校庭に雪合戦の声はずむ 惟之
マタニティマーク付けゐて冬ぬくし
この先の航行禁止鴨の陣
五羽六羽水輪かさねて鳰くぐる
デコポンの大きな出べそ春隣
茎立や背のランドセル小さくて 秀子
茎立ちて葉牡丹くらり傾ける 捨弘
茎立も雨をもらいてかがやけり アイ子
茎立の蕊の力の頼もしく 幸子
みずうみと川の境界茎立てる 惟之
茎立ちて粗末に置ぬ鉢一つ 美枝
茎立ちて借畑はみな整理され テル
茎立やランナー過ぎる湖畔道 洋子
茎立ちて忘れられたる畑の隅 初枝
俳誌 嵯峨野六月号(通巻539号)より