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Channel: 水彩画と俳句の世界
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第25回滋賀水彩展おわる

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      ひまわり  50号  前川稔子(大津市)

第25回滋賀水彩展は、コロナ禍の厳しい中、無事おわりました。準備いただきました関係の方々にお礼申し上げます。出展は例年の半数位でしたが、意欲的な作品、楽しい作品など一部を順不同で紹介します。

  ひまわりに笑顔の零る一家かな   惟之

  枯蓮の水面の影の美しき

  風そよぐ自粛の庭の若葉かな

  明智越リスの横切る竹の春

  常念の前で語りし若き日を(無季)

  コロナ禍の滋賀水彩や秋うらら

 経年変化 滋賀水彩会新人賞 河内勇輝(甲賀市)

 水路閣  滋賀水彩画会賞  森 弘子(大津市)

 DANCE dance  dance    若林和子(大津市)

  雨の寄り道  梅原絹子  大津市

 宙の旅  村山綾子  大津市

 花束  増山恵子  草津市

 

 自粛の庭  服部壽一  守山市

 ひつじ草と住人  脇田英和  大津市

  2月の常念岳  渡辺徳一郎  大津市

  大地  中塚 勝

 ひまわり  荒金弘安  大津市

 南伊勢町 漁村  山田憲孝  大津市

  蓮池  村上 眞  近江八幡市

 午後のひととき  中村義郎 草津市

 オオバス  万木金造  大津市

  明智越  伯耆惟之  大津市

 


九月の詩(御車返し)

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           明智越(京都・亀岡) 40号 

   御車返し

山上に御車返しなる桜   惟之

散る花の一片おほきひらひらと

不動寺に花の絨毯薄明り

鶯の四方に啼きをり遠比叡

新緑のトンネル抜けて山下る

   誌上句会 兼題「青田」

特選

窓四方開けて青田の風に棲む  三枝子

かぎろひの里の朝風青田風  洋子

そよぎ立つ色に力や青田風  みどり

学校田に学年の旗青田風  恵子

十勝野を統ぶるうねりや青田風  泰山

秀作

青田風受けて農具の泥洗う  まこと

旅なかば青田の中の無人駅  文夫

近江路や湖東三山青田中  捨弘

青田見ゆ写経の硯洗ふとき  稔

媼ゆく青田の風に押されつつ  秀子

青田風古きよきもの大世帯  珠子

一枝と見紛ふ青田川向う  詔義

賑やかに青田は子らのビオトープ  清次

青田風遠く列なす小学生  靜風

歓声の子ら水遊び青田風  惟之

  やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

伊予和紙の細き罫線春の雨  そよ女

ごろりごろり蓮華畑に転びたし  志津

老い母の守り来し畦蕗の薹  東音

卒寿にて解ることあり梅の花  和子

このままの人生もよし草萌ゆる  道子

引鶴や出羽三山の晴れわたり  怜

猫の耳かすかに動き春炬燵  みどり

白木蓮咲くにためらひありにけり  豊子

みほとけのみほとりつつむ余寒かな  邦弘

啓蟄や居心地のよい地下茶房  アイ子

花大根休みやすみの鍬の音  安惠

春風やビルの谷間の佃煮屋  眞喜子

  俳誌嵯峨野 九月号(通巻第602号)より

 

夏休の絵

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   バレーが大好き  優月(4歳10か月)

コロナ禍が厳しい折、夏休みに子たちが帰って来てくれました。買い物以外は何処にも出かけずに絵を描いたり、庭でのプール遊びや稲畑の散歩、花火などをして過ごしました。大好きなバレーの絵など楽しい思い出の作品や共に過ごした時間を拙句で紹介します。

 ブーメラン高木に架かり秋に入る  惟之

 雨上がり子らと植ゑをり秋の花

 梅雨のごと雨ばかりなり帰省の子

 リコーダー共に吹きゐて秋の宵

 手花火を子らと怖怖をり

 底紅の咲くつぐ庭や子らの声

 朝顔の咲きつぐ狭庭子らの声

 子らの声蝉の啼く声水遊び

 お掃除も好きです。ホウキなどの描いてありますね。 

  花が沢山咲いています。

 バレーの大ジャンプ

 じいじとばあばも描いてくれました

 バレー教室のホームページで紹介していただいた優月ちゃんの塗り絵

 

 

 

十月の詩(さくらんぼ)

