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Channel: 水彩画と俳句の世界
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十二月の詩(東京五輪)

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          田村神社の紅葉(甲賀市土山町北土山)

  東京五輪

銅メダル賭けて七人蝉時雨  惟之

激闘の東京五輪夏終はる

かなかなのやめば夜明けの雨上がる

川風や時に途切れて虫の声

朝顔や五輪の記事の捨てがたし

  誌上句会 兼題「木の実」

特選

瓦焼く窯の火鳴りや木の実落つ  三枝子

校庭に下校のチャイム木の実降る  よう子

自転車のかごに木の実と文庫本  洋子

湖へ向く十二神将木の実ふる  惟之

読書てふ刻のありけり木の実ふる  みどり

秀作

幼より貰ひし木の実箱に鳴る  洋子

抽斗の小箱にめんこ木の実独楽  清次

掌を零るる木の実夫の笣       恵子

父母の墓抱きし大樹木の実降る  篤子

薬研坂青い車に木の実降る  鈴子

木の実落つ音眠らせて水面かな  廣平

木の実ふる日暮れははやし志賀の道  静風

講堂の裏は草むら木の実落つ  祐枝女

裾山をくるむる夕日木の実降る  東音

園丁の鋏に機嫌木の実降る  泰山

  やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

桜桃忌いつものやうに雨となり  勝彦

人は皆違っていいの額の花  久子

霊山の裾野の里や青田波  東音

鈴の音の風の拝殿緑さす  東音

父の日と自ら言ひてそれっきり  洋子

紺作務衣繕ひ重ね氷室守  勢津子

吾が影を微塵にとばす芝刈機  布美子

田植すみ田圃一気に若返る  真生子

青葉光頬に指あて半夏生  邦弘

田を掻いて水面の空を裏返す  研二

蛍火や聞くを味方に継ぐ生命  佳子

ゆづり合ふあづまやの席風光る  陽子

夏鏡をんなの嘘をかくしけり  征子

白靴が並んで恋の話など  せつ

父の日に期待しずぎる妻の顔  栄子

  俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第605号)より  

  

 

 


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