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Channel: 水彩画と俳句の世界
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七月の詩(野水仙)

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                   沖島の瓦礫と錨(40号 水彩) 第26回 滋賀水彩展出展

         野水仙

妻と見しキエフバレエや春遠し  惟之

友のゐる墓見上げれば野水仙

百合植ゑて疫病しづもること祈る

幼子の諸手に溢る花の屑

山越えて桜蕊ふる通学路

   誌上句会 兼題「春雨}

特選

春雨に呟きのごと滴る木木  静風

春雨や山山色を重ねたる  篤子

久久に弾くピアノ曲春の雨  靖子

寺カフェの立て掛けメニュー春の雨  洋子

春雨の駅頭レシピ本を買ふ  美智子

秀作

春雨や竹の中なる京古刹  廣平

祇王寺の清盛像や春の雨  ともはる

子規庵のまだ開かぬ門春の雨  鈴子

黒塀の花街通り春の雨  三郎

春雨の静の涙の吉野山  須美子

水攻めの堰音軽し春の雨  みどり

山頂はけぶる城址初の雨  藤子

春雨の雲の抜けゆく畑の人  秀子

二人なら濡れてもみたき春の雨  泰山

橋脚に雨ニモマケズ春の雨  秀穂

春雨や池に広ごる五つつの輪  信義

春雨の鼓のリズムトタン屋根  文夫

春雨や民謡祭の幕が開く  珠子

春雨や夕日に沈む竹生島  惟之

松園の図録の重し春の雨  恵子

片袖を濡らして歩く春の雨  捨弘

春雨や明日は減れらし久の京  啓子

山を下りバス待つリュック春の雨  知恵子

春雨や蝶の羽には重たかる  万智子

春雨や話のはづむ友の得て  加代子

入選

春雨や絵本の旅を子と母と  博光

石庭の白砂に沈む春の雨  三枝子

蔵町の昼を静かに春の雨  和男

春雨に癒されてをり追悼会  博女

春雨や甍の光る城下町  咲久子

幼らの声弾む窓春の雨  翠

太鼓橋の反りゆるやかに春の雨  紀久子

春雨や夫の借りくる女傘  美代子

春の雨祖国追はるる人想ふ  洋子

春の雨止む気配なく煙りをり  まこと

竹林をつらぬく径や春の雨  孝明

春雨にぬれ隣家へ回覧板  祐枝女

春雨や陶の狸は傘もなく  胡蝶

小走りに無人駅へと春の雨  敏子

飛び石の静かに濡るる春の雨  陽子

日曜の午後や春雨音もなく  正和

我が呼ぶ母に覚めゆく春の雨  洋子

春雨の中容赦なき火事見舞ひ  稔

  やまびこ(五月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

靴下買ひ寒卵買ひ母見舞ふ  知恵子

湯たんぽは母の遺品や膝に抱く  優江

透きとほる朝の静寂や梅ひらく  梅子

紅梅や朝の日ざしを呼びよせて  きぬ

寄せ飢ゑにひしめく幸や福寿草  鈴枝

寒林の中へ逃げゆく夕日かな  爽見

鴨川の瀬音枕に七日かな  悦子

初御空流浪の民の頭上にも  正弘

饒舌のはひふへほうの大根煮  小鈴

野良猫ののそと見廻る四温かな  秀子

しづり雪竹林すくと目覚めけり  翠

ウイルスへ虎の一喝年明くる  岳

若水の柄杓に掬ふ光かな  岳

  俳誌嵯峨野 七月号(通巻第612号)より  

 

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八月の詩(鉄砲の里)

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           由布岳の夏 8号 水彩

     鉄砲の里 

涅槃会や木に掛けられ鉢と杖  惟之

国友の鉄砲の里花吹雪

姉妹都市キーウに支援花ミモザ

卒寿ゆく句友三人リラの花

そら豆の花つぎつぎと目を開く

     誌上句会 兼題「卯の花」

特選

ふるさとに近き谷川花卯木  紀久子

球場へ卯の花垣をガイドにし  歌蓮

柳生みちはここより険し花うつぎ  三枝子

復員の父も迎へし花うつぎ  秀子

卯の花や昼を静かに和紙の里  和男

秀作

卯の花や阿闍梨京へのけもの道  胡蝶

貴船路の流れの清し花卯木  惟之

好ましやうつむき加減の花卯木  啓子

一病を癒す卯の花明りかな  みどり

卯の花や夕風かろき川堤  靖子

父の忌を終へて卯の花明りかな  美智子

卯の花やどの道行くも雨もよひ  文夫

からころと沢音軽し花卯木  三郎

高野山詣での車窓花うつぎ  洋子

卯の花の山河明るしるし峡の村  藤子

欄干の朱色背に花卯木  恵子

卯の花に見送られをり小さき旅  泰山

花うつぎ言葉少なの山男  廣平

卯の花や古墳へたどる垣根径  まこと

伸びやかに下校チャイムや花うつぎ  洋子

八重うつぎ金平糖の白き星  秀輔

郷愁の卯の花匂ふ屋敷跡  敏子

川音に宵の卯の花白白と  洋子

卯の花のかはいさ交わすおつきあひ  陽子

かやぶきの旧家の垣根花卯木  祐枝女

入選

雨の中卯の花垣根の友を訪ふ  翠

さよならと卯の花垣の曲がり角  珠子

ゆるやかな坂の小藪や花うつぎ  克彦

花卯木日差し集めて山の道  篤子

卯の花に歌ふ幼の夕べかな  ともはる

しっとりと雨の風情の花うつぎ  靜風

卯の花の咲く土手道や水に雲  正和

手水鉢へしだるる庭の花うつぎ  須美子

卯の花や我はひたすら畑に立ち  博光

卯の花の香り広ごる朝の風  信義

卯の花の匂ひかすかや振り返る  博女

これ以上咲く余地はなし花卯木  美代子

選者吟g王

卯の花垣や隠し念仏の里  東音

  やまびこ(六月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

手のひらにつつむ命や寒卵  勝彦

ただいまの声一人づつ日脚伸ぶ  清次

雪形の駒痩せてゆく遠嶺かな  怜

山里に古代の神や木の根聞く  優江

俳縁を大事に菊の根分けかな  近子

告白はしてきたかりき囀れり  史子

蒼海へなだるる崖の野水仙  咲久子

白といふ寂の明るさ春の雪  杏花

水仙に有無を言はせぬ海の風  鈴枝

掴みたるノブのぬくもり春の夜  爽見

春炬燵聞こえぬふりの地獄耳  方城

献立も昔のままに雛の膳  京子

太極拳春の扉を押し開く  捨弘

熱さまし与へてみたき恋の猫  廣平

春の雪降りては消ゆるロダン像  多喜子

かばんから春を小分けに旅土産  耕憲

   俳誌嵯峨野 八月号(通巻613号)より

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

九月の詩(宿木)

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                          ふれあい牧場(岐阜県中津川)6F 水彩 