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              北山田漁港(草津市) 8号         

  さくらんぼ

七年の歳月実りさくらんぼ  惟之

朝日差す葉裏に百顆さくらんぼ

妻に摘む朝の一盛さくらんぼ

さくらんぼ掌に摘みお裾分け

ネット越し小鳥も突くよさくらんぼ

    誌上句会 兼題「星月夜」

特選

カルザスのチェロの響きや星月夜  惟之

鯉跳ねて川面におどる星月夜  みどり

釣り船の連なる灯かり星月夜  東音

ベドウィンの露営のテント星月夜  清次

一張りのテントに親子星月夜  咲久子

秀作

賜はりし恩師の陶画星月夜  博女

星月夜あした佳きことある予感  珠子

貰い湯のあの日も遠く星月夜  洋子

潮騒の聞ゆ旅寝の星月夜  恵子

高原の音楽堂や星月夜  翠

クレーン伸ぶビルの屋上星月夜  洋子

戦争と平和読了星月夜  鈴子

田の中の一本道や星月夜  まこと

みやげ持ちこれから空路星月夜  祐枝女

十度目の富士八合目星月夜  捨弘

  やまびこ(八月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

鐘朧力抜くと謂ふことも  勝彦

八十年の嘘の数数桜咲く  隆を

螺子蒔けばまだ鳴る時計昭和の日  洋子

二輪草語り合ふごと咲く山辺  治子

実家といふタイムカプセル鳥雲に  洋子

えいえいおふ拳を上げてわらび出づ  古奈

雨音の規則正しや柿若葉  志津

囀りの空は真青や風日和  懋

のぞきをる仏のまなこ藤の棚  博女

追伸に本音を少し春灯  方城

幼子の息七色にしゃぼん玉  紀久子

卒業の日の一礼や下宿の子  利里子

藩邸の一の間二の間風薫る  節子

春光をこぼして回る水車かな  邦弘

末の子も村を出てゆく桃の花  邦弘

一人居の安らぎもあり春炬燵  和江

日の永し疲れを知らぬ児の相手  順子

川端の花満開や風に酔ふ  早苗

   俳誌 嵯峨野 十月号(通巻第603号)より

 

袴腰山登山

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          洗堰から望む袴腰山391m

故郷の山、袴腰山に登ってきました。自宅から徒歩往復6時間。疲れてへとへとになって帰りました。来年は八十路を迎えますが、仲間に支えられて何とかやっています、瀬田川沿いの鈴なり無患子、楽しい朝市の看板、口を開けた木通などなど。山路は、おびただしい朴落葉でしたが、朴の木に触れ、樹上の朴の葉を始めて納めました。楽しい自然との出会いでした。

  無患子の実の柔らかく鈴なりぬ   惟之

  朝市の看板楽し小春かな

  ひつじ田の焦点に座す袴腰

  山路を覆ひ尽くして朴落葉

  朴の木のつるんと高くふる落葉

  朴落葉ムンクの叫びの顔ごとく

  参道に山うりますと秋の宣

  団栗を三つ四つ拾ひポケットに

コース:湖南台ー湖南変電所登山口ー鉄塔分岐ー水準点ー袴腰山頂ー南郷町分岐ー見晴台ー南郷町分岐ー北参道ー湖南台

 瀬田川沿いの無患子

 朝市の看板

 鉄塔の見える袴腰

 木通を見上げる

 うまく木通を落とせるかな

 湖南変電所登山口

   朴の木

  朴の木の葉

 千頭岳、大平山として遠くに比叡山

 左の京滋バイパス、正面に伽藍山

 袴腰山頂391m

  南郷町への下り

 立木山北参道

第17回湖水会水彩画展のご案内

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 第17回湖水会水彩画展をご案内申し上げます。

 ご高覧いただきますようお願いいたします。

  日時:2021年10月26日(火)~31日(日)

     10:00~16:00

      初日は12:00~

  場所:大津市生涯学習センターギャラリー(1F)

     大津市本丸町6番50号 Tel 077-527-0025

     京阪石坂線「膳所本町」下車 湖岸方面へ徒歩数分

 

第17回湖水会水彩画展おえる

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                      春のひざし(長浜慶雲館)F8 太田厚子

第17回 湖水会水彩画展が無事終わりました。コロナ禍のため、久方ぶりの展覧会。多くの方にご来場いただき、有難うございました。コロナ禍が終息し、来年も無事に開催できることを祈ります。メンバー12名の力作34点を紹介させていただきます。また、作品のイメージより拙い俳句を詠んでみました。絵と俳句は順不動ですので、ご承知ください。

 彩傘の日差し優しき盆梅展   惟之

 回廊の油日神社秋日射

 スキップのひまわり畑や元気な子

 二輪漕ぐ子らの湖岸や竹生島   

 僧坊の雪の帰山や僧の列

 青春を歩む二人や三井の春

 清流のわさび農園水車

 春陽差愛宕山へと鳥居本

 嵯峨野路に零るる日差し竹の秋

 冬の御所静寂流るる木陰かな

 古民家の屋根の瓦や小春の日 

 懐かしき水口城跡若葉風

 水色の青き余呉湖や春の雲

 正面にダリアを活けて展覧会

 参道の桜並木や太郎坊

 切通の路地を行くなり小春風

 古すだれ風になびきし祇園かな

 縦三枚描かれし紅葉風ひかる

 晩春のメタセコイアの並木道

 参道に日吉の清水流れゐる

 白川の眩しき流れ小春風

 葉を付けたラ・フランスの陽のひかり

 出港を待ちしヨットや堅田港 

 風知草揺れて見返す出口かな

 黄泉からの声聞こえ来る赤きドック(無季) 

 助六を描きし仲間気遣ひぬ(無季)

