七月の詩(野水仙)
沖島の瓦礫と錨(40号 水彩) 第26回 滋賀水彩展出展 野水仙 妻と見しキエフバレエや春遠し 惟之 友のゐる墓見上げれば野水仙 百合植ゑて疫病しづもること祈る 幼子の諸手に溢る花の屑 山越えて桜蕊ふる通学路 誌上句会 兼題「春雨} 特選 春雨に呟きのごと滴る木木 静風 春雨や山山色を重ねたる 篤子 久久に弾くピアノ曲春の雨...
View Article八月の詩(鉄砲の里)
由布岳の夏 8号 水彩 鉄砲の里 涅槃会や木に掛けられ鉢と杖 惟之 国友の鉄砲の里花吹雪 姉妹都市キーウに支援花ミモザ 卒寿ゆく句友三人リラの花 そら豆の花つぎつぎと目を開く 誌上句会 兼題「卯の花」 特選 ふるさとに近き谷川花卯木 紀久子 球場へ卯の花垣をガイドにし 歌蓮 柳生みちはここより険し花うつぎ 三枝子 復員の父も迎へし花うつぎ 秀子...
View Article九月の詩(宿木)
ふれあい牧場(岐阜県中津川)6F 水彩 宿木 春風や鳶と鴉の空中戦 惟之 貴船路の桜蕊ふる峠かな ウクライナ語の四月開講人気呼ぶ 鳥の巣のごとき宿木夏はじめ 賑わひの田植体験子ら列 誌上句会 兼題「滝」 特選 氷河より流れ来る滝殩殩と 胡蝶 雲の峰国を境のナイアガラ 知恵子 夫婦滝落ちてひとつの水となる 篤子...
View Article第18回 湖水会作品展終える
第18回 「湖水会」水彩画展が開催され、無事終えることができました。コロナ禍のなか、200名あまりの方に訪問いただきました。ありがとうございました。ここに、展示の作品を紹介させていただきます。作品は、室内照明などの関係でうまく色合いが撮れていませんが、悪しからず、ご承知ください。作品の紹介は、順不同です。 会期:令和4年9月21日(水)~9月25日(日) 会場:大津市生涯学習センター...
View Article10月の詩(頬の花)
懐かしい林檎 6F 水彩 朴の花 通学の子らの見上げる朴の花 惟之 やはらかに両耳撫づる青田風 鎮魂の知床岬朴散華 曾良の墓詠ひし友よ沙羅の花 ゆっくりとお前も生きろ大蚯蚓 誌上句会 兼題「爽やか」 特選 爽やかや風尖りゆく石切り場 洋子 爽やかに父とハミング赤とんぼ 治子 爽涼や天使の眠る乳母車 珠子 病癒ゆる人見送りぬ爽やかに 博女...
View Article十一月の詩(万福寺)
秋の訪れ 50号 三浦武弘(大津市) 万福寺 林間に四葩波打つ三室戸寺 惟之 本堂へ鐘を打たばや時鳥 梅雨晴れて一駅歩き万福寺 大寺の門を叩かば隠元忌 涼しさの廊下に下がる魚版かな 誌上句会 兼題「渡り鳥」 特選 次つぎと湖北の山を渡り鳥 惟之 宇和海のだるま夕日や鳥渡る 京子 糸底を切りて一息渡り鳥 秀穂...
View Article十二月の詩(夏の夕)
せせらぎ(下鴨神社) 8F 寺西千賀子 夏の夕 ふるさとの山へ草矢を打つ八十路 惟之 猿が出た知らせを回す夏の夕 蝉鳴くや透明な羽ふるはせて サイレンの鳴り渡る明け秋暑し 参道にここよここよと茸群る 誌上句会 兼題「秋祭」 特選 とりどりの野菜のオブジエ秋祭 洋子 村捨ててゆけぬ顔ぶれ秋祭 廣平 秋祭鳰が仏の水を飲む みどり...
View Article太郎坊山ハイキング
太郎坊宮参道(近江八幡市) 聖徳太子没後1400年。蒲生野に屹立する信仰の岩山、太郎坊山(350m)から巨岩信仰の山、岩戸山(373m)、箕作山(370m)を結ぶ尾根歩きコースをハイキングしました。鮮やかな紅葉と十三仏の岩戸山下りに魅了されました。参考資料の小時間は3時間30分でしたが、倍の6時間でしたが無事に下山できました。...
View Article令和5年1月号の詩(山羊の声)
下鴨神社 8F 水彩 山羊の声 遠山やひまわり畑に山羊の声 惟之 ずぶ濡れで駆け回る子ら散水車 八ヶ岳生もろこしの甘さかな 風そよぐ朝の公園つくつくし 虫の音を聞きつつ妻と夜の散歩 誌上句会 兼題「着ぶくれ」 特選 皇后の列車に旗を着ぶくれて 知恵子 我が終始知っている杖着ぶくれて みどり...
View Article二月号の詩(雁渡る)
牧場の春(中津川市・ふれあい牧場) 雁渡る 瀬田川の空次つぎと雁渡る 惟之 暁の湖北の目覚め稲の秋 本陣の大きな竈秋深む 小菊咲く大石内蔵助墓前 萩刈つて少し身の辺の整理かな 誌上句会 兼題「冬の虹」 特選 余生なほファンタジックな冬の虹 藤子 名曲のロシアをしのぶ冬の虹...
