春祭(大津市唐橋)
船溜り茜に染めて初明り 惟之
鳶舞うて遠山くきり初句会
席題に狸とび出で初笑
孫三人みんな二歳の初詣
初髪の人とゆき交ふ二年坂
大泣きてにつこり笑つてしやぼん玉
しやぼん玉幼の駆ける赤い靴 美枝
しやぼん玉飛んで子供の笑顔かな テル
ふるさとへ飛ぶ夢毀れしやぼん玉 洋子
息一杯吸ひふくらますしやぼん玉 初枝
しゃぼん玉夢の続きをせがまれて 秀子
しゃぼん玉われの行方も風まかせ 捨弘
風に乗り形いろいろしゃぼん玉 アイ子
俳誌 嵯峨野 五月号(通巻538号)より