 静寂(油日神社)F8 太田厚子

 夏の思い出(八幡ひまわり畑)F8 太田厚子

    琵琶一(湖北の秋) F9  相根滿諠

 帰山(坂本日吉社の冬) F9 相根滿諠

 青春(三井寺の春 )F9   相根滿諠

 わさび農園(長野) F6  中村忠治

 竹の小径(京都嵐山) F6  中村忠治

 嵯峨広沢の池 F6 高橋忠英

 冬の御所 F6 高橋忠英

 松ヶ崎の古民家 F6 高橋忠英

 水口城跡 F6 清水ちよ

 賤ヶ岳からの展望 F6 清水ちよ

 ダリアを活ける F8 長井房枝

 秋を集めて F8 長井房枝

 太郎坊宮の参道 F8 長井房枝

 一力亭 F6 町田源二

 切り通しの路地をゆく F6 町田源二

 祇園新橋 F6 町田源二

  秋彩(あきいろ)1 公園 北川清房

 秋彩(あきいろ)2  遊歩道  北川清房

 秋彩(あきいろ)3 公園  北川清房

 メタセコイア並木 初秋(マキノ) F6 佐藤 武

 参道(坂本) F6 佐藤 武

 メタセコイア並木 晩秋(マキノ) F6  佐藤 武

 ラ・フランス F6 寺西千鶴子

 出番待ち(堅田) F8  寺西千鶴子

 風のささやき(京都岡崎) F8  寺西千鶴子

 風知草 F4 山崎 清

 無題 F4 山崎 清

 赤いドック(姫路市・家島) F8  伯耆惟之

 赤い四阿の見える森(栗東) F8  伯耆惟之

 助六 F8  伯耆惟之

 会場風景

十一月の詩(浮御堂)

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                              赤い四阿の見える森(栗東) 8号水彩

    浮御堂

山稜に垂るる暗雲雹来襲  惟之

雹はげし茄子の葉っぱの穴あまた

捩花や左右を妻と確かめて

首筋を真だに遣らる夏の山

湖に立つ虹の真下の浮御堂

  誌上句会 兼題「花野」

特選

潮鳴りの花野の中の無人駅  清次

空缶を蹴りゆくどこまでも花野  みどり

日照り雨して花野に風の戻りけり  洋子

きららなす雨滴の走る花野かな  東音

この先は港へつづく花野道  祐枝女

秀作

夕花野座して無心となりにけり  三枝子

妖精に出合へる予感花野原  恵子

花野道入相の鐘はるかより  静風

ワクチンをすませて広き花野かな  博女

花野にて振り返らずに別離しが  稔

われに返る花野の中を汽車の音  洋子

文庫本二冊をかかえ大花野  洋子

光り飛ぶ種袖に付く花野かな  鈴子

朝の日にきらめく吉備の花野かな  京子

花野また広くなりゆく休耕地  文夫

  やまびこ(九月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

緑蔭や編集長の佳き句集  優子

ゆく道はかへる道なり二重虹  裕司

みどり児の忙しき手足聖五月  勝彦

大いなる春満月に託し事  久子

もう登る事なき山の山開き  篤子

恋猫の口説かれてゐる屋根の上  方城

亡夫の服いまだ捨てずに春終る  杏花

夏あざみ手折り野の風連れ帰る  きぬ

祭足袋塩で浄めて仕舞けり  きぬ

トラックに満載の牛花曇  爽見

軒深き宿場を行き来夕燕  久江

浅き夢いくつ重ねて明易し  富治

青春に触れた気のして桜貝  睦美

若葉山バイク時時パトカー来  恒子

マイペース貫く勇気蝸牛  桂子

百歳の顔は履歴書濃あじさい  信義

天井に風船預け子の眠る  泰山

  俳誌嵯峨野 十一月(通巻604号)より

 

 

 

 


瀬田史跡巡り

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               近江国庁跡史跡公園

 奈良・平安時代に瀬田にあった近江国庁跡を目指し、徒歩6時間の近郊史跡巡りを小春日和の11月14日(水)に仲間と実施しました。遺跡の写真説明は平成23年に開催された大津歴史博物館の企画展「地中からの贈りものー遺跡が語る大津ー」を参照した。

 コース:稲津神社ー横尾山古墳群ー瀬田廃寺跡ー青江遺跡ー近江国庁跡史跡公園ー大場の桜ー参宮橋ー雲住寺ー唐橋ー瀬田城跡ー稲津港

 くちなしの木の実は橙色参道に  惟之

 木漏れ日の落葉道なり古墳道

 山茶花の零る坂道青江遺跡へ

 累々と光る墓標や枯芒

 子ら遊ぶ国府庁跡黄葉映え

 小春日の国府庁跡遠比叡

 小春の日参宮橋の赤きかな 

 稲津神社参道

稲津神社本殿前

横尾山古墳群のあった横尾山林道

横尾山竹林を見て瀬田廃寺へ

瀬田廃寺跡碑

瀬田廃寺跡。瀬田廃寺の創建瓦が国府庁と同様の飛雲文瓦であることから、国庁と同時期に瀬田廃寺が造営されたと考えられる。

青江墓苑。青江遺跡は国府の南350mの丘陵上に位置し、平成11年度の発掘調査で、

近江国庁跡。国府の中心部である政庁では大型建物の前殿と後殿を南北に置き、その左右に細長い脇殿を配置。さらに、これらの建物は築地塀で囲われている。この建物配置は平城宮や平安宮などの中枢部を模したものとみられる。 

