穴の開く知恵袋かな帰り花 万智子 仙人掌の帰り花持つ地球かな 稔...
View Article春の暁
夜明けの大津港(びわこホテルより) 古希と喜寿 実南天挿して迎えし子の花瓶 惟之 面長の男雛女雛や古雛 古雛や五人囃子の目の円ら 紙漉きて一目千本梅七分 梅見して紙漉き体験腕まくる 吊り上げの鱒を逃がせば悔しがり 鱒落ちて針で指突く爺かな 吊り上げの鱒は十二尾満足気...
View Article四月の詩(ゆりかもめ)
赤いプラムとパン F6 水彩 2010年 ゆりかもめ 飛行雲にのってサンタは還るとや 惟之 年の瀬や似顔掲げて歌ふ第九 巫女の舞ふ里の神楽や笛鼓 出港のデッキに群れるゆりかもめ 雪囲終へて昇りぬ湯のけむり 誌上句会 兼題「湯ざめ」 特選 吾子とゐて宇宙を語る湯ざめかな...
View Article花の径
瀬田川沿いの花の径 花曇ぐるり散歩の瀬田の川 惟之 松の芯確と伸びゐし湖の浜 花の下父と母ゆく前うしろ 絵画展は中止ばかりや花くもり 膳所城の門は神社へ養家天 校門は開け放たれてマーガレット 川の辺の見張りは親よ春の鴨 さんぽ道の道標と唐橋 「粟津の晴嵐」の石碑と松林 松の芯...
View Article連翹
連翹(京都植物園)6F 連翹の「翹」は枝がすくすくと伸びて花をつけている形を鳥の長い尾にたとえたものといわれている。枝が地に届くと、そこから根を出す。半蔓性の長い枝先まで、むせるような鮮やかな黄色い花をつけている様子は春の象徴のような勢いがある。花が盛りを過ぎる頃から小さな葉が萌えだす(岩淵喜代子)。角川俳句歳時記より。 連翹の一枝円を描きたり 高浜虚子...
View Article五月の詩(飾り凧)
助六の飾り凧 8号 水彩 飾り凧 鰤さく筑紫の里や大旦 惟之 鶴の橋亀の橋あり京の春 人集る日吉大社の猿廻し 助六の目尻いな背や飾り凧 初場所や大関去なし小兵勝つ 誌上句会 兼題「冴返る」 特選 琴線をはしる指先冴返る 研二 冴返る草鞋の僧の比叡道 静風 冴返る石工の打てる鏨の音 和男...
View Article沖島港
沖島港(近江八幡市) F6 水彩 2016年に写生会で訪れた沖島を再掲しました。びわ湖に浮かぶ、竹生島、多景島、沖島で唯一人が生活しているのは沖島。居住者は300人あまりで、移動は徒歩と三輪車。信号もない。遠足の子らがいた奥津神社や鮒ずしの倉庫、貝殻の軒下の道が懐かしい、機会を見つけまた訪れたい。 桟橋は猫の居場所よ秋日和 惟之...
View Article竹生島遠景
竹生島遠景(長浜市) 6号 水彩 湖北野鳥センターの湖岸からの竹生島。夕陽を背にした景観は奥琵琶湖代表的なカメラスポットといわれる。水鳥の風景には出会えなかったが、竹生島遠景は琵琶湖八景にも選定されているとおり美しい。...
View Article六月の詩(牡丹の芽)
酒蔵と十石舟(京都・宇治) 6号 水彩 牡丹の芽 氷原や砂蟕長長と国境へ 惟之 逞しく土突き上げて牡丹の芽 暁や魞挿す舟に影ふたつ 春寒し母の憂ひに大泣く子 入学を揃うて祝ふ孫三人 誌上句会 兼題「東風」 特選 東風に乗り仏師のみ魂下り来る 博女...
View Article八月の詩(リラの花)
神戸ドック F6水彩 リラの花 春キャベツ畑に列なし遠伊吹 惟之 鞍馬山またまた出会ふ蝮草 花冷やパンデミックなる言葉 句会なき空へ香りを放つリラ おさがりを着てゐる幼リラの花 誌上句会 兼題「夏野」 特選 草花の名に釣られゆく夏野かな ひさ子 気ままなる又三郎の風夏野 恵子...
View Article第16回湖水会水彩画作品展のご案内
第16回湖水会水彩画作品展を下記のとおり開催いたします。 ご高覧いただきますようご案内申し上げます。 日時:2020年9月1日(火)~6日(日) AM10:00~PM4:00 但し、初日は12:00~ 場所:大津市生涯学習センター ギャラリー(1F) 大津市本丸町6番50号 TEL077-527-0025 京阪石坂線「膳所本町」下車 湖岸方面へ徒歩5分...
View Article赤い四阿のある森
赤い四阿のある風景(栗東自然観察の森) 8号水彩 第16回湖水会水彩画展に出展予定の作品。写生会(2019年6月)を思い出しながら色を重ねました。 あづまやの屋根あかあかと緑さす 惟之 青蘆の日照りを返すカエル池 緑陰に木道つづく写生会 竹林へ清く波打つ夏の菊 笹百合の小さく揺れてさざれ岩 ひつじ草花も付けずに日を照らす
View Articleレガッタ
保津川下り乗船場 8号 水彩 レガッタ 囀りは杜の奏でるアリアかな 惟之 落日に染まる比叡や麦青む 松の芯一尺伸びて雨上がる レガッタの声も消えたりみづき咲く 休校の門は開けられ白牡丹 誌上句会 兼題「新樹」 特選 約束は蛤御門新樹光 胡蝶 古墳群装ふ新樹吉備の国 つとむ 新樹陰絵本開けて読み聞かせ 眞喜子...
View Article10月の詩(花蜜柑)
大山崎山荘(京都府乙羽郡大山崎町) F8 水彩 花蜜柑 初夏や鴉のねぐら高高と 惟之 香を放つ密な葉裏に花蜜柑 九輪草誌上句会に手向けらる 蛇の子を小瓶に掲げ餌を問う子 収束を祈り湖岸に大花火 誌上句会 兼題「夜店」 特選 神の灯を借りて夜店の荷を開く みどり 景気見と父に連れられ夜店行く 富治...
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