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Channel: 水彩画と俳句の世界
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白菜

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                   白菜 水彩 F8

  第15回湖水会水彩画展に出展予定の作品です。室内写生会で描いた作品か未完のまま眠っていましたが、画材が面白いので悪戦苦闘してみました。真二つに切られた白菜と畑から掘りおこした根付の白菜。真二つの白菜は輝くような瑞々しさが、そして丸ごとの白菜は逞しい質感が表現できればーー。やはり上手く描けません。モチーフを準備いただいたOさんに感謝します。

     白菜の一塊を重しと妻は老ゆ   山口青邨

     洗ひ上げ白菜も妻もかがやけり  能村登四郎

     白菜をまふたつに割る慕情なり  永島靖子

     白菜の荷を降ろしゐる法隆寺   角 光雄

     白菜の張りのある葉を巻き始む  山内節子

     白菜をラガーの如く横抱きに   田村一翠

     白菜の影に重さのある如し    惟之

     

      


九月の詩(五月来る)

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              新緑の東寺(京都市南区九条町) 水彩8F                        

       五月来る

 次次と鱒釣り上げて歓喜の児   惟之

 茶摘唄聞こゆ令和の札所道

 沖島へ子らと石投げ五月来る

 早稲田やふはりふはりと雲の浮く

 ケロヨンに夏着重ぬる幼かな

      誌上句会 兼題「紫陽花」または「サングラス」

 サングラスかけると猫のよそよそし  三枝子

 外してはならぬタモリのサングラス  まこと

 紫陽花に水車のしぶききららめく   洋子

 サングラスかけて見ようかこの齢   祐枝女

 紫陽花や僧の掃きゐる寺の庭     靜風

 サングラスバス一駅を乗りこして   美枝

 紫陽花やこんなところに郵便局    秀子

 紫陽花やはたと途絶えし山の風    みどり

 刺青の女ふたりやサングラス     仙命

 サングラス今日は何処まで行くのやら 捨弘

 紫陽花の色に始まる子の日記     敏子

 サングラス鏡の前に置きしまま    千代

 浜に来て流し目線のサングラス    喜志子

 元気呼ぶメイク講座や七変化     惟之

 紫陽花や百歳体操入会す       清子

 山頂に立ちて外せるサングラス    篤子

 サングラスすべきと眼医者宣はく   葵堂

 サングラスかけておれと言ふ孫の声  敏子

 ひょっとして私は悪女サングラス   睦美

 サングラス娘強気に物を言ふ     京子

       やまびこ(七月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 玄関の小さな騒ぎ初燕        富治

 土割って影を生みたる蕗の薹     素岳

 木漏れ日は猩猩袴の少し横      志津

 釣舟の動くともなき遅日かな     和子

 野火守の視線を盗み焔立つ      素岳

 言い出せぬまま八朔を剥いてをり   素岳

 道問ひて道連れとなり紫木蓮     梅子

 すみれ咲くまたねと言ったままの人  隆を

 ふくらむは瀬音にもあり木の芽時   篤子

 ゆらゆらと沈む一円水温む      千代

 卵焼き少し冷えたる春の夕      豊子

 掌に一度はのせて雛飾る       敏子

 春愁や繰り返し読む遺言書      幹男

 行乞の椀にあふるる春日かな     研二

 

    

  

第15回 湖水会水彩画展始まる

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       木漏れ日の道 F9 相根滿誼  

 第15回湖水会水彩画展が開催されました。メンバー14名の日ごろの力作36点が出展されています。ここでは14点を示しました。どうぞご高覧いただきますようお待ちしております。

   黄葉の木漏れ日の坂二人ゆく  惟之

   豪邸の居並ぶ和束の茶山かな   

   ゆり園の竹生島(ちくぶ)も浮かび錦の絵

   広沢の池の朧や愛宕山   

   お地蔵のひそと並びぬ秋の小屋

   夏日照り祇園へ続く巽橋

   影を描く五人囃子や牛車ゆく

   ゆりかもめもうすぐ来るよ杭の先

   斜に 立つ柳の影や竹生島

   銅山のレンガ造りや夏の雲 

   満開の桜並木や比叡望む

   本堂の鈴の音頻り夕紅葉

  和束の茶畑 8F 太田厚子

  