近江国庁跡

近江国庁跡説明

推定国府域と周辺遺跡図 

東西約23.9m、南北約13.3mの木製外装基壇からの風景。この基壇から出土して遺物から饗宴のための空間と推定されている。

近江国府庁地区の北東端よりの景色。前方に比叡山を望む。中央の建物は木製外装基壇。

旧東海道沿いの樹齢約200年の大場の桜。参勤交代の大名行列を見つめていた。

大場の桜の説明版

高瀬川に架かる参宮橋

横尾山一号墳。斜面を幅16m四方にわたり削平して墳丘基底部を作り出し、その上に土盛りを行った方墳であり、扁平な切り石にとって石室が構築されている。

 橋守地蔵縁起

 雲住寺三門と庭園

 百足供養塔(雲住寺)

 俵藤太の百足退治の図(雲住寺)

 瀬田唐橋架替履歴。天文14年(1545年)の石佛安置から、信長、秀吉竣工、本多家~昭和54年(1979年)竣工の武村正義までの24回の履歴が記載されていた。

 日本三大名橋 瀬田大橋

 瀬田城跡

十二月の詩(東京五輪)

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          田村神社の紅葉(甲賀市土山町北土山)

  東京五輪

銅メダル賭けて七人蝉時雨  惟之

激闘の東京五輪夏終はる

かなかなのやめば夜明けの雨上がる

川風や時に途切れて虫の声

朝顔や五輪の記事の捨てがたし

  誌上句会 兼題「木の実」

特選

瓦焼く窯の火鳴りや木の実落つ  三枝子

校庭に下校のチャイム木の実降る  よう子

自転車のかごに木の実と文庫本  洋子

湖へ向く十二神将木の実ふる  惟之

読書てふ刻のありけり木の実ふる  みどり

秀作

幼より貰ひし木の実箱に鳴る  洋子

抽斗の小箱にめんこ木の実独楽  清次

掌を零るる木の実夫の笣       恵子

父母の墓抱きし大樹木の実降る  篤子

薬研坂青い車に木の実降る  鈴子

木の実落つ音眠らせて水面かな  廣平

木の実ふる日暮れははやし志賀の道  静風

講堂の裏は草むら木の実落つ  祐枝女

裾山をくるむる夕日木の実降る  東音

園丁の鋏に機嫌木の実降る  泰山

  やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

桜桃忌いつものやうに雨となり  勝彦

人は皆違っていいの額の花  久子

霊山の裾野の里や青田波  東音

鈴の音の風の拝殿緑さす  東音

父の日と自ら言ひてそれっきり  洋子

紺作務衣繕ひ重ね氷室守  勢津子

吾が影を微塵にとばす芝刈機  布美子

田植すみ田圃一気に若返る  真生子

青葉光頬に指あて半夏生  邦弘

田を掻いて水面の空を裏返す  研二

蛍火や聞くを味方に継ぐ生命  佳子

ゆづり合ふあづまやの席風光る  陽子

夏鏡をんなの嘘をかくしけり  征子

白靴が並んで恋の話など  せつ

父の日に期待しずぎる妻の顔  栄子

  俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第605号)より  

  

 

 

東海道五十三次土山宿街道歩き

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           安藤広重「東海道五十三次の内 土山 春の雨」

 東海道五十三次の四十九番目の宿場町、土山宿を歩いてきました。土山へのアクセスはJR南草津駅からのマイクロバス8:00発、田村神社ゆき。乗客は我々の4人のみの貸し切り。乗車50分で、白川橋下車。茶畑を過ぎて静寂の瀧樹(たぎ)神社からのスタートとなりました。以下、出会いの風景を重ね、田村神社までの土山宿を拙句と画像で紹介します。なお、散策は街道歩きの名人、I氏の先導で始まりました。

 白川橋下車

 冬の朝茶畑きらら神社道

 静寂の鳥居を潜る四人かな

 木洩れ日を浴びて献灯続く道

 振り返る鳥居のひかり冬に入る

 本殿へゆけば牛頭冬陽照る

 朝露の光る茶畑東海道

 道標 御代参街道

 右多賀街道、日野八幡

 屋号看板 東海道土山宿 伊賀屋跡

 東海道土山宿 案内版

 土山の地酒 田村川と出合うお店  初冬や地酒の店舗「田村川」

 街道のマンホールなり山椿

 屋号 千切屋 

 鈴鹿馬子唄 「坂は照る照る 鈴鹿は曇る あいの土山 雨が降る」

 鈴鹿馬子唄 「鈴鹿山には 霞がかかる 可愛い娘にや 目がかかる」

 土山宿陣屋跡

 土山宿 問屋宅跡 

 土山宿旅籠 近江屋跡 このような旅籠石碑は二十九軒設置されている

 土山宿本陣跡

 土山宿 平野屋右衛門跡

 街道屋敷は続く 前方には時おり、御在所岳が見える

 森 鴎外 来訪の地 「小倉日記」に記された土山への来訪の記録が記されている

 東海道伝承館には東海道五十三次の大名行列の様子、切り絵、盆景、御土産など展示

 伝承館に展示の大名行列

 

 

一月の詩(稲たわわ)

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            下鴨神社(京都市左京区下鴨)

