田上郷土史料館収蔵庫の大八車の車輪
高度成長期の時代の変化の中で、郷土の文化を担ってた道具類が廃棄物として消えてゆくことに地元の二人が危機感を持ちます。そして二人は、これらを何とか後世に残せないかと活動を始めます。はじめは奇異に見ていた地域の人々も、共感し活動を応援しようと動きだします。ことことがきっかけとなり「田上郷土史料館」が開設されました(昭和42年)。懇切にご説明いただきました真光寺の東郷正文氏に感謝申し上げます。大津歴史博物館 企画展「田上でぬぐい」-暮らしと文化ー参照。
春日背に二輪で訪る史料館 惟之
大八の車輪五つ六つ春の塵
五つ玉の大津そろばん春はじく
ネズミ捕り形いろいろ春の窓
春塵の鞍に積もりて牛の声
菜種打つ床几台吊る蔵の内
歯車のハンドル廻し田水汲む
吊るし柿馳走になりて太鼓楼
担ぎたる消防ポンプ火の用心
田上郷土資料館収蔵所
菜種取りの床几 床几の下に布を敷き、木槌で叩き、菜種を落とす
井戸水汲みの滑車と肩担ぎが付いた消防ポンプ
積み上げられた風呂
民具一式
足踏み式の脱穀機 踏み込むとカラカラ回りました。
牛の鞍と藁の合羽 牛の声が聞こえてきそう
牛の背に吊り下げた藁袋
餅つきの木臼 石臼は移動が大変だが、木臼はし易い。
柿渋の絞り機 渋柿の実から採取した液は木や麻・紙などに塗り防水・防腐用とします。
台所の大かまど一式
ずらりと並ぶ田草とり
真光寺境内の別館へ
井原西鶴 武家物語の句碑
田上郷土史料館の建築概要
田水汲み取り機 川から田水を汲み取る際に使われた機器
糸ノべ車 綿に撚り(ねじり)をかけて、糸を紡ぐための道具
分銅。秤などで量るものの基準となるおもり。天秤に使用した。鉄や真鍮などの金属製
ねずみ取り
五玉の大津算盤
蠅とり機 蜂蜜を塗った木製の回転板に止まった蠅が手前の金網に捕集される。
山本粟斎詩・梅田鉄城画の田上拾六勝 明治29年(1896年)
狛坂摩崖仏の40年程前写真。現在ではシミや苔での汚れがあり、貴重な写真と思える。