  びわこ箱館山のゆり園 F6 三浦武弘

  広沢の池 F6 高橋忠英

  お地蔵さま  F6  杉本幸男

  夏の巽橋  F6 町田源二

  雛祭り F6 長井房枝

  

  膳所公園 6F 北川清房

  竹生島 F4 山崎 清

  深山 F6 飯沼正明

  別子銅山  F8  清水ちよ

  風の音(京都植物園) F8  寺西千賀子

  なぎさ公園  F6  佐藤 武

  石山寺の紅葉  F6 伯耆惟之

湖の鳥居に日が昇る

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                       白髭神社の日の出(高島市鵜川) 6F 三浦武弘                       

  近江高島の白髭神社の湖中鳥居からの日の出。鳥居の真ん中から昇る日の出は春と秋の彼岸の年2回です。こんな日の出スポットを描かれました。今月の湖水会水彩画展出展されましたが、彼岸の今日、再掲しました。

      秋彼岸湖の鳥居に日は昇る   惟之 

太神山登山と不動寺護摩焚き

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               太神山不動寺の護摩焚

9月24日、太神山山頂へ登り、不動寺の護摩焚きを参観しました。護摩焚きは護摩木を焚いて、災難を除き、幸福をもたらし、悪魔を屈服させようとする祈願といわれますが、初めて体験しました。また、本殿では参拝者に暗がりを照らしてもらい御開帳に恵まれました。

 神慈秀明会会館前バス停(10:00)ー不動寺出会いー不動寺鳥居ー本殿ー山頂ー奥宮(昼食)ー護摩壇広場ー護摩焚き参観ー下山(14:30)ー六地蔵ー泣き不動ー迎え不動ー天神川堰堤ーアルプス登山口ー湖南台住宅(17:00)

     櫨(はぜ)の実を三つ四つ含み山路ゆく   惟之

   御開帳の旗ゆらゆらと秋の山

   せせらぎを九の字九の字や薄紅葉

   簪(かんざし)の如き花つけ薄かな

   読経や煙り高高秋の山

   秋空へ響く法螺の音護摩を焚く

   秋風に御幣の揺れて護摩おえる

   泣き不動迎え不動や秋の山

 不動寺出会い

 御開帳の旗のもと

  薄の穂1

  薄の穂に咲く花。 沢山の薄と出合ったが、こんな薄はなかった。

  ハゼの実(?)

  もうすぐ山頂

  不動寺の鳥居

  本殿したの護摩壇

 本殿へは石階段を上る

 仏旗の見える本殿を見上げて

 先導の拝観者にライトを照らしてもらって、不動明王に拝観できた。 

 巨岩の割れ目に古木が立つ、奥宮にて昼食

 山頂の三角点(仲間の膝元に少し見える)

 本殿を左に急階段をおりる

 山伏の一行は本殿へ向かう

 護摩壇前で弓を放つ

 読経と法螺の音

 口上と火つけ

 檜の葉の煙が舞い上がる。

 不思議とけむくない

 桶の水をかけて火を消す

 境内の六地蔵

 合掌して微笑む尊像(右)

 穏やかに微笑を交わす尊像(左)

 

  下山道

  ケルン積む

 泣き不動

 音羽山遠望

 

 灯篭の並ぶ迎え不動

  天神川堰堤

  田上運動広場のハイキングコース掲示版

 

十月の詩(虎尾草)

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                        街道沿いの美山 F6