View Article三月号の詩(衣被)
湖北秋暁 30号水彩 衣被(きぬかつぎ) 無患子の降る川の辺に夕陽落つ 惟之 親芋を提げて重たき日暮れかな 衣被剥きて八十路の朝かな 銀杏散る瀬田の唐橋比良比叡 ぴかぴかに薬缶を磨き冬に入る 誌上句会 兼題「冬霧」 特選 開かれし仏のまなこ冬の霧 博女 仏像に目を入れると魂が通う。冬霧に仏の眼差しが暖かい。...
View Article四月の詩(浮寝鳥)
三栖閘門の春(京都・宇治) 水彩 F8 浮寝鳥 朴落葉に目と口あけてムンクかな 惟之 神農の虎のゐ並ぶ飾り棚 障子貼る子らの声聞くラインかな 冬の空ドーハの歓喜また涙 緩やかな洗堰なり浮寝鳥 誌上句会 兼題「水仙」 特選 水仙や戦火の野にも負けず咲け つとむ 水仙やこの手を借りる事ふえて 三枝子...
View Article小関越、疎水、南禅寺へ
びわ湖疎水の観光船(大津市藤尾奥町) 大津駅から小関越え、琵琶湖疎水、四宮船溜、安朱橋、山ノ谷橋を経て、南禅寺への花の散策を楽しんできました。 地蔵越え菜花よぎりて小関越 惟之 多羅葉に記す俳句や木の芽吹く 竪坑を知りて往時の苦労知る(無季) 琵琶湖疏水は日本遺産よ初音聴く 観光船声も過りて花の下...
View Article五月の詩(初漕ぎ)
東寺(京都市南区九条町) 八号 水彩 初漕ぎ 初詣雲中供養菩薩なり 惟之 初漕ぎの櫓音たかだか比良比叡f 元旦や子らと一日を映画村 正月や孫と添ひ寝の妻うれし 身ほとりに続く別れや冬の空 誌上句会 兼題「東風」 特選 東風荒らぶ灘に隔たる赤間宮 藤子 朝東風や使ひ切つたるジャムの瓶 稔...
View Article六月の詩(春の雪)
大津港のタグボート 40号 水彩 春の雪 赤き面かぶり追儺の下校の子 惟之 山寺へ続く丁石寒明くる 湖のぞむ二の丸跡や風光る シャンシャンを見送る人や春の雪 表紙絵の赤きベンガラ春日陰 誌上句会 兼題「桃の花」 特選 夕飯は夫の手料理桃の花 安恵 桃の花復興の地に根を張りぬ 泰山 句碑一基野辺に立ちたり桃の花 みどり 人生は七十からや桃の花...
View Article七月の詩(春一番)
猿飛佐助のふる里 三雲城址 八畳岩(甲賀市三雲) (落ちそうで落ちない受験生のホットスポット) 春一番 春一番続日本紀の読めぬ文字 惟之 手の平に独楽を廻して梅まつり 子が呉れし御守り札やつくづくし 卒園を祝ふ花束赤白黄 桜咲く疏水に母子地蔵かな 誌上句会 兼題「シャボン玉」 特選 人生は短し長しシャボン玉 信義...
View Article八月の詩(豆の花)
エルムの森(北海道大学)六号水彩 豆の花 乗り過ごしべそをかく子や豆の花 惟之 多羅葉に一文字書けば胡蝶くる 花びらの流るる疏水船溜り 乗船の客の声ゆく花の下 里山の遺跡を囲む花菜かな 誌上句会 兼題「風薫る」 特選 北国のエルムの森や風薫る 惟之 幼子のよちよち歩き風薫る まこと 少年の清し一礼顔薫る 廣平 生き延びてまだ風薫る土手にあり...
View Article九月の詩(朧月)
赤いドック’(家島)水彩 40号 朧月 朧月作者不明のいろは歌 惟之 朝ドラに映りし孫や花水木 鐘楼へ一尺伸びて松の芯 藷植ゑて夢膨らます八十路かな 薫風や朱の橋渡りあぶり餅 誌上句会 兼題「蟻」 特選 蟻の列シルクロードへ続きをり 美代子 一匹の蟻出て蟻の道となる 清次...
View Article第19回湖水会水彩画作品展
エルムの森(北大)6号水彩 伯耆惟之 第19回湖水会水彩画作品展が大津市生涯学習センターで開催され、盛況の中、無事おわりました(9/20-9/24)。ご来場いただきました皆様に厚く御礼申しあげます。ここに出展されました作品を掲示してお礼に替えさせていただきます(順不同)。 北国のエルムの森や風薫る 惟之 クロアチア平和を祈る秋の塔...
View Article10月の詩(大津絵)
滋賀県立図書館 F6 水彩 大津絵 流鏑馬や近江神宮風走る 惟之 初夏や夕陽の落つる厳島 初夏や出町ふたばに列なして 川の辺にパン屋オープン沙羅の花 大津絵の鬼も傘持つ梅雨入かな 誌上句会 兼題「土用干」 特選 土用干床の茶掛けに一礼す 安恵 思い出の楽譜あれこれ虫払 靖子 風入る被爆者名簿土用干 藤子...
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