         宿木

春風や鳶と鴉の空中戦  惟之

貴船路の桜蕊ふる峠かな

ウクライナ語の四月開講人気呼ぶ

鳥の巣のごとき宿木夏はじめ

賑わひの田植体験子ら列

   誌上句会 兼題「滝」

特選

氷河より流れ来る滝殩殩と 胡蝶

雲の峰国を境のナイアガラ  知恵子

夫婦滝落ちてひとつの水となる  篤子

争いの地球の涙滝ごうごうと  翠

滝落ちて阿蘇外輪はけふも雨  文夫

秀作

滝音を頼りに沢を登りけり  洋子

船に見る晒一条那智の滝  珠子

アフターヌーンティ滝の風くるテラス席  恵子

糸滝の一糸の乱れなく落つる  三枝子

歩荷行く木道迫る滝の音  洋子

木木の間を流る滝や最上川  靜風

滝飛沫かかる巌の明王像  啓子

渓流にそそぐ小滝の清かなり  美代子

身びるひの観滝台や四度の滝  陽子

山割つ龍神のの滝しぶきけり  信義

大滝や檜林にこだまして  由紀子

鎮もれる菩提の滝の仏旗かな  惟之

和紙の白残し水墨滝しぶき  稔

滝しぶき浴び轟音のナイアガラ  咲久子

瀧見茶屋あまたの客の旅話  みどり

真つ白に滝をまとうて滝躍る  まこと

鎮めんと一条光る神の滝  藤子

横風にしぶき騒立つ女滝かな  秀輔

音変へて河津七つの滝落ちる  和男

入選

尼ひとり打たるる滝や手を合はす  秀子

身のけがれ流す大滝風呼んで  博女

音高く黒部の滝の玉すだれ  ともはる

滝に来て見えざる力貰ひたる  廣平

滝の音間遠に聞いてゆく山路  靖子

飛沫より生まれし虹消ゆ滝の風  美智子

池落つる小さき滝の清きかな  敏子

湧き水の集まり滝の生まれけり  万智子

轟音の流れは速し滝壺に  祐枝女

滝の水落ちて流れのゆるやかに  和子

大岩に砕ける滝やしぶきあげ  加代子

天上より一条真理の滝の音  洋子

夜半の雨滝太らせて落にけり  泰山

七色の滝のしぶきや諸手あげ  須美子

人の去る石走る滝森の黙  治子

選者

林道に風湧き滝の匂ひかな  東音

    やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

水紋は風のあしあと春の池  布美子

タクシーの隠れて休む花の昼  仙命

大樹の枝雲もろともに剪定す  珠子

悟りには遠きわが身や春愁  杏花

残雪の比良を仰ぎて旅をはる  優江

もの思ふまじと畑打つ日もあらむ  勝彦

影が来て指来て土筆摘まれけり  勝彦

桜餅買ふ亡き妻の誕生日  爽見

春光の泣く子笑ふ子ひと包み  爽見

春雨やおどけて手術前の夫  洋子

あれほどが煮ればこれだけふきのたう  隆を

甲斐の峯一糸乱れぬ帰雁かな  怜

一対といふぬくもりに雛の間  篤子

一すじの道を岬へ黄水仙  祐枝女

肩叩き上手になつて卒園す  恵子

三月の光ゆたかに真砂女句碑  和男

親戚の子のごとく来て蕪  智子

目覚めよと春田を進む耕運機  桂子

雛あられ旅行かばんにそつと詰め  敬子

人生に句読点あり雪柳  晶子

   俳誌嵯峨野 九月号通巻第614号)より

  

 

 

 

第18回 湖水会作品展終える

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 第18回 「湖水会」水彩画展が開催され、無事終えることができました。コロナ禍のなか、200名あまりの方に訪問いただきました。ありがとうございました。ここに、展示の作品を紹介させていただきます。作品は、室内照明などの関係でうまく色合いが撮れていませんが、悪しからず、ご承知ください。作品の紹介は、順不同です。

   会期:令和4年9月21日(水)~9月25日(日)

   会場:大津市生涯学習センター 1階 ギャラリー

 

  ひまわり (守山渚公園) F8  太田厚子

 

  霧 明ける (朽木) F6 中村忠治

 

  静寂 (広沢の池 京都)F6 高橋忠英

 

  祗園 石塀小路 F6 町田源二

 

  新緑の八幡堀 (近江八幡) F6 中村忠治

 

  山里 F8 寺西千賀子

 

  菜の花 F8 長井房子

 

  紅葉 (清滝 京都) F6 高橋忠英

 

      しまなみ海道(愛媛) F6 清水ちよ

 

  野面積み (今治城 愛媛) F6 清水ちよ

 

   あじさい(守山) F4  清水ちよ  

 

  公園にて(大津 膳所公園) F8 北川清房

 

  雪の彦根城(1)(大手道表坂)F9 相根満誼

  

   足摺岬 F4 山崎 清

 

  雪の彦根城(2)(黒門橋より内掘)F9 相根 満誼

 

  雪の彦根城(3)(鐘の丸より天守) F9 相根満誼

 

  雪景 京都・清水寺 F6 中村忠治

 里の秋(1)(大津・仰木の里) F6 佐藤 武

  黄金の二番穂 (北嵯峨・京都) F6 高橋忠英

 丘の集落 (大津・仰木) F8 佐藤 武

 里の秋(2) (大津・仰木の里) F6 佐藤 武

  保津川下り舟乗り場 (亀岡) F8  伯耆惟之

 東京駅開設108年  F8  伯耆惟之

   卓上  F6  長井房枝

  田上の頃 (仰木) F8  太田厚子

  大野神社楼門(栗東市金勝地区) F6  長井房子

 奥嵯峨(愛宕街道) F6 町田源二

 緑陰(坂本・石積の道) F6 北川清房

 ほたるぶくろ F4 山崎 清

 せせらぎ (下鴨神社) F8  寺西千賀子

 安土山 F6 寺西千賀子

  ひるさがり (堅田) F8  太田厚子

  望・霊仙 F4 山崎 清

 紫陽花 F4 北川清房

  白川のせせらぎ(祇園・巽橋) F8 町田源二

  懐かしい林檎 F6 伯耆惟之

  会場風景

 

10月の詩(頬の花)