    稲たわわ

帰京する子に手渡しぬ賀茂なすび  惟之

山並へ子らとスキップ稲たわわ

兄いもと笛吹き合ひて秋の宵

雨上がり子らと摘みゐる秋の花

車椅子テニスに見入る夜半の秋

   誌上句会 兼題「小春」

特選

達磨さん転んだが好き小春の日  廣平

母の紅さして幼の小春かな  文夫

多摩穏やか富士穏やかに小春風  清次

夫の忌の近き窓拭く小春の日  みどり

小春風スキップの子の遠ざかる  洋子

秀作

嬰の瞳の母追ふ縁小春  三枝子

詩集手に日溜りベンチ小春めく  東音

久久の銀ぶら鳩居堂小春  恵子

磯釣りの竿のしなりや小春風  篤子

隣り合ふ畑に小春の立話  和男

縁越えて仏に頒つ小春の日  啓子

小春日の近江富士なり湖ひかる  惟之

同齢の医師の励まし小春の日  秀輔

散髪へと急がす妻ゐる小春かな  稔

新築の小槌の響く小春かな  鈴子

大富士や銀河の海の小春風  信儀

  やまびこ(十一月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

花茣蓙の花を枕にひと寝入り  布美子

どこまでも自転車でゆく夏休み  智子

猛暑日や駄句の自選に悩みをり  靖子

滴りを抱きし岩に神おはす  きぬ

新茶淹れかへて一茶話など  爽見

星今宵少年からの句の届き  洋子

老鶯の声しづけさを深めけり  久子

誰よりも汗光らせて子の帰る  久子

ほとばしる昭和の香り夏蜜柑  方城

朝涼やよべの秀作舌頭に  通幸

白シャツの眩しき少年夏燕  節子

草刈りの音より強し草いきれ  慶子

朝凪の風のささやきひとり占め  京子

万緑の中から列車保津の渓  胡蝶

軒先が呼吸するかに夏燕  まこと

手の皺は人の年齢晩夏光  和男

五十年変わらぬ手順梅を干す  せつ

  俳誌嵯峨野 一月号(通巻606号)より

 

 

 

 

 

 

   

令和四年新年10句

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                           曇天の凧あげ 4号水彩

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 久方ぶりに帰郷して、東京在住の子らと過ごした新年の10句を掲載いたします。

子らと抜く庭の大根一二三   惟之

狭庭には小さな焚火子らの頬

残り火の焼芋つくりほっこりこ

小さくも心尽しの雪ダルマ

初春や子らと張子の虎つくり

迎春やネイルシールを子に貼られ

初旅は吾子と訪ねしレゴシティ

初春や坊主捲りの泣き笑ひ

書初めはラインで流る幸の文字

高々と子らと凧揚げ大戸川

 

 

 

 

 

 

二月の詩(光悦寺)

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                                   パンと赤いネクタリン F8 水彩        

     光悦寺

鷹峯三山空へ秋晴るる  惟之

椿の実三つ四つ光る光悦寺

光悦の墓前に立てば秋の風

黙浴の露天の静寂月明り

父と子の語る立湯や零れ萩

    誌上句会 兼題「冬木立」

特選

裏山の口開いてをり冬木立  清次

青空の余白を広げ冬木立  篤子

胸襟を開き切つたる冬木立  廣平

梢越し海の真青や冬木立  三枝子

寒林と競うマンション多摩の空  洋子

秀作

枝先に星鏤めて冬木立  洋子

根元まで日の暖かし冬木立  まこと

乾きたる風が過ぎゆく冬木立  みどり

山の端の夕日透かして冬木立  東音

熊除けの鈴鳴るしじま冬木立  恵子

石を割る発破の音や冬木立  紀久子

うとうとと日のぬくもりの冬木立  鈴子

要らぬものすべて捨てきり冬木立  文夫

無骨なる生きざま晒す冬木立  泰山

黒黒と鷺の空き巣や冬木立  秀輔

   やまびこ(一二月号作品から)感銘・共鳴)ーー私の好きな一句

老いるとは知恵を積むこと竹の春  杏花

立秋やどこへも行かぬ紅をさす  優子

かなかなの息ととのへる間合かな  勝彦

終戦日空の青さをくちぐちに  憲勝

初めての句会へ秋の橋渡る  けいこ

窓といふ窓の緑や夏館  洋子

牧牛の賢者の目して炎天下  圧知

胡瓜一本買ふに目利きの所作をして  隆を

トルソーが廊下の端に広島忌  怜

鰡飛ぶや夕陽の沈む日本海  ともはる

秋蝉の声透きとほる夕並木  洋子

朝顔のバックネットを越ゆる意気  山女魚

三線と波音だけの星月夜  そよ女

桐一葉逝く時はゆく命かな  富治

夕焼やひと日一度師を思ひ  朱實

身に入むやリモートで会ふ母の顔  隆子

割りばしのいびつに割るる暑さかな  美代子

   俳誌嵯峨野 二月号(通巻第607号)より

 

  

 

 

 

三月の詩(無患子)

