夜明けの大津港(びわこホテルより)
古希と喜寿
実南天挿して迎えし子の花瓶 惟之
面長の男雛女雛や古雛
古雛や五人囃子の目の円ら
紙漉きて一目千本梅七分
梅見して紙漉き体験腕まくる
吊り上げの鱒を逃がせば悔しがり
鱒落ちて針で指突く爺かな
吊り上げの鱒は十二尾満足気
鱒かぶる吾子を横目に父の顔
炭焼きの鱒の身ほぐす箸捌き
湖望み幾度も浸かる大根湯
古希と喜寿祝ふ夜雨は春の鮨
暁の春の湖黄金満つ
春の夕顔赤らめて七並べ
パンケーキ三つ四つ焼いて春の朝
卵焼きくるりと巻いて春の皿
金魚との別れを惜しむ餌遣りかな
気遣ひのチョコとマスクに一句かな
マーガレットまた逢ふ日までと七重八重