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           懐かしい林檎 6F 水彩

     朴の花

通学の子らの見上げる朴の花  惟之

やはらかに両耳撫づる青田風

鎮魂の知床岬朴散華

曾良の墓詠ひし友よ沙羅の花

ゆっくりとお前も生きろ大蚯蚓

    誌上句会 兼題「爽やか」

特選

爽やかや風尖りゆく石切り場  洋子

爽やかに父とハミング赤とんぼ  治子

爽涼や天使の眠る乳母車  珠子

病癒ゆる人見送りぬ爽やかに  博女

爽やかや琵琶湖に浮かぶヨットの帆  靜風

秀作

爽やかや湖へ裾曳く近江富士  三枝子

爽やかに富士垣間見る小海線  啓子

爽やかなしぶきに黙す摩崖仏  みどり

山腹に一湖の澄みて爽やかに  紀久子

爽涼の風と走るや若き車夫  文夫

爽やかに挨拶散歩の顔なじみ  洋子

爽やかや藍染浴衣発表会  招義

爽やかや屋根から屋根へ大鉄塔  三郎

産土を風爽やかに吹く日かな  泰山

爽やかや海を遠見の牧に立ち  稔

伎芸天へ一礼深く爽やかに  洋子

爽やかに十国見ゆと言ふ峠  和男

爽やかや信州山清路の旅  秀輔

さやけしや今朝の目覚めの気持ち良き  祐枝女

爽やかや風吹き抜ける武家屋敷  敏子

整列の球児の涙爽やかに  まこと

爽やかやリズム刻んで山の雨  翆

風の吹く朝の牧場や爽やかに  美智子

爽やかや読経流るる九品仏  万智子

爽やかやお守り光るランドセル  博之

入選

せせらぎのひびき爽やか峡の谷  靖子

シュワ―シュワ―と炭酸水の爽気かな  恵子

爽涼や蘆を濡らして渚駆け  蒔子

爽やかや逆転満塁ホームラン  捨弘

爽やかや湖畔のテラス彩深め  克彦

土器を未来へ投げる爽やかさ  胡蝶

学僧の礼深深と爽やかに  廣平

爽やかにクラリネットのブラスかな  惟之

爽やかや嵯峨野を過る川の風  信義

爽やかやラのハミングの歌ひ出し  歌蓮

爽やかな目覚めの断捨離今日こそは  陽子

登校の朝の挨拶爽やかに  美代子

選者

平泉文化の里や爽やかに  東音

   やまびこ(八月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

藤房や風のもつれを風のとく  きぬ

ゆく雲に一句のそだつ暮春かな  きぬ

余命など人ごととして青菜飯  爽見

野仏の石にかへるやすみれ草  そよ女

逃げ水を追ってハーレーダビットソン  胡蝶

この家のものにござると軒燕  節

葉桜や戦火かなしきくにのあり  東音

春雨にゆるにきつたる水面かな  爽見

鳥帰る見知らぬ空へ身を任せ  道子

振り向けば今日が暮れゆく山桜  千代

空き家にも残りし屋号燕来る  節子

絵画展余韻の胸へ花吹雪  美枝

副作用と治療の狭間春帽子  紫陽

春北風や青き地球に戦下の火  咲久子

野に山に光撒きゆく若葉風  つとむ

   俳誌嵯峨野 十月号(通巻615号)より

  

 

 

十一月の詩(万福寺)

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                   秋の訪れ 50号 三浦武弘(大津市)

      万福寺

 林間に四葩波打つ三室戸寺  惟之

 本堂へ鐘を打たばや時鳥

 梅雨晴れて一駅歩き万福寺

 大寺の門を叩かば隠元忌

 涼しさの廊下に下がる魚版かな

    誌上句会 兼題「渡り鳥」

 特選

 次つぎと湖北の山を渡り鳥  惟之

 宇和海のだるま夕日や鳥渡る  京子

 糸底を切りて一息渡り鳥  秀穂

 旋回し列を正して渡り鳥  三枝子

 この星に国境はなし渡り鳥  三郎

秀作

 あの山を越えれば湖よ渡り鳥  紀久子

 比良比叡越えて降りくる渡り鳥  博女

 この湖の水の匂よ渡り鳥  治子

 渡り鳥仰げば遠く海の音  美智子

 鳥渡る茜空なる日本海  和男

 斑鳩の三塔昏れて鳥渡る  洋子

 日章旗揚ぐる都庁鳥渡る  珠子

 鳴き声の一塊となる渡り鳥  博光

 県境の八ケ岳大橋や鳥渡る  翆

 リーダーの一声高き渡り鳥  詔義

 鳥渡る皆の信じるその道を  秀子

 海峡はこころして飛べ渡り鳥  まこと

 船旅を友とデッキに渡り鳥  文夫

 行く雲に道をゆずられ渡り鳥  篤子

 風に告ぐこの小川よと渡り鳥  篤子

 庭に来し紋をつけたる渡り鳥  胡蝶

 藍深むうぶすなの空鳥渡る  洋子

 長旅を休めるお濠渡り鳥  捨弘

 農終へ仰ぐ西方鳥渡る  泰山

 天空の城址よぎる渡り鳥  藤子

    やまびこ(九月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 捩花を咲かせて婆の反抗期  三枝子

 風薫る心の通ふ人のゐて  和子

 夏の雲摩文仁の丘の鉄の雨  ともはる

 道おしへゆっくり来いよとふり返る  きぬ

 ありし日の妻の気配を白団扇  爽見

 薫風や男手前の足袋袴  洋子

 師と子らの鼓のひびく宵若葉  洋子

 山びこの声やはらかき若葉山  久子

 まだ奥に人住む気配山つつじ  隆を

 切り株の千年の黙鳥雲に  篤子

 米一合八十八夜の水で研ぐ  篤子

 どう食ぶる土筆三本子の土産  方城

 菖蒲湯の菖蒲の長さもてあまし  鈴子

 つれだちて越前平野麦の秋  悦子

 山に来て山の声聞く暮春かな  京子

 麦秋や日輪赤く沈みゆく  朋子

 家出でもしさうな妻のサングラス  泰山

 荒川の河童へそ出せ子供の日  博光

     俳誌嵯峨野 十一月号(通巻第616号)より

     

 

十二月の詩(夏の夕)

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          せせらぎ(下鴨神社) 8F  寺西千賀子

       夏の夕

 ふるさとの山へ草矢を打つ八十路  惟之

 猿が出た知らせを回す夏の夕

 蝉鳴くや透明な羽ふるはせて

 サイレンの鳴り渡る明け秋暑し

 参道にここよここよと茸群る

    誌上句会 兼題「秋祭」

 特選

 とりどりの野菜のオブジエ秋祭  洋子

 村捨ててゆけぬ顔ぶれ秋祭  廣平

 秋祭鳰が仏の水を飲む  みどり

 高張の提灯鋏の秋祭  博光

 家家に火の入り早し秋祭  秀子

 秀作

 御座船の行く瀬田川や秋祭  惟之

 谺sする峡の日和や在祭   藤子

 教会の小さき中庭秋祭  京子

 兵児帯の跳ねる土橋や秋祭  洋子

 裃を衣文掛より秋祭  胡蝶

 田園の忍者の里や秋祭  三郎

 お神酒所に見馴し下戸も秋祭  珠子

 父と娘と神輿を肩に秋祭  咲久子

 ふるさとの深き絆や秋祭  博女

 御神酒所に靴屋も詰める秋祭  まこと

 多摩に住み六十年や秋祭  翠

 少女らの見慣れぬ化粧秋祭  知恵子

 秋祭り幼馴染みを遠目にし  歌蓮

 御神輿は五六年生秋祭  秀穂

 亡き夫の笛の音色や秋祭  篤子

 一族の団欒の夜や秋祭  陽子

 コロナ禍に夜店一軒秋祭  祐枝女

 秋祭り亡母が口伝の秋祭  靖子

 献灯に亡き父の名や秋祭  三枝子

 勇壮に獅子のたてがみ秋祭  美智子

     やまびこ(十月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

 合歓の花優しい人になりにゆく  洋子

 吊橋を引つぱつてをり蜘蛛の糸  爽見

 日盛りをおろおろ賢治にはなれず  東音

 明け易しこの世に長居して飽きず  隆を

 紫陽花や話ふくらむ友寄りて  靖子

 薪能火色に鬼の照らさるる  優江

 菩提樹の花に弱音をしまいをり  東音

 夫看取る多忙中閑の春の月  千恵子

 憂き事を遥か彼方へ髪洗ふ  千恵子

 免許返上ハーレーは夏の夢  憲勝oか

 六月や魔文仁の丘に鉄の雨  ともはる

 なめくじにヒマラヤの塩ひとつまみ  布美子

 さよならと言えずほおばる青りんご  幸江

 白靴やこの健康のいくつまで  史子

 魂は天にあづけて昼寝かな  柾子

      俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第617号)より

 

太郎坊山ハイキング

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           太郎坊宮参道(近江八幡市)

聖徳太子没後1400年。蒲生野に屹立する信仰の岩山、太郎坊山(350m)から巨岩信仰の山、岩戸山(373m)、箕作山(370m)を結ぶ尾根歩きコースをハイキングしました。鮮やかな紅葉と十三仏の岩戸山下りに魅了されました。参考資料の小時間は3時間30分でしたが、倍の6時間でしたが無事に下山できました。

