室町時代の画聖狩野元信の枯山水の庭園(京都・退蔵院)
瓢鮎図騒ぐ問答椿落つ 惟之
椿咲く枯山水の不変の美
陽の庭陰の庭あり桜二分
泥水にのの字のの字の蝌蚪の紐
春動く幼の描くクレパス画
父の日に合わせて家族写真撮る 幸子
父の日や今年は父の五十回忌 テル
父の日の親子と犬と夕散歩 洋子
謡本出して父の日なりしかな 初枝
父の日や戦後語らず逝きし父 秀子
父の日や今の暦のふと淋し アイ子
父の日や父は背中でものを言う 捨弘
父の日の遠き日の文抽斗に 惟之
父の日の酒一合に酔いにけり 美枝
俳誌嵯峨野 八月号(通巻541号)より