         虎尾草

 夕照やカヌー行き交う瀬田の川   惟之

 虎尾草を翳して下る近江富士

 比良掛かる虹の真下の浮御堂

 夏菊の清く波打つ竹林

 東屋の屋根赤々と緑さす

    誌上句会 兼題「金魚」または「百合」

 光庭妻ののこせし百合のかぶ  和巳

 紙の網あやうく楽し金魚追う  たかすけ

 鬼百合の花粉の色や指の先  三枝子

 ピンヒールの百合の花化しバイク蹴る  秀子

 鍵っ子をばしゃと迎える出目金魚  洋子

 山百合や火襷つよき備前焼  みどり

 縁日の金魚掬いや兄妹  まこと

 目の色を変えて幼や金魚追ふ  捨弘

 笹百合の一輪のみの香りかな  由紀子

 ひたすらに歩む日課や白き百合  静風

 身をよじりほいと蹴破る金魚かな  奏行

 平成の齢重ねし金魚鉢  博女

 立ち泳ぎしては餌を待つ金魚かな  惟之

 部屋中に香りを満たし百合の花  祐枝女

 漆黒の壺に白百合無造作に  美枝

 精一杯家を守りて百合の花  里子

 子供らの金魚掬ひや夜店の灯  テル

 幼子や金魚見る目の輝きて  初枝

    やまびこ(八月号の作品から) 感銘・共鳴ー私の好きな一句

 うぐいすや山峡の空広うせり  靖子

 滔滔と北上川や堤焼  東音

 妻ありて我が世のありて二輪賞  爽見

 しきりなる光のつぶて花の散る  みどり

 延命を拒みし友と春惜しむ  咲く子

 手にすれば握りたくなるよ種袋  靖子

 点滴の落ちる遅さよ春の夢  一雀

 共に見し人思い出す桜かな  洋子

 旅プラン一つ崩れて花は葉に  素岳

 挨拶は花のことから始まれり  懋

 花りんご母と語りし日日淡し  山女魚

 園児らの列伸び縮み花堤  久江

 水底のやうに上向く桜樹下  耕

 令和てふ手話の定まる四月かな  秀穂

    俳誌 嵯峨野 十月号(通巻第579号)より

 

 

 

 

曼荼羅山古墳群めぐり

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          比良山系の蓬莱山(曼荼羅山古墳群の山道より)

 昨年12月に開催されました大津市れきはく講座の曼荼羅山古墳群めぐりを再訪しました。コースは150分ばかりの山路。紅葉には未だ少し早かったですが、赤い木の実と蓬莱山の景色は印象に残りました。堅田駅で下りて王将での反省会の生ビールは最高でした。  

 JR小野駅ー曼荼羅山登り口ー金毘羅宮ー和邇大塚山古墳ー曼荼羅山古墳群26号墳ーゼニワラ古墳ー小野妹子公園ー小野神社ー唐臼山古墳ーJR小野駅

  蓬莱山赤き木の実の山路ゆく  惟之 

  前方は湖に向きゐて秋の空 

  後円は山頂なるや秋の苔 

  秋惜しむ横穴古墳の暗き奥    

  公園は小野妹子の初紅葉

  秋の雲近江大橋近江富士        

 曼荼羅山登り口(金毘羅宮参道)

 

和邇大塚山古墳(曼荼羅山山頂 191m):4世紀後半の前方後円墳、全長72m

大塚山古墳の後円部の部分

 曼荼羅山古墳群26号墳 曼荼羅山中で道を逸れずに残りの良い横穴式石室が確認できるのは、ここだけ。

 26号墳~ゼニワラ古墳への急な下り道

 ゼニワラ古墳、小野妹子公園への道標

 ゼニワラ古墳の説明看板 石室は草で覆われ見ることができない

 小野妹子公園

 大塚山山頂(小野妹子公園より)

 小野妹子公園からびわ湖遠景

 小野妹子神社

 外交・華道の祖神としての小野神社の説明看板

 唐臼古墳 小野妹子の墓という伝説のある7世紀の古墳

 小野・堅田地区の家波とびわ湖大橋、三上山、鈴鹿山系の遠望

 

 

 

 

 

 

第14回青いアトリエ水彩画展のご案内

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   第14回青いアトリエ水彩画展を下記のとおり開催いたします。

   日時:2019年11月19日(火)~11月23日(土)

      AM10時~PM4時 但し、初日はPM1時から開催

   会場:大津市生涯学習センター1Fギャラリー

      大津市本丸町6番50号 TEL077-527-0025

      京阪電車 膳所本町下車 湖岸方面へ徒歩数分 

      ご高覧いただきますようご案内申し上げます。

   


11月の詩(行々子)

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                                                  山田港(草津市山田)