 JR近江八幡駅ー近江鉄道太郎坊宮駅(9:30)ー石段下ー成願寺ー七福神ー太郎坊宮本殿ー太郎坊山ー箕作山ー十三仏ー船岡山万葉歌碑ー近江鉄道市辺駅(15:30)ーJR近江八幡駅

   太郎坊てふ近江の山や枯葉舞ふ  惟之

   参道の冬柿たわわ太郎坊

   参道に清き二輪の菊の花

   秋空に野面灯籠たかだかと

   霊山も伊吹もうすら秋霞

   落葉踏む十三仏の山下る

   茜さす万葉の森冬紅葉

 聖徳太子の足跡を訪ねて(太郎坊宮駅にて)

 一の鳥居

 

  参道 二の鳥居まえ

 野面灯籠

 野面灯籠案内版

 参道の野菊

 伝教大使、最澄草創の成願寺

 

  七福神 除災の神 福録寿

 七福神 勝運の神 毘沙門天

 福徳開運の神 七福神 大黒天

 

  七福神 商売繁盛 五穀豊穣の神 恵比寿

 本殿全員集合

 本殿より蒲生野

 本殿より釜生野2

 太郎坊本殿下

  夫婦岩

  太郎坊山山頂(350m)

 トレイルルート

 休憩所

  小脇山 三角点

 岩戸山へ

 十三仏岩窟

 岩窟案内

 万葉歌碑へ

 


令和5年1月号の詩(山羊の声)

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               下鴨神社 8F 水彩 

     山羊の声

 遠山やひまわり畑に山羊の声  惟之

 ずぶ濡れで駆け回る子ら散水車

 八ヶ岳生もろこしの甘さかな

 風そよぐ朝の公園つくつくし

 虫の音を聞きつつ妻と夜の散歩

    誌上句会 兼題「着ぶくれ」

 特選

 皇后の列車に旗を着ぶくれて  知恵子

 我が終始知っている杖着ぶくれて  みどり

 語り合う宇宙のロマン着ぶくれて  洋子

 語り部の胸のブローチ着ぶくれて  珠子

 着ぶくれて宇宙も少し膨らみぬ  秀穂

 秀作

 ぎこちなき民謡稽古着ぶくれて  加代子

 論語読む声明朗と着ぶくれて  博光

 八十路なほな学ぶことあり着ぶくれて  翠

 着ぶくれに着ぶくれの押す駅ホーム  啓子

 着ぶくれて立ち往生の寺詣  胡蝶

 カルnうチャーへ来る顔なじみ着ぶくれて  稔

 着ぶくれて許す心の芽生えけり  文夫

 着ぶくれて窓辺に夜空確かめぬ  博女

 何となく両の手遠く着ぶくれて  廣平

 恋の過去深く問はれて着ぶくれて  三枝子

 着ぶくれて幸せですと老ひ二人  捨弘

 ペンギンと向き合うてをり着ぶくれて  京子

 ダイアモンド富士見に行かん着ぶくれて  三郎

 愛着の服この年も着ぶくれて  万智子

 着ぶくれてカムフラージュのクラス会  歌連

 大縄を持つ子回す子着ぶくれて  賀代

 着ぶくれて着ぶくれて席譲ずらるる  篤子

 夜更けまで懐古談義や着ぶくれて  靖子

 ふっくらと吉祥天女着ぶくれて  惟之

 入選

 着ぶくれのマドリョーシシカの羈束かな  治子

 着ぶくれてバス待つ列の長き黙  信義

 壮健と言わるる晩年着ぶくれて  まこと

 着ぶくれて振り向くほどの変はりかな  陽子

 着ぶくれてバス停までの急ぐ道  紀久子

 着ぶくれて日向の道をひとり行く  祐枝女

 着ぶくれて世事疎くなり鄙暮らし  泰山

 着ぶくれて街にウインドウショッピング  秀子

 着ぶくれて時計回りの散歩かな  美智子

 着ぶくれて映画の恋に涙せり  和男

 着ぶくれの晩年の父まなうらに  藤子

 亡き母の着物姿や着ぶくれて  敏子

 着ぶくれれの妣の顔して吾なりし  征子

 着ぶくれて旅の追憶男鹿岬  靜風

     やまびこ(十一月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 炎天や影は歩幅をはみ出さず  清次

 茄子漬の紫紺に染まる小さき幸  杏花

 千体の仏の中にゐて涼し  近子

 アリスまだ戻れぬ真明易し  布美子

 朝まだき山は濡れをりほととぎす  研二

 墓洗ふ寺解散を詫びながら  涼子

 対岸の雨筋白し半夏生  勝彦

 偕老のはるかな日日や夕端居  勝彦

 七曜の過ぎる早さや日日草  久子

 緑陰に牛の姿で石眠る  隆を

 藍染めののれんの匂ひ夏つばめ  布美子

 図書館の卓に置きある夏帽子  山女魚

 寝入る子の髪にプールのにほひかな  由美

     俳誌 嵯峨野 一月号(通巻618号)より

 

 

 

 

 

 

 

二月号の詩(雁渡る)

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                    牧場の春(中津川市・ふれあい牧場)

    雁渡る

 瀬田川の空次つぎと雁渡る  惟之

 暁の湖北の目覚め稲の秋

 本陣の大きな竈秋深む

 小菊咲く大石内蔵助墓前

 萩刈つて少し身の辺の整理かな

     誌上句会 兼題「冬の虹」

 特選

 余生なほファンタジックな冬の虹  藤子

 名曲のロシアをしのぶ冬の虹  博女

 まつすぐな田みち泥みち冬の虹  博光

 冬の虹自ずと第九口ずさむ  歌蓮

 コロナ禍にやさしい嘘や冬の虹  秀輔

 秀句

 吉報を帯にはさむや冬の虹  三枝子

 夕暮れの過疎の里山冬の虹  祐枝女

 人類の行方は如何冬の虹  つとむ

 七曲り右に左に冬の虹  洋子

 大山を覆いて冬の虹二重  紀久子

 雲までは届かず消ふる冬の虹  文夫

 七色にひとつ小さき冬の虹  美代子

 冬の虹振り向けばもう消えさうな  泰山

 アンケート広つぱ用途冬の虹  啓子

 父母眠る山に架かるや冬の虹  篤子

 遥かなる秩父連山冬の虹  翠

 どんな世でも明日への希望冬の虹  三郎

 北山に夕暮れ冬の虹淡し  秀子

 冬の虹かかる琵琶湖や浮御堂  静子

 湖跨ぎ比良にかかりし冬の虹  惟之

 冬の虹琵琶湖とあの世つなぎをり  胡蝶

 荒海の遠くを跨ぐ冬の虹  信義

 幼子に合わせる歩幅冬の虹  陽子

 髪を染め老いを受け入る冬の虹  治子

 この里が終の住処や冬の虹  敏子

     やまびこ(十二月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 砂浜の砂を均して秋の風  秀子

 夢あらば老いのも青春今日の月  廣平

 これよりはゆつたり生きむ秋桜  杏花

 朝顔に晩年の日日愛ほしむ  東音

 雨やんで案山子の顔を拭く農婦  きぬ

 米を研ぐ音軽やかに厄日過ぐ  鈴枝

 風鈴に誘はれ路地に迷ひ入る  勝彦

 山巓の灼くる鎖を握りしめ  勝彦

 しみじみとひとりになりし魂迎  爽見

 核のなき平和を祈るや終戦日  三枝子

 草枕秋の七草諳んずる  怜

 揚花火終はり独りと気付きけり  千代

 立秋や期限切れたるパスポート  そよ女

 いづれかの手で秋つかむ千手仏  幸江

 沈黙はひとつの返事白芙蓉  小鈴

 耳すます無限鯨にも終戦日  京子

 空蝉や我に生き抜く刀欲し  里子

 青田波千の棚田を駆け登る  咲久子

 青葉して千古を今に古墳群  和男

 山風に遅れて揺るる秋簾  多喜子

 朝凪の大河こぎゆく小舟かな  道子

     俳誌 嵯峨野(二月号(通巻619号)より

 