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            雛人形の五人囃子の鼓と小太鼓 

                 無患子

初生りの小さき檸檬香を放つ  惟之

無患子の降る川の辺を子等とゆく

献立にシェフの朱印や秋夕焼

山道を埋め尽くして朴落葉

大銀杏光を放ち散り急ぐ

    誌上句会 兼題「去年今年」

特選

一編の詩が拠り所去年今年  捨弘

星星の海へ消えゆく去年今年  富治

棟梁の遺訓継ぐ子や去年今年  三枝子

学ぶ仲間学べるなかま去年今年  珠子

戦なき平和寿ぎ去年今年  紀久子

秀作

井戸水を汲んで目出度き去年今年  まこと  

山一つ越えて健やか去年今年  佳子

去年今年眉目の語る納め句座  泰山

去年今年楽しく生きて今仕上げ  胡蝶

ポケットに残る一円去年今年  篤子

去年今年年男の座譲りたり  文夫

シルバーの務めを杖に去年今年  稔

世の闇を祓ひてゆくや去年今年  博女

去年今年佳き事さがし指を折る  万智子

浄暗の篝火明かし去年今年  恵子

長らへて申し分なき去年今年  みどり

去年今年俳句ノートの一冊目  治子

読み返す寂聴源氏去年今年  知恵子

朝な夕な歳時記を繰り去年今年  咲久子

何気なき日日大切に去年今年  洋子

入選

八十路への扉を敲く去年今年  惟之

叡山の法灯不滅去年今年  ともはる

篝火の火の粉零るる去年今年  信義

去年今年変わらぬ友の心かな  静風

こだはらぬこそ自由なり去年今年  鈴子

寂聴尼の説法聞こゆ去年今年  秀輔

余生なほ幸せ思ふ去年今年  テル

祠あらば手合わす習ひ去年今年  翠

去年今年雑務に追はれ余生なほ  祐枝女

読みさしへ挟む栞や去年今年  洋子

縁ありて集ふ仲間や去年今年  三郎

平凡な暮らし楽しむ去年今年  克彦

人生は片道切符去年今年  廣平

何事も時が解決去年今年  敏子

解決の糸口見えぬ去年今年  美代子

    やまびこ(一月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

四五軒の里を彼方に蕎麦の花  治子

露けしやとにもかくにも米寿越え  爽見

ひぐらしや若狭へ続く十八里  そよ女

友の訃や思い出畳む秋扇  千恵子

大壺に挿して風湧く花芒  和子

山宿の名月掬ふ露天風呂  三枝子

清貧は父の生きざま星流る  怜

秋澄むや使ふことなき旅鞄  近子

蜻蛉追ふ子らに大きな空のあり  近子

行く雲の果ては海あり稲を刈る  みどり

月の舟別れも告げず漕ぎゆきぬ  洋子

灯火親しむ古書に残れる蔵書印  利里子

八月は追憶の月重き月  邦弘

老ひとまた違ふ淋しさ秋夕焼  静風

コスモスの色を揺らして風の手話  廣平

朝顔や錆びたポンプの残る町  彩子

  俳誌嵯峨野 三月号(通巻第608号)より

 

 

   

 


志賀の大仏

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                                              蹴上の桜(京都) 六号 水彩 