      行々子

 鱧の骨読経の如く切り進む   惟之

 二輪漕ぐ湖辺の街道行々子

 夏めきて笛吹きケトルのドミソかな

 頂の新じゃが甘く蒸かし立て 

 葉面に虎視眈眈と子蟷螂

     誌上句会 兼題「花火」または「汗」

 手に汗を払ひ一票投じけり   三枝子

 花火果て港にもどる灯のあまた  よう子

 首筋のガーゼ優しく汗を拭く  洋子

 三時間かけて来たりし湖花火  捨弘

 汗拭きて風のネクタイ外しけり  まこと

 草を抜く滴る汗を拭きながら  由紀子

 背の山の大きくなりぬ遠花火  みどり

 額よりぽとぽと落ちる玉の汗  テル

 彫刻に時忘れゐし玉の汗  博女

 二本ほど背高杉や遠花火  たかすけ

 さまざまな汗の語らふ風呂屋かな  研二

 人の波夜風ふるはす大花火  杏花

 小買物涙の如く汗つたふ  初枝

 手花火や小さき闇に炎ゆれ  静風

 美しき球児の汗や甲子園  靖子

 汗ぬぐい白き歯見せて勝ち投手  恵子

 溢れ出る汗に術なし影もなし  美枝

 汗ほとり汗しとり汗ねとり汗  奏行

 遠花火赤く煙れる向かう山  誠子

 どよめきに続き拍手や大花火  惟之

 大花火終り落ち着く川の音  千代

 ひと休み汗ばむ頸の脈探す  啓子

 一心に針を畳に眉の汗  秀穂

 思い出を残し煙となる花火  秀子

 切なきは星降る里の遠花火  京子

    やまびこ(九月号作品から) 感銘・共鳴ーー私のすきな一句

 みちのくの訛りにほどく笹粽  東音

 今日の無事明日もと願ふ新茶かな  龍策

 母の日も末座に座せる妻なりき  勝彦

 庵治石を割る音海へ初夏の風  ひさ子

 年号の変はりし空の鯉幟  淳子

 戦無き平成終の昭和の日  龍策

 ありなしの風にそよぎし鳴子百合  恭子

 分校の児も子雀も島育ち  素岳

 風薫る絵本の頁むくる度  久子

 陽炎の中に入れば皆孤独  方城

 白牡丹花芯に仏おはすかに  真生子

 ハイテクに音痴で老いて山笑ふ  和江  

 思ひ出のゆっくり開く桜漬  睦美

 語尾まろき美作ことば茄子の花  耕

 車椅子に疲れころがる夏布団  邦子

 子の息の七色に滿つしやぼん玉  美幸

     俳誌 嵯峨野 十一月号(通巻580号)より

 

第14回青いアトリエ水彩画展終える(その1)

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      銀秋のせせらぎ(奥入瀬)F6 中村忠治

 第14回青いアトリエ水彩画展は期間中、寒い日が続きましたが、好天に恵まれ、多くの方々のご来場をいただきました。ありがとうございました。メンバー5人が日ごろ描いた作品や県展・湖国展などの 出展作品など31点を出展しました。ここに一部を拙句を含め紹介させていただきます。開催初日に京都の和束町から来場いただきました方のコメントは「習い箏をしたいと思った(高齢90歳)」とあり、メンバー一同感動をいただきました。いつまでも感動をいただけるような絵を描いていきたいと思いました。

  奥入瀬の渓流もみじ美しや  惟之

  昼顔の浜辺に揺れて遠汽笛

  若き日に雪渓登りし白馬かな

  街道を抜けて山辺や菊薫る

  桟橋に猫の行き交ふ島の秋

  粉雪の舞うて山の辺三原色

  すすき照る散歩道なり愛ひろば

  高高とうろこの家や緑差す

  老舗なるの蕎麦屋の近く醤油屋

  無事下りて山に一礼椎の花

  太鼓打つ雛のくちもと一文字

 

 ミシガンの帰港 F6 長井房枝

 白馬三山(長野) F6  大蔵美耶子

 

  友禅菊の里(左京区久多) F8 太田厚子

 

 沖島港(近江八幡) F6  伯耆惟之

  粉雪舞う(長野) F6 中村忠治

  私の散歩道(草津de愛広場) F6 長井房枝

 うろこの家(神戸) F6 大蔵美耶子

 醤油屋(坂本) G6 太田厚子

 新樹光(三上山) F8 伯耆惟之

  深緑のせせらぎ(奥入瀬) F6 中村忠治

  色々な紫陽花 F8 長井房枝

 白山公園の庵 F6 大蔵美耶子

 尼寺につづく道(寂光院) F8 太田厚子

 五人囃子 F6 伯耆惟之

第14回青いアトリエ水彩画展終える(その2)

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            牛尾宮拝殿(日吉大社) F50 伯耆惟之