三月号の詩(衣被)

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             湖北秋暁 30号水彩

      衣被(きぬかつぎ)

 無患子の降る川の辺に夕陽落つ  惟之

 親芋を提げて重たき日暮れかな

 衣被剥きて八十路の朝かな

 銀杏散る瀬田の唐橋比良比叡

 ぴかぴかに薬缶を磨き冬に入る

      誌上句会 兼題「冬霧」

 特選

 開かれし仏のまなこ冬の霧  博女

  仏像に目を入れると魂が通う。冬霧に仏の眼差しが暖かい。

 護摩僧の数珠八方や冬の霧  三枝子

  冬霧の中真言を唱え仏の加護を願う。数珠八方が巧み。

 一命を奪ひ冬霧黙しけり  治子

  「冬黙し」が悲しみ募らせる。胸を打つ巧みな表現。

 ムーミンの出さうな木立冬の霧  洋子

  ムーミンは暗いとこがろが好き。霧の中なら覗いている。

 北天の冬霧の中牛を飼ふ  泰山

  北国の冬霧の中、牛への愛情が伝わる。

 冬霧やまたひとり友ゐなくなる  東音

  人生の寂しさを冬霧が包む。

 冬霧に更なる霧の生まれけり  美智子

  平明な表現で霧の動きを捉えている。

 秀作

 錫杖の音冬霧の中を行く  廣平

  遠ざかる錫杖の音を冬霧が包む。僧の読経もかすかに。

 冬霧や風に押されれて波止場まで  智代

  風に押されたのは霧それとも作者なのか。

 冬霧のはれて車窓に近江富士  洋子

  三上山は近江富士と呼ばれる。冬霧が晴れ歓声が聞こえる。

 この奥に女人堂跡冬の霧  藤子

  女人禁制が解かれるまで女人堂。今は霧が立ち込めるばかり。

 冬霧や奥吉備の軒皆低し  みどり

  石州瓦と弁柄格子の吹屋あたり冬霧に包まれた軒が懐かしい。

 熊野路の山の幾重や冬の霧  靖子

  神々が住む熊野。山の幾重が冬霧の深さを思わせる。

 冬霧の向かう奥多摩青白く  啓子

  奥多摩の神秘がうかがえる一瞬の情景。

 対岸ににじむ灯や冬の霧  鈴子

  ほほのかな灯りに安堵感が感じとれる。

 冬霧の晴れ通学のフェリーかな  知恵子

  離島の学校であろうか、霧が晴れると青い海。

 わたくしの深き吐息か冬の霧  博光

  吐息と冬霧がわたくしと通い合う。

 冬の霧やがて朝日の登りくる  紀久子

  朝日と共に希望も現れる。

 水の神祀る貯水池  三郎

  水の神は女性神と思われる。冬霧と水の神が響き合う。

 冬霧の中を落ち合う大河かな  清次

  落ち合うのは本流と支流。

 冬霧に灯りまたたく千光寺  京子

  魔除けの祈願が心に灯りをともす。

     やまびこ(一月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

  人愛しひとに愛され秋深む  道子

  くつきりと雲寄せ付けず今日の月  治子

  玉入れの玉は赤白天高し  優子

  句を学ぶ一人ひとりの良夜かな  爽風

  猫の目と出あふ抜け道星月夜  布美子

  同年の患者親しき秋の窓  浅子

  名月を追い駆けて行く列車かな  敬子

  秋思ふと来し方長く短くで  杏子

  あるがまま向き合う余生草の花  靖子

  身に入むや父の残せる農日記  鈴枝

  伍長の碑蝉が一匹泣いてゐる  怜

  縄文の土偶の踊る星月夜  憲勝

  ルビーの歯見せて石榴の高笑ひ  廣平

  秋風に松を残して庭師去ぬ  倫子 

    俳誌嵯峨野 三月号(通巻620号)より  

 

 

 

四月の詩(浮寝鳥)

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                         三栖閘門の春(京都・宇治) 水彩 F8

     浮寝鳥

 朴落葉に目と口あけてムンクかな  惟之

 神農の虎のゐ並ぶ飾り棚

 障子貼る子らの声聞くラインかな

 冬の空ドーハの歓喜また涙

 緩やかな洗堰なり浮寝鳥

      誌上句会 兼題「水仙」

 特選

 水仙や戦火の野にも負けず咲け  つとむ

 水仙やこの手を借りる事ふえて  三枝子

 一輪の水仙の香に一人かな  靖子

 水仙の海の明るさ活けにけり  まこと

 出港の汽笛は三度水仙花  惟之

 父の忌や供花はいつも水仙花  秀子

 水仙や山の朝日の恣  治子

 手を添えて切る水仙の匂ひけり  廣平

 水仙の横たわりくるふるさと便  珠子

 秀作

 水仙花弁天池の小さき島  恵子

 玄関灯消せば水仙濃く匂ふ  清次

 水仙の真白き蕾はじけをり  東音

 水仙花しづくの一つ光をり  信義

 夕さりの日は水仙に残りけり  博光

 水仙を抱きて友への土産とす  紀久子

 風つれてうさぎの島や野水仙  京子

 水仙の香る古刹の上り坂  博女

 客を待つ壺に水仙溢れさせ  洋子

 子等去りて水仙匂ひはじめけり  美智子

 咲かす水仙よろこぶ人が側にゐる  稔

 野にあらば野の風受けて水仙花  みどり

    やまびこ(一月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 ふるさとへ各駅停車花すすき  東音

 白菊を活けて微かな風を知り  みどり

 余生とは今生きること大花野  京子

 山からの風の乗せくる秋の声  きぬ

 路地裏に背をさがす秋の暮  あや子

 十三夜たれもとほらぬ道に佇む  洋子

 縄文の音かも知れず瓢の音  隆を

 レクエイム聴けばちちろも鳴きやまず  怜

 ビル群へどかと居座る残暑かな  方城

 ままごとの母役は姉秋夕焼  布美子

 四方の風受けてあしらふ芒原  柱子

 贅沢は七輪で焼く新秋刀魚  孝一郎

 てのひらにとぼるる光今年米  多喜子

 木守柿空に孤高の風そよぐ  裕司

     俳誌嵯峨野 四月号(通巻621号)より

 

 

 

小関越、疎水、南禅寺へ

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                                   びわ湖疎水の観光船(大津市藤尾奥町)

大津駅から小関越え、琵琶湖疎水、四宮船溜、安朱橋、山ノ谷橋を経て、南禅寺への花の散策を楽しんできました。

  地蔵越え菜花よぎりて小関越  惟之

  多羅葉に記す俳句や木の芽吹く

  竪坑を知りて往時の苦労知る(無季)

  琵琶湖疏水は日本遺産よ初音聴く

  観光船声も過りて花の下

  鷺もゐて花びらの舞ふ疏水かな

  なつかしきインクラインの花見かな、

 

 大津駅前 

 

  長等の里 分岐

 

  小関越えハイキングコース入口

 

  小関地蔵

 

  疏水への分岐

 

