西国十番 三室戸寺 三重塔
鯖街道眼下に伸びて夏薊 惟之
山法師銀河のごとき夜空かな
ポーズとる子等は賑やか花菖蒲
梅雨晴や雲は地平に見え隠れ
日盛りや東寺金堂屋根ひかる
四囲の山朝靄晴れて青田風
青田風一人降ろしてバス行きぬ 洋子
伝来の青田守や六代目 捨弘
ふるさとや青田に光る風みえて テル
鷺一羽点描となる青田原 秀子
きらきらと朝の青田の雨滴かな 美枝
水害の泥につかりし青田かな 幸子
落日に染まる青田や波うちて アイ子
俳誌 嵯峨野 10月号 (通巻531号)より