四月の詩(初冠雪)
雲厚く春風頬を突き差しぬ(大津港) 楓の木の紅葉且つ散る鏡池 惟之 焼芋の煙いぶりて坂のぼる 初冠雪やうやく見せて比良遠見 ふぐ鍋を囲みて明日の釣談義 店先に棒鱈吊るし客を呼ぶ シクラメン真中を占めて生花店 捨弘 シクラメン一人出窓に定まりて 幸子 多種あるも炎のやうなシクラメン アイ子 シクラメン葉陰に蕾五つ六つ 惟之...
View Article花の寺法金剛院と雲竜図の妙心寺へ
法金剛院の庭園 JR嵯峨野線花園駅から近い関西花の寺、法金剛院と日本最大の禅寺、妙心寺に行ってきました。法金剛院は山門を潜ると待賢院桜の紅枝垂れが迎えてくれ、池には蓮の芽が覗いていました。また、池の回りの苔の緑がきれい。妙心寺は退蔵院の枯山水や瓢鮎図、また、法堂の狩野探幽の天井画・雲竜図や明智風呂などを見て来ました。 蓮の芽のつんつん覗く池面かな 惟之 人知れず池辺に土筆群れてをり...
View Article五月の詩(二年坂)
春祭(大津市唐橋) 船溜り茜に染めて初明り 惟之 鳶舞うて遠山くきり初句会 席題に狸とび出で初笑 孫三人みんな二歳の初詣 初髪の人とゆき交ふ二年坂 大泣きてにつこり笑つてしやぼん玉 しやぼん玉幼の駆ける赤い靴 美枝 しやぼん玉飛んで子供の笑顔かな テル ふるさとへ飛ぶ夢毀れしやぼん玉 洋子 息一杯吸ひふくらますしやぼん玉 初枝...
View Article第20回記念滋賀水彩展おえる
第20回滋賀水彩展会場風景 大津市歴史博物館で開催されました第20回滋賀水彩展は盛会裡におわりました。出品は81作品。最終日には県知事も来られ賑やかに全員集合の記念撮影。了解をいただきました作品の幾つかを紹介します。 シャガールの月光冴える「しあわせ家族」 惟之 菜の花も樹下に映えて疎水かな 初夏の眼を見開いて「あそぼうよ」 パラソルの日差しやわらかパン売る子...
View Article六月の詩(鴨の陣)
校庭に雪合戦の声はずむ 惟之 マタニティマーク付けゐて冬ぬくし この先の航行禁止鴨の陣 五羽六羽水輪かさねて鳰くぐる デコポンの大きな出べそ春隣 茎立や背のランドセル小さくて 秀子 茎立ちて葉牡丹くらり傾ける 捨弘 茎立も雨をもらいてかがやけり アイ子 茎立の蕊の力の頼もしく 幸子 みずうみと川の境界茎立てる 惟之 茎立ちて粗末に置ぬ鉢一つ 美枝...
View Article第37回京都水彩会員会友作品展のご案内
第37回京都水彩会員会友作品展が下記のとおり開催されています。 ご高覧いただきますようご案内申し上げます。 日時:2016年6月7日(火)~6月12日(日) AM9:00~PM5:00 最終日はPM4:00まで 会場:京都市美術館 本館1階北展示室 京都市左京区岡崎円勝寺町124 TEL:075-771-4107 主催:一般社団法人 京都水彩会
View Article第37回京都水彩会会員会友展終わる
ローデンブルグ T.Nagai 会場の入口付近では、クーペの自動車展が開催されるなか、京都水彩会会員会友展がおわりました。 出展作品の一部をご紹介いたします。 塔ひかるローデンブルグの夏の宵 惟之 日盛や赤き和傘はねねの道 寄り添ふて日を包みをり樹の若葉 夕映えて比良の集落屋根に雪 魚道を次次のぼる鮎の水色 日の射して蜻蛉とまりし秋桜...
View Article長命寺から津田山へハイク
津田山の岩場から沖島、比良の山並みを望む 正に梅雨晴間(金・雨、土・晴、日・雨)の一日。比良山系からの琵琶湖の対岸、西国31番札所、長命寺から津田山にのぼり、国民休暇村の温泉に浸かってきました。土曜日といえど、一人のハイカーしか出合えなかったが、絶景の湖を望み、珍しい山野草に出会い、ホトトギス、夏うぐいすの木霊すハイクを楽しみました。反省会のビールの味は一入でした。...