  疎水竪坑

 

  疎水への道に咲く菜の花

 

  黄色の花

 

  京阪四宮駅への方向版

 

  桜満開の藤尾奥町(疎水)

 

  藤尾奥町2

 

  藤尾奥町3

  

  藤尾奥町4

 

  藤尾奥町5

 

  観光船1

 

  観光船2

 

  観光船3

 

  四宮船溜り

 

  四宮船溜案内

 

  諸羽疎水トンネル

 

 安朱橋への菜花

 

  安朱橋(山科)

 

  天智天皇陵分岐

 

  山ノ谷橋休憩所

 

  南禅寺への山路

 

  京都トレイル 東山33-3 大文字山、日向神社、南禅寺への分岐

 

  倒木を潜り、南禅寺へ

 

 水路閣

 南禅寺三門

 インクライン

 インクライン

 ねじりまんま

 

 

 

 

 

 

五月の詩(初漕ぎ)

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                                           東寺(京都市南区九条町) 八号 水彩

     初漕ぎ

初詣雲中供養菩薩なり  惟之 

初漕ぎの櫓音たかだか比良比叡f

元旦や子らと一日を映画村

正月や孫と添ひ寝の妻うれし

身ほとりに続く別れや冬の空

    誌上句会 兼題「東風」

特選

東風荒らぶ灘に隔たる赤間宮  藤子

朝東風や使ひ切つたるジャムの瓶  稔

梅東風や在釜の札に導かれ  安恵

強東風の波の遥かに竹生島  洋子

初東風や高みの堂の五色幕  清次

小地蔵の如き気根を東風過る  秀輔

秀作

オアシスの天空庭園雲雀東風  珠子

孫柔き唇を寄す桜東風  治子

甲斐盆地東風吹き渡る母の郷f  文夫

東風吹くや一番ホームに白き富士  東音

東風吹くや今も釣瓶の残る路地  洋子

その中にお礼の絵馬や桜東風  美代子

強東風や雲寄せ放つ天守閣  篤子

強東風に目玉抜かれて干せる蛸  京子

船宿の灯火ひとつ鰆東風  隆を

東風吹くやせめぎ合ひたる絵馬の数  靖子

梅東風や古刹の庭の石畳  鈴子

東風吹いて急がる庭の手入れかな  秀子

東風吹くや海に開けしレストラン  和男

強東風に法の山路を比叡の僧  静風

強東風に真珠筏の大うねり  三枝子

梅東風の大和三山高からず  美智子

梅東風に歩調いささか伸びにけり  博光

朝東風や竪穴住居跡散歩  惟之

    やまびこ(三月号作品から)感銘・共鳴)私の好きな一句

死はいつも身近にありて煮大根  爽見

老医師の一言やさし冬銀河  近子

一葉落つときの流れをゆらしつつ  勝彦

逝き人の写真見直す長き夜  博女

境内の光あつめて銀杏散る  近子

冬落暉あす閉店の文具店  節

綿虫のあとさき渡る河童橋  東音

弔文を書きあげてより火の恋し  勝彦

カーテンのひだの深きや冬館  布美子

冬晴れに威を正したる岡山城  紀久子

眼鏡拭く秋思の吐息かけながら  梨里子

冬の夜や銀器を磨く白き絹  そよ女

つまずきし石の小さやそぞろ寒  節子

風受ける枯葉や音が音を追ふ  裕美

これよりは余熱で生きん姫椿  美智子

   俳誌嵯峨野 五月号(通巻622号)より

 

 

 

六月の詩(春の雪)

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           大津港のタグボート 40号 水彩 

       春の雪

赤き面かぶり追儺の下校の子  惟之

山寺へ続く丁石寒明くる

湖のぞむ二の丸跡や風光る

シャンシャンを見送る人や春の雪

表紙絵の赤きベンガラ春日陰

    誌上句会 兼題「桃の花」

特選

夕飯は夫の手料理桃の花  安恵

桃の花復興の地に根を張りぬ  泰山

句碑一基野辺に立ちたり桃の花  みどり

人生は七十からや桃の花  捨弘

屋敷神まつりし生家桃開く  藤子

癒ゆる友囲んで桃の花畑  東音

秀作

通院も一日の旅や桃の花  翠

桃の花バレーを習ふ兄妹  惟之

里染むる十万本の桃の花  靖子

桃の花桶に束ねて売られをり  三枝子

招かれて桃の節句の十畳間  珠子

ありし日の友の笑顔や桃の花  博女

ふるさとはあの道この道桃の花  洋子

愛らしき赤子の指や桃の花  鈴子

子が選ぶ田舎暮らしや桃の花  京子

始めての制服写真桃の花  清次

入選

桃祭りひそと聞こえし郷なまり  謙治

一輪に人佇ませ桃の花  篤子

トンネルの長さと歩み桃の花  啓子

笛吹の全山染める桃の花  秀子

青空の甲斐路に続く桃の花  三郎

一本や狭庭しめたる桃の花  初枝

公園の夜のブランコ桃の花  博光

お澄ましの童と活ける桃の花  洋子

不動堂へバイパス往くに桃の花  稔

幼子の手折てかざす桃の花  敏子

訪ひくれし久に逢ふ友桃の花  靜風

甲府盆地眼下一面桃の花  加代子

山間の茅葺屋根や桃の花  信義

桃の花あしらひごと葉の少し  美代子

桃の花咲きて彩る狭庭かな  祐枝女

甲斐路きて桃源郷や桃の花  秀輔

水音の近づく桃の花の里  美智子

   やまびこ(四月号から)感銘・共鳴)私の好きな一句)

米寿越す我に夢あり日記買ふ  千恵子

ままごとのかかあ天下や木の実飯  方城

玄関の大きなこけし雪の宿  そよ女

恵弘尼の太き筆跡山眠る  洋子

病みて沁む恩や感謝や冬ぬくし  勢津子

独り居の灯を煌煌と毛糸あむ  三枝子

風を呼ぶ力残して枯尾花  篤子

LPのかすかなノイズ霧の夜  憲勝

焼藷を割って正論言わずおく  憲勝

のびる波たたむ波あり島小春  布美子

撫で肩をまたすべり落つショールかな  布美子

捨てきれぬアルバム繰りて小春の日  万智子

眠らざるもの懐に山眠る  幸江

叱る人いま誰も居ず冬銀河  富治

表札のそのまま空き家石蕗咲きぬ  節子

樅の木にも台詞のありて聖夜劇  雄彦

捨てるには惜しき端切れよ一葉忌  郁子

日溜りの母ちやん床屋年の暮  博光

    俳誌嵯峨野 六月号(通巻623号)より

 

 


七月の詩(春一番)

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        猿飛佐助のふる里 三雲城址 八畳岩(甲賀市三雲)

         (落ちそうで落ちない受験生のホットスポット)