 志賀の大仏

湖へ向く北向き地蔵冬日差す  惟之

冬晴や京への山路道祖神

微笑の志賀の大仏冬ぬくし

山中の崇福寺跡紅葉散る

大空へ杵たかだかと餅を搗く

  誌上句会 兼題「寒卵」

特選

寒卵茹でて庭師の一服へ  洋子

父帰還は祖父の祈りや寒卵  三郎

いつしかに向き合ふ予後や寒卵  藤子

癒ゆる人の粥に添ふ色寒卵  博女

母の荷のお米に埋もれ寒卵  知恵子

秀作

湯治場の笊に五六個寒卵  文夫

恢復へと真心からの寒卵  陽子

寒卵の黄身に命の張りの濃し  三枝子

退院の母の白粥寒卵  咲久子

つひの間に八十路も遠く寒卵  佳子

幸せのオムレツ青き寒卵  恵子

弟妹の揃って割りぬ寒卵  紀久子

足湯することも日課や寒卵  靖子

誕生日にと割れず着く寒卵  啓子

寒卵いとしと思ふこはれるな  万智子

親に子につつがなき日を寒卵  美智子

奇想など得むと夜に割る寒卵  秀穂

寒卵思案に借りる老いの知恵  珠子

もう八十だ八十や寒卵  篤子

コツと割り今日の始まる寒卵  洋子

輪島箸にとろろ混ぜゆく寒卵  加代子

鳥小屋へこはごはそっと寒卵  久代

戦時下の母の割りたる寒卵  秀子

前掛けに被ふ見舞ひの寒卵  まこと

思ひ切り投げてみたきや寒卵  廣平

入選

寒卵トンガに火山噴火の日  稔

高高と明けの鶏鳴寒卵  惟之

あけぼぼの明りに透かし寒卵  翠

塗椀にとろり透けゆく寒卵  洋子

寒卵ぽろりと放し飼ふ畑に  みどり

きのうけふ僧侶のすする寒卵  克彦

籾殻に迷つて選ぶ寒卵  鈴子

皿に盛る下宿の朝の寒卵  富治

卓上をころがる音や寒卵  信儀

籠りたる親の情愛寒卵  捨弘

寒卵割りたる妻や子と吾に  和男

寒卵昼餉に一つおとなりへ  祐枝女

中流の生活ありがた寒卵  美代子

なつかしや母の情けの寒卵  静風

滋養てふ言葉懐かし寒卵  治子

体重の減りゆく我や寒卵  敏子

  やまびこ(二月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

十三夜日本一の妻は亡く  爽見

コスモスの風や畝傍へ香久山へ  洋子

煙なき暮らしに慣れてさんま焼く  アイ子

小鳥来て賑やかになる一軒家  和子

話また昭和へもどる温め酒  鈴枝

妻のこゑまたきこえくる夜長かな  爽見

野路菊や道なつかしく母の里  洋子

茶の花や卒寿を越えて見ゆるもと  梅子

後継ぎのなき田や終の落し水  勢津子

穭田の轍にひかるよべの雨  通幸

繰り返すピアノの曲や萩の雨  みどり

ただいまと呟き秋を灯しけり  布美子

まあええかそれも我なり烏瓜  小鈴

さび鮎や峡にせり出す発電所  明子

いつしかに支え合ふ身やとろろ汁  和男

セーターの一目一目は母の息  悦正

  俳誌嵯峨野 四月号(通巻第609号)より

五月の詩(初比叡)

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                                           新緑の県立図書館 6F 水彩

     初比叡

子らと抜く庭の大根一二三  惟之

八十路へと向かふ湖辺や初比叡

初春や子らと張子の虎づくり

初旅は京の御朱印巡りとや

高高と子らと凧揚げ里の川

    誌上句会 兼題「草青む・水温む」

兼題「草青む」

特選

比叡より流れ来る川草青む  胡蝶

胎内の蹴り初めに触れ草青む  秀穂

東京湾へ八里の岸辺草青む  啓子

秀作

佐保川の土手をスキップ草青む  洋子

残照の信玄堤草青む  翠

先陣の牛の放牧草青む  三郎

畝浅き岨の畑や草青む  美智子

城址へゆるき階段草青む  洋子

伴走の絆の輪っか草青む  珠子

牛を追ふ手綱の張りや草青む  三枝子

草青む刈込済みの野川沿ひ  陽子

小禽の声の合はずや草青む  秀子

制服のサイズ合はせや草青む  文夫

校名の消されし柱草青む  廣平

草青む土手や口つく童歌  恵子

ワガハイの供養塔にも草青む  久代

入選

ころころと黒猫畦に草青む  みどり

読み返す妣の手紙や草青む  里子

縄電車の運転園児草青む  泰山

草青む頃なり母の逝きし日は  まこと

草青む若き夫婦のペアルック  静風

古屋根の隙間の草の青みどり  敏子

草青む狭庭の路地も野も山も  捨弘

草青む水面を白き鳥一羽  信儀

草青む子らとじゃんけんあひこでしょ  惟之

前向きに生きよと草の萌え出づる  靖子

草青む我ら餓死線越えし裔       治子

兼題「水温む」

特選

麒麟像見守る街や水温む      鈴子

水温むわけても木橋あたりより  篤子

秀作

水温む包丁買ひに町にでる  京子

楽の音に癒るる心や水温む  博女

農小屋に集ふ漢や水温む  秀子

奥吉備の水車に水の温みたる  みどり

鯉遊ぶ津和野の掘や水温む  知恵子

初めてのベビー靴の子水温む  美代子

水温む笊にあきなり雑魚の嵩  雄彦

入選

溜池に走る魚影や水温む  里子

釣り掘に並ぶ親子や水温む  咲久子

水温む秩父札所の心宇池  和男

河川敷に群がる雀水温む  洋子

用水路に数増す鯉や水温む  万智子

島影は五指にも満たず水温む  稔

水温む小魚群るる街の川  紀久子

水温み別れの刻の近づきぬ  須美子

野の池に映る草影水温む  祐枝女

ざぶざぶに朝の洗顔水温む  加代子

    やまびこ(三月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

祈るとは今生きること秋終る  杏花

大熊手見上ぐる人を分けゆきぬ  勝彦

声明の揃ふ静かさ十夜寺  勢津子

行く秋や流れのごとく年重ね  紀久子

湧き水の砂の踊りや小六月  耕

小夜時雨写真の母の聞き上手  玉枝

オルガンに触るるふるさと小六月  久子

化野の石は仏や初時雨  怜

生かされて生きて傘寿の柚子湯かな  憲勝

慈しみ畳む留袖冬隣  洋子

木の実降る林の中の欠け仏  久江

金継ぎに思ひで継ぎて石蕗の花  啓子

秋夕焼色褪せるまで歩きたし  泰子

   俳誌嵯峨野 五月号(通巻第610号)より

  

 

 

 

 

 

 

 

 

第26回滋賀水彩展の案内

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  第26回滋賀水彩展をご案内申し上げます。ご高覧いただきますようお願い申し上げます。

 日時:2022年5月18日(水)~5月22日(日)

    AM10:00~PM5:00(22日はPM4:00まで)

 場所:大津市歴史博物館 大津市御陵町2-2

    Tel 077-521-2100

 アクセス:京阪電車市役所前駅より徒歩5分 JR大津駅より徒歩15分

 主催:滋賀水彩画会

 後援:京都水彩画会

 事務局:中村教子 大津市神領5-10-2 Tel  077-545-6995

     荒金弘安 大津市花園町21-27 Tei 077-574-4774

 