View Article仰木の棚田
仰木の棚田 6F 湖水会のメンバーで昨年雨で中止となりました仰木の棚田を描きました(5月12日)。JRおごと温泉駅に9時30分に集合して、車に乗り合わせ棚田に向かう。棚田は水田のころが一番。写生場所は迷ったあげく、電柵の間からみた、やはり馬蹄形この場所に落ち着きました。 水田映ゆ比叡の山すそ椎若葉 飛び交ふて水田ついばむ群つばめ 白鷺の影を水田に五羽六羽...
View Article春の雨
朝日に照らされた草の花房。紫いろの鯉が群れて泳いでいるよう。大戸川川原にて。 山襞を昇る法螺の音春の雨 惟之 屋根替や路地に捨てらる鬼瓦 春の日に初めて乗りぬ三輪車 啓蟄やつはりの母を気遣ふ児 点滴を待つ間の雛コンサート 水槽が晴れ舞台なり熱帯魚 捨弘 熱帯魚患者迎へる医師の棚 美枝 熱帯魚恋するごとく向かひ合ひ 惟之 水槽を堂々巡り熱帯魚...
View Article西瓜切る
西瓜切る 6号 水彩 切り方も味のうちなり西瓜食ぶ 雄峰 初ものをたたいてて選ぶ西瓜かな 静風 逝きし子の最後にねだりし西瓜かな 皆子 西瓜手に顔うづめたる園児かな 直子 幼き日西瓜吊るせし井戸つるべ 博女 光るもの皆吊り終えし西瓜守 稔 西瓜切る母に寄りくる子の瞳 祐枝女 西瓜畑敷藁にくる群雀 稔子 等分の西瓜をさらに小さく切る...
View Article八月の詩(退蔵院三句)
室町時代の画聖狩野元信の枯山水の庭園(京都・退蔵院) 瓢鮎図騒ぐ問答椿落つ 惟之 椿咲く枯山水の不変の美 陽の庭陰の庭あり桜二分 泥水にのの字のの字の蝌蚪の紐 春動く幼の描くクレパス画 父の日に合わせて家族写真撮る 幸子 父の日や今年は父の五十回忌 テル 父の日の親子と犬と夕散歩 洋子 謡本出して父の日なりしかな 初枝 父の日や戦後語らず逝きし父 秀子...
View Article美山かやぶきの里
街道沿いのかやぶき(京都府南丹市美山町北) 6F 水彩 12年ぶりに美山町のかやぶきを描きました。美山町のシンボル、赤いポストをすぎた最初の辻を左折し、公民館の階段をのぼり、少し見下す構図。数人のメンバーが描いていたが、小生もこの場所ときめて座り込む。街道沿いに三軒のかやぶきが連なるこのポイントは、きわめて難しい構図であった。 かやぶきの千木かさなりて夏の雲 惟之
View Article布草鞋と夏帽子
布草鞋と夏帽子 水彩 F6 写生会で描いた草鞋と夏帽子。草鞋は布製でやわらかい質感がなかなかむづかしい。人形と草鞋が準備されていましたが、急遽、私の帽子と入れ替わりました。背景のレモンイエローがブルー系のクロスと帽子にマッチ。 旅ごころ抱く草鞋や夏帽子 惟之 写生風景 講評風景
View Article九月の詩(立夏)
かりがね地蔵のある大戸川、瀬田川合流付近(大津市黒津) 鉈彫の小さなほとけ春燈 惟之 朝日差す房の紫ゆらす虻 スーザフォーン湖岸に響く立夏かな 山麓の水田に映ゆる椎若葉 大蓼の花の波打つ舟乗り場 草笛の思ひ出多き少年期 捨弘 草笛を競いし頃を懐かしむ アイ子 生駒山みて草笛吹きし少年期 惟之 草笛の聞こゆ山手の介護園 美枝 畦道を草笛吹く子かけてゆく テル...
View Article10月の詩(花菖蒲)
深泥池畔に咲くカキツバタ(京都市北区上賀茂深泥町) ゆつくりと竿差す舟や花菖蒲 惟之 妻の顏よりの大きな七変化 夏空へポプラ聳えて子等の声 葉隠れに蛇の子がゆく深泥池 梅雨晴間堰全開の怒涛かな 愛犬の墓石をのぼる蝸牛 蝸牛雨宿りする葉裏かな 美枝 雨上り葉裏につきし蝸牛 テル 歳月の重さを背負ひ蝸牛 洋子...
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