      春一番

春一番続日本紀の読めぬ文字  惟之

手の平に独楽を廻して梅まつり

子が呉れし御守り札やつくづくし

卒園を祝ふ花束赤白黄

桜咲く疏水に母子地蔵かな

     誌上句会 兼題「シャボン玉」

特選  

人生は短し長しシャボン玉  信義

転校地の小さき庭やシャボン玉  知恵子

シャボン玉とどけ空までも  珠子

犬が逝き猫また逝きてシャボン玉  苗子

子の丈に屈みて吹けるしゃぼん玉  三枝子

大空へ声もはじけてシャボン玉  靖子

秀作

ふはふはと濁世に吹けるシャボン玉  鈴子

シャボン玉幼きままの友思ふ  靜風

清水の舞台で飛ばすシャボン玉  惟之

シャボン玉紅を包みてとばしけり  京子

憂きとばそシャボン玉とばそ空までも  みどり

日を弾き風にはじかるシャボン玉  和男

海の色空の色へとシャボン玉  稔

妹は六歳違ひやシャボン玉  安恵

跳ねる子に歌ふ子泣く子シャボン玉  東音

庭先に猫も加はりシャボン玉  洋子

シャボン玉色極まつて弾けけり  まこと

その中に映る子弾けシャボン玉  洋子

シャボン玉吹いて笑ふ子二歳の子  加代子

しゃぼん玉風に吹く子と駆け出す子  清次

シャボン玉同士がふれて消えにけり  美代子

シャンボン玉小さな願空に向け  美智子

入選

過ぎし日の浮かぶ煌めきシャボン玉  謙治

幼子の顔ふくらんでシャボン玉  文夫

ふつくらと未来託す子シャボン玉  啓子

シャボン玉遠き日のこと父母の顔  肇

シャボン玉飛べ飛べ遠くドローンまで  智代

無患子の水溶液のシャボン玉  秀輔

遠き日や液手つくりのシャボン玉  敏子

大中小どの子も笑顔シャボン玉  秀子

兄ちゃんの吹くシャボン玉追ひかけて  泰山

日盛りのストロー苦しむシャボン玉  博光

一つだけ高くあがつたシャボン玉  佑枝女

しゃぼん玉天に昇りて手を振りぬ  博女

シャボン玉追い駆ける子を母追ひて  紀久子

流れつつ色を変えけりシャボン玉  篤子

いつの日かこの夢宇宙シャボン玉  廣平

道化師の空掬ふ大シャボン玉  三郎

亡き人を偲びひと吹きシャボン玉  恵子

選者

残したるしやぼん玉吹く夕べかな  優江

     やまびこ(五月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

みちのくに不老不死の湯雁供養  怜

一病と和して戦ひ去年今年  爽見

蒼天へ透く蝋梅の香りけり  咲久子

霜柱踏むや地球の窪む音  征子

天井も床も明るき初仕事  優江

恵方へと一歩踏み出す母の杖  鈴枝

参道のこの真つ直ぐな寒さかな  勝彦

初旅の車窓に富士のはみ出しぬ  勢津子

七草や妻の真白き割烹着  怜

実朝の札は取りたき歌歌留多  仙命

獅子舞の口にやさしき目が覗く  清次

冬菊や美しきまま母逝きぬ  鈴子

一病を持ちて息災去年今年  ゆふし

多忙なる日ぞ懐かしき去年今年  秀子

痩せてなお心和ます雪だるま  睦美

くわりんとうみたいな字やね悴むて  節

ゆでたまごつるんと剥けて寒明ける  喜美江

雨音を集むる八つ手春兆す  征子

歌かるた子の指先に魔物ゐて  幸子

    俳誌嵯峨野 七月号(通巻第624号)より

   

 

  

八月の詩(豆の花)

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           エルムの森(北海道大学)六号水彩

      豆の花

乗り過ごしべそをかく子や豆の花  惟之

多羅葉に一文字書けば胡蝶くる

花びらの流るる疏水船溜り

乗船の客の声ゆく花の下

里山の遺跡を囲む花菜かな

    誌上句会 兼題「風薫る」

特選

北国のエルムの森や風薫る  惟之

幼子のよちよち歩き風薫る  まこと

少年の清し一礼顔薫る  廣平

生き延びてまだ風薫る土手にあり  つとむ

母と来し摂津の湯宿風薫る  鈴子

風薫る島へ渡船のいろは丸  京子

秀作

入魂の地鎮の御鍬風薫る  三枝子

風薫る若き家族のユータウン  秀子

薫風や牧場の馬の息かかる  みどり

風薫る北の大地の樺並木  泰山

薫風やマスクはづして存分に  靖子

山並を田の面にうつし風薫る  祐枝女

検査結果よしと言われて風かおる  万智子

風薫る瀬戸の島島遠近に  紀久子

生徒らの手話の賑はし風薫る  珠子

まほろばの奈良の水田や風薫る  治子

薫風に光たちゆく水面かな  東音

薫風や茶筅供養の焔立つ  安恵

風薫るベッドメイクをねんごろに  詔義

通園のラッピングバス風薫る  清次

薫る風開いてもみる日本書記  稔

茶室まで続く飛石風薫る  篤子

風薫る亡夫の旅せし日の遠し  靜風

薫風や石切りさんの大鳥居  知恵子

渾身の祈りは平和風薫る  翠

千体地蔵撫でて降りきし風薫る  博女

入選

風薫る昇仙峡のトテ馬車へ  秀輔

ありがたう下車のひと声風薫る  謙治

父と子の散歩の話風薫る  加代子

風薫る旧街道の酒まんぢゅう  藤子

疏水路に賑わふ鳥語風薫る  洋子

五重の塔上り開扉風薫る  啓子

ヘルメットよりの黒髪風薫る  美代子

風薫る幼今日からトーシューズ  信義

風薫る市電の走る海の街  文夫

風薫る小江戸巡りのレトロバス  和男

風薫る水場のコイン光らせて  洋子

しとやかな巫女の仕草や風薫る  敏子

風薫る雄三通りのカフェテラス  京子

薫風の中の寺町一人旅  博光

風薫る日日好日でありにけり  美智子

風薫る北山杉の参道に  三郎

    やまびこ(六月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

早春の日差しをすくふオールかな  勝彦

菜の花に巨船ゅったり浮き沈み  京子

うちの子になる運命の子猫かな  布美子

薄氷や朝日をのせて岸離れ  東音

光曳く鳥や二月の多摩川原  東音

水取を愛し逝きたる夫弘斎  和子

頑健な奴から逝きぬ梅真白  爽見

年波は通奏低音春を待つ  圧知

物差しでいのち計れず寒明ける  近子

待春の空蹴り上げて逆上がり  篤子

一握りに春光はしる小鮒釣り  みどり

玄関に友のステッキ春を待つ  悦子

節分や隣家も鬼のきてるらし  秀子

夫掻いたあとを少しの雪箒  恒子

    俳誌嵯峨野 八月号(通巻第625号)より

 

 

  

 

 

 

 

 

 

九月の詩(朧月)