 

 

 

 

 

第26回 滋賀水彩展終える

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    漁港 滋賀水彩画会賞 野洲市 北村好子

大津歴史博物館で開催されました第26回 滋賀水彩展が終わりました。出展は60点(会員48点、一般18点)。受賞されました作品を主に紹介させていただきます。作品からイメージの拙句も挑戦してみました。😊

    初夏の湖の漁港や宙も映え  惟之

    雪解けの道はもふすぐ西教寺

    早春の五竜岳なり若き日を

    湯けむりの昇る秘湯や冬はじめ

    命つぐ向日葵の種整然と

    枯蓮となりて己の影映す

    錦鯉のひげ寄り沿ふてある予感 

    上高地の流れの清ら紅葉川

    沖島の瓦礫と錨ヨットゆく   

 雪解け 滋賀水彩画会佳作賞 大津市 村木義彦

 早春の五竜岳 滋賀水彩画会奨励賞 大津市 渡辺徳一郎

 秘湯晩秋 大生産業賞 大津市 山口憲考 

 

 明日へつなぐ種(いのち) 滋賀水彩画会新人賞 大津市 阪田恵美

 蓮池 会員推薦 大津市 筒井千代子

 予感 滋賀水彩画会佳作賞 大津市 脇田英和

 花 滋賀水彩画会奨励賞 大津市 坂 範子

 ドライフラワー 滋賀水彩画会奨励賞 草津市 増山恵子 

 孫と訪れたアユタヤ遺跡 大津市 村野克裕

 上高地秋の梓川 三浦武弘 大津市

 ひまわり 大津市 湯ノ口敏雄

 鶏鳴の滝 草津市 長井房子

 奏(かなで) 高島市 東 光子

 城壁の街 草津市 中村義郎

 沖島の瓦礫と錨 大津市 伯耆惟之

 

 

六月の詩(春寒し)

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          睡蓮(大津市大萱) 40号水彩

     春寒し

 一月を破り火山の大爆発  惟之

 凍空や山売りますと貼り紙あり

 春立ちて早や三日目に金メダル

 大ジャンプ消えたるメダル春寒し

 早春や阿修羅てふ名のチワワ抱く

    誌上句会 兼題「春の波」

 特選

 敷き網の浮子を超えくる春の波  三枝子

 釣り人を眠りに誘ふ春の波  須美子

 網つむぐ島の漁師や春の波  惟之

 羊水のやう春の波安らぎぬ  恵子

 殉教の孤島しづもる春の波  藤子

 秀作

 橋多き水の都や春の波  捨弘

 宿下駄の爪先ぬるる春の波  珠子

 春の波ただよふ棒の戻りけり  文夫

 力瘤隠し寄せ来る春の波  廣平

 鳥声の裕ちゃん灯台春の波  京子

 近江路にひとあし早き春の波  静風

 春の波湖南の岸辺洗ひけり  博女

 糸垂らす小舟に近江春の波  秀子

 比良よりの風穏やかに春の波  洋子

 春の波渚に光ちりばめて  靖子

 春の波高輪築堤残したや  翠

 中世の要塞くづれ春の波  久代

 深海の色崩れゆく春の波  洋子

 予後の身の母に寄り添ふ春の波  咲久子

 ひたひたと須崎入江に春の波  啓子

 渡し待つ浮桟橋や春の波  鈴子

 侞羅の香に雅楽の舞や春の波  陽子

 江の島のヨットハーバー春の波  ともはる

 鎮魂の沖にたゆたふ春の波  和男

 春の波大岩叩き超へゆけり  信義

 入選

 春波や水脈ながながと島渡船  篤子

 瀬戸内の入江静かに春の波  万智子

 暮れさうで暮れぬ夕暮れ春の波  胡蝶

 晩学や絶えず沖より春の波  秀穂

 音といふ音みな呑みて春の波  みどり

 宮島の大鳥居かな春の波  知恵子

 春の波蹴って飛び立つかもめかな  紀久子

 春の海貝の息穴残し引く  稔

 灯台の螺旋階段春の波  美代子

 突堤に思ひの丈を春怒涛  まこと

 満水のダム湖きらきら春の波  泰山

 頬杖の耳奪いゆく春の波  博光

 鎮魂の鐘の音風に春の波  洋子

 選択の我が人生や春の波  三郎

 瀬戸内の海はおだやか春の波  裕枝女

 沿線の春の川波きらめけり  敏子

 春の波川上りきて消えにけり  詔義

    やまびこ(四月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 かたくなになってはゐぬか花八つ手  爽風

 冬ざれや五百羅漢の黙五百  勝彦

 大根煮て余生楽しむ心持  久子

 生きて居ることが仕事よ日向ぼこ  千代

 願い箏ひとつを胸に年惜しむ  きぬ

 失ひしものの重みや古日記  鈴枝

 煮凝やむかし昔の母の味  隆を

 十五歳墓碑にやさしき冬日かな  近子

 ちゃんちゃんこ母の匂ひとぬくもりと  節子

 大空へ杵たかだかと餅を搗く  惟之

 合鍵を大家に戻し晦日そば  順子

 冬ざれの野に一条の光あり  佳子

     俳誌嵯峨野 六月号(通巻611号)より  

      

  

 

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