六月の詩(糺すの森)
赤い四阿のある森(栗東市安養寺)F8 糺すの森 霜焼けて幼に還る八十路かな 惟之 積雪の庭へ迷はず飛び込む子 三井寺の円空仏や春立てり 合格の笑顔のライン届きけり 春浅き糺すの森を妻とゆく 誌上句会 兼題「鳥帰る」 特選 翳となり光となりて鳥帰る 三枝子 鳥帰る備前の山の皆まろし 紀久子 偕老の鍬振る上を鳥帰る 泰山...
View Article七月の詩(幻の城)
幻の城 二月や輪島の駒の棋王戦 惟之 船の出ぬ輪島の海女や春遠し 朧夜や烏帽子の出づる屋敷墓 肺活量使い果たして春歌ふ 幻の城の遺構や春の泥 誌上句会 兼題「若緑」 特選 風あれば風を諾ふ若緑 三枝子 沖を行く白き客船若緑 洋子 慟哭も呑んでフクシマ若緑 謙治 若緑に対ひて色をととのふる 稔 若緑くずれ砦の石の寂 廣平 方丈の留守を預る若緑 幹男...
View Article八月の詩(花見どき)
赤いドック(姫路市家島)50号 水彩 やどかり 春場所の記録記録や尊富士 惟之 やどかりや子の掌に貌を出す 高瀬川の一之船入桜咲く 焼跡の輪島に咲きぬヒヤシンス 花見どきお召列車の菊御紋 誌上句会 兼題「初夏」 特選 初夏の辻馬車に揺れ豊後富士 惟之 初夏のひかりを廻す風車かな 利里子 二〇度は丁度頃合ひ老ひの初夏 秀子 初夏や逗子の沖行く帆掛け船 克彦...
View Article九月号の詩(マーガレット)
卓上の朝 8号 水彩 マーガレット 耳飾りしてゐる小犬夏はじめ 惟之 大輪の薔薇の数数遠汽笛 筆談と手話の茶房や麗らけし 絹莢を今朝も摘みゐて五つ六つ マーガレット子の手作りの花器に活け 誌上句会 兼題「植田」 特選 歌垣の山を田毎に植田かな 珠子 山間のしづもる植田八ヶ岳映す 翠 電線のすずめ映りし植田かな 敏子 山合の植田に月の渡りゆく 利里子...
View Article10月の詩(風薫る)
保津川桟橋(亀岡)8号水彩 風薫る 俳人の墨画展なり風薫る 惟之 葉桜の下で腕立て息弾む 牡丹散る小袖小路に立ち入れず 蛍飛ぶ誓子の句碑や摂津峡 叡王戦破れ失冠五月闇 誌上句会 兼題「西日」 特選 船の淦捨てて船屋も西日中 三枝子 絵ガラスのイエスを射抜く西日かな 光央 犬行に西日の斜光厨窓 稔 自転車通学の背や大西日 泰山 秀逸...
View Article11月の詩(切子)
中津川温泉 ふるさと牧場 6号水彩 切子 7月や新紙幣とのご対面 惟之 万緑や比良の麓をゆく列車 半世紀ぶりの再会里祭り 七夕の短冊吊るし退院す 倒壊の能登を練りゆく切子かな 誌上句会 兼題「法師蝉」 特選 蘆花旧居くぬぎ楢槻法師蝉 珠子 ひとり居のコーヒータイム法師蝉 靖子 法師蝉託す者なき父祖の墓 利里子 庭椅子の母の定位置法師蝉 博光 秀逸...
View Article12月の詩(人馬一体)
思い出の果物 6号水彩 人馬一体 取りを行く大船鉾や大拍手 惟之 仏蘭西に嫁ぎし子とや日焼の子 火の玉を見たと真夏の夜の妻 夏空へ人馬一体パリ五輪 父母の飯盛山や星流る 誌上句会 兼題「秋高し」 特選 俳諧を一途に生きて秋高し 三枝子 不機嫌と無口は別と秋高し 康平 秋高し会ひたき人は遠くにて 静風 秋高しバスの車窓に清滝村 東音 秀逸...
View Article令和七年一月の詩(萩の花)
東寺の春 8号 水彩 新年あけましておめでとうございます。 巳年の本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 萩の花 夕風のはらり紐解く萩の花 惟之 夜長かな名人戦の棋譜並べ 新蕎麦を未だ未だ食ぶる十五皿 法話聴く雪山童子秋の宵 被災地の軍艦島も良夜かな 誌上句会 兼題「紅葉」 特選 予後の試歩招く窓辺の紅葉かな 謙治...
View Article二月の詩(京都植物園)
凧あげ F2 水彩 京都植物園 赤赤と浮気心のダリヤ咲く 惟之 秋桜相合傘となりにけり すゑこざさ確と見届け秋時雨 秋高し子ら駆け回る大芝生 小鳥来る絵本のやうな水車小屋 誌上句会 兼題「初氷」 特選 谺して山の深しや初氷 三枝子 あけやらぬ光のかけら初氷 利里子 罅割れの如フロントに初氷 稔 雀らの会話弾けん初氷 泰山 句会への脇道一歩初氷...
View Article三月の詩(雪吊り)
家島のクレーン 50号 水彩 雪吊 広がりし被爆の記憶天高し 惟之 伏見へと上るバス旅新酒汲む 骨壺へ納める寒さ喉仏 動けない冬の揚羽を助けし子 早早に雪吊はじむ妻の里 誌上句会 兼題「山眠る」 特選 石段に足跡残し山眠る 博女 生も死も一つに束ね山眠る 悦子 アルパカの長き睫毛や山眠る 光央 合戦地大山崎の山眠る 鈴子 秀逸 説法の上方訛り山眠る...
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