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           赤いドック’(家島)水彩 40号  

      朧月

 朧月作者不明のいろは歌  惟之

 朝ドラに映りし孫や花水木

 鐘楼へ一尺伸びて松の芯

 藷植ゑて夢膨らます八十路かな

 薫風や朱の橋渡りあぶり餅

     誌上句会 兼題「蟻」

 特選

 蟻の列シルクロードへ続きをり  美代子

 一匹の蟻出て蟻の道となる  清次

 蟻踏みし子を叱りたる日の憂ひ  治子

 良く晴れて蟻の入り来る野点席  安惠

 札所道しばらく蟻に続きけり  東音

 蟻よ蟻おれの午睡を妨ぐな  博光

 秀作

 蟻つぶし極悪人を自認せり  廣平

 一瞬の迷ひ蟻にも在るらしき  洋子

 一匹の大蟻走る会議室  珠子

 いづくより来しか蟻んこ文机に  靖子

 蔵屋敷土塀に圧して蟻の穴  みどり

 次次と蟻現れる部屋の隅  鈴子

 道すがら芭蕉の句碑あり蟻の道  惟之

 花に水あげて黒蟻流れゆく  文夫

 列逸れて呼ばれし如く蟻走る  和男

 昆虫の亡骸かかげ蟻の列  信義

 木漏れ日の寺門くぐる蟻の列  翠

 蟻逢うて挨拶かはし右左  つとむ

 入選

 蟻の声聞かんと這へど無言かな  秀穂

 日に背を向けて弁当に大蟻来  啓子

 蟻の道乱す一掘土匂ふ  靜風

 拡大鏡持ちて捜すや蟻の道  博女

 隠元豆の花の虜よ今朝の蟻  稔

 パン屑を担ぐ黒蟻夕日影  藤子

 澄んでゐる者みあたらぬ蟻の道  まこと

 放牧期近し山蟻柵昇る  篤子

 山蟻の何処が先やら後ろやら  紀久子

 蟻往き来き何を伝へて何を聞き  三枝子

 玄関の前で遠慮の蟻二匹  謙治

 現生や蟻がひきずる己が影  泰山

 列はずれ二匹の蟻の迷ひけり  敏子

 為政者よ蟻一匹の声いかん  秀子

 朝日さす庭の飛石蟻走る  洋子

 蟻と蟻出会ひて挨拶列乱れ  祐枝女

     やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 黒髪をゴムで束ねて卒業す  優江

 紙風船言えぬ言葉を吹き入れて  優江

 蛙鳴く私の妻を呼ぶ如く  海男

 老人と老犬と春眠し  隆を

 マフラーの中なら好きと言へるのに  方城

 母逝きし後のしづけさ春の雨  鈴子

 春愁やおもての我とうらのわれ  爽見

 美しき四万十川や上り鮎  海男

 成すことの在りて幸せ豆の花  梅子

 わが名ある植樹の桜十二歳  博女

 未だ持てる冥土の土産春の旅  方城

 池の面の風が舵とる花筏  みどり

 和菓子屋に新作春兆す  邦弘

 それぞれに唱和語るや春炬燵  正弘

 ここからは神の域なり梅真白  真弓

 沓の音夜気に響かせ修二会かな  定慧

 おくれ毛に手をやる舞妓初桜  彩子

    俳誌嵯峨野 九月号(通巻626号)より

 

 

第19回湖水会水彩画作品展

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       エルムの森(北大)6号水彩 伯耆惟之

第19回湖水会水彩画作品展が大津市生涯学習センターで開催され、盛況の中、無事おわりました(9/20-9/24)。ご来場いただきました皆様に厚く御礼申しあげます。ここに出展されました作品を掲示してお礼に替えさせていただきます(順不同)。

   北国のエルムの森や風薫る  惟之

   クロアチア平和を祈る秋の塔

            春浅き午後の湖岸や比良比叡

   立ち並ぶ伊根の船屋や緑射す

   三点の緑の郷や日の光

   秋の夕保津川映えて明智越

   銀杏照る北山通り風流る

   ミシガンと空の滲みや秋の雲

   赤赤と皆を迎える秋桜

   深深と雪の安曇川空と湖

   冬空や白波寄せる針江浜

   枯すすき棚引く湖辺竹生島   

   満開の背割り桜や老桜 

   新緑の図書館描きふたむかし  

   ブランディ一気に飲みて赤ら顔(無季)     

     . 馬籠宿( 岐阜・中津川市) F6  太田厚子

     妻篭宿(岐阜・中津川市) F6  太田厚子

 聖エウファミア教会の鐘楼(クロアチア・ロビー二)F4 北川清房

       曼殊沙華 F4 北川清房

           春浅き午後(守山市)  F9  相根滿誼

  雪の日の船溜り(’大津市・膳所湖岸)      F9     相根滿誼

        静寂(大津・円満院)F6  佐藤 武

      八幡堀の秋(近江八幡) F6  佐藤 武

      船屋(京都・伊根町) F6  佐藤 武

        緑の郷A(守山)  F4   清水ちよ

      緑の郷B(守山)  F4  清水ちよ

           キャラバンシューズ F6  寺西千賀子

   夕映え(亀岡) F8 寺西千賀子

  

    ミシガン(琵琶湖・柳が埼) F4  高橋忠治

  秋の北山通り(京都・松ヶ崎) 高橋忠英

  柏葉あじさい F8 長井房子

  コスモス他 F8 長井房子

  雪の安曇川河口(高島市) F6  中村忠治

  白波寄せる(新旭 針江浜) F6  中村忠治

 きらめく湖面(湖北みずどりステーション)F6 中村忠治

        満開の背割桜(京都・八幡) F6  伯耆惟之

 

    銀秋の頃(八幡彫) F9 相根滿のぶ

       狂気 F4 山崎 清

         変態 F4 山崎 清

        秘める  F4  山崎 清

        新緑の県立図書館 F6 伯耆惟之

         浮見堂 F6 寺西千賀子 

 日本生命ビル(京都・三条通り)F4 高橋忠英

          仰木の里(大津市) F6 太田厚子 

             会場風景

 

  

    

10月の詩(大津絵)

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           滋賀県立図書館 F6 水彩

      大津絵

 流鏑馬や近江神宮風走る  惟之

 初夏や夕陽の落つる厳島

 初夏や出町ふたばに列なして

 川の辺にパン屋オープン沙羅の花

 大津絵の鬼も傘持つ梅雨入かな

     誌上句会 兼題「土用干」

 特選

 土用干床の茶掛けに一礼す  安恵

 思い出の楽譜あれこれ虫払  靖子

 風入る被爆者名簿土用干  藤子

 師の本の赤丸あまたお風入れ  珠子

 戦災を免れし軸土用干  つとむ

 風入れの父の句集の匂ひかな  文夫

 秀作

 土用干の天井絵へと風流る  秀輔

 土用干ザックと並ぶ旅鞄  洋子  

 その中に小さき礼服土用干  美代子

 手際よき祖母の姿よ土用干  鈴子

 青春の匂ひただよふ曝書かな  敏子

 黒靴を黒きスーツを土用干  清次

 川風を入れ菩提寺の土用干  東音

 土用干喜怒の渦巻く文の束  謙治

 若き日の大河小説土用干  信義

 ふとよぎる母の匂ひや土用干  みどり

 風入れのインクの染みる背広かな  京子

 入選

 三尺の物差し動員土用干  啓子

 失恋の手紙しみじみ土用干  泰山

 畳紙に父の筆あと土用干  靜風

 土用干これは大事な父の本  賀代

 風入れは慣れと父は手伝ひに  稔

 姉の写真若きままなり土用干  紀久子 

 虫干や我が青春の黄ばむまま  まこと

 我が心虫干しせんと胸ひらく  惟之

 亡き父の褪せし書き込み土用干  秀子

 まだ籠る我が心身の土用干  翠

 土用干威儀を正して茶を喫す  三枝子

 土用干母の形見のっ古下着  博女

 部屋渡る風のうれしき土用干  洋子

 土用干短き児の世広げをり  廣平

  やまびこ(八月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 春風もまぜて畑のにぎり飯  喜美恵

 亀鳴くや親より永く生きてをり  紀久子

 山笑ふ野仏の手に五円玉  京子

 哲学の道はこべらの安らけし  優江

 亡き妻の香のふとよぎる暮春かな  爽見

 山山にものの芽盛り国動く  方城

 笑むやうに目鼻いれたし春の月  良精

 朝市の竹の子縄にくくられて  節子

 洗われて海の疵もつ桜貝  まこと

 桜しべ降るや千回目の素振り  文香

 水底の村の歴史を知る桜  彩子

   俳誌嵯峨野 十月号(通巻第637号)より  

 

 

 

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