 第14回青いアトリエ水彩画展終える(その1)につづき、残りの作品を拙句と合わせて御覧いただきたますよう掲載いたします。

   真夜の午に神輿の下る神の婚   惟之

   友ヶ島の空しき砲台敗戦忌  

   緑差す木漏れ日の道寂光院

   はち切れて子芋飛び出す八頭

   干し柿はまだ吊るされず馬籠宿

   一門の堰へ流るる夏の雲

   遠き日や赤きラベルの麦焼酎

   次次と鱒吊り上げて歓喜の子

 

  空しき砲台跡(友ヶ島) F50 長井房子

  尼寺へつづく道(寂光院) F8  太田厚子  

  南郷洗堰 F& 伯耆惟之

 収穫(頭芋ほか) F6 長井房枝

  八幡堀の夏(近江八幡) F8  太田厚子

  馬籠宿! F6 大蔵美耶子

  馬籠宿2 F6 大蔵美耶子

  馬籠宿3 F6 大蔵美耶子

  瓶とグラス  F8  伯耆惟之

  卓上  F8 長井房子

  太郎坊さん(東近江) F8  太田厚子

  山村の初夏(新潟) F6 中村忠治

  グラジオラスほか F6 長井房枝

 みさき公園(守山) F8 長井房枝

  歓喜の子(南郷水産センター) A4 伯耆惟之

 

 

十二月の詩(祭獅子)

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               友禅菊(左京区久多)太田厚子

     祭獅子

 かぶと虫雄雌提げて里帰り  惟之

 祭獅子に頭を噛まれけり兄妹

 遊ぶ児の行くてぴよんぴよん鮴ひかる

 ねそべって蚊遣見てゐる露天の湯

 初秋に第九に応募胆試し

     誌上句会 兼題「萩」または「虫}

 切通し抜けるや萩の括られて  三枝子

 孫と寝る一夜のゆかたに虫の声  たかすけ

 しだれ萩急げる帰路にこぼれたり  誠子

 白萩にまぎれし蝶の行方かな  紀久子

 八十になんなんとして虫の声  まこと

 もう少し歩きたき道虫の声  秀子

 萩叢に隠れて古き標石  洋子

 遠ざりし人また恋し昼の虫  みどり

 わが庭は手入れとどかぬ乱れ萩  祐枝女

 虫すだく朝のグランドがらんどう  よう子

 萩の花心やさしくなりし色  静子

 幼子の小声の唄や萩の径  美枝

 閉店を余儀なき軒や虫の声  博女

 送り出てひ一人に惜しき虫の声  靖子

 弧蝶きてやさしくなりし萩の風  真喜子

 虫の音やふと気が付けば米寿なり  杏花

 虫の音をスマホに学び夕河原  啓子

 友の顔ふと浮かび来る虫の声  奏行

 香煙のゆらぐでもなし萩日和  珠子

 夕さりの風が散り敷く萩の花  惟之

 漸くに虫と代わり散歩道  捨弘

 アルバムの夫偲べば虫の声  初枝

    やまびこ(十月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句 より

 誰にでも背負ふ業ありかたつむり  惠弘

 日傘にも江戸のしぐさのありにけり  尞見

 昼顔に沖の白波まっしぐら  道子

 歳月も記憶は消せず沖縄忌  龍策

 ゆるやかな紫陽花色の流れかな  志津

 物捨てぬ昭和一桁古扇子  杏花

 睡蓮やモネの好みし白き椅子  鈴枝 

   子燕に見とれてゐたり使いの子  爽見

 碁敵を褒め殺してメロン食む  素岳

 もうゐない母の存在豆御飯  久子

 水茎のゆかし卯の花腐し美し  清次

 山の端に落つる夕日や田植え果つ  節子

 雨上がる山の吊り橋ほととぎす  三郎

 失ひしものは数えず走り梅雨  京子

 夕立や母にもたれし読書の子  文香

 父の日や祖父のあぐらに孫二人  須美子

 マネキンもかひなはずして更衣  素岳

 パフェ食う匙に西日を掬ひつつ  素岳

 青空のどこかに穴のある暑さ  素岳

    俳誌 嵯峨野 十二月号(通巻581)

 

 

 

 

 

 

三匹のザリガニ

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              三匹のザリガニ(水彩) 磯部恵介 6歳

水槽で飼っているザリガニを水彩画で描いた作品を送ってもらいました。恵介君は大の虫ずき。そして絵がとても上手です。このブログでも甲虫や鱒吊りの絵がこれまで登場しています。さて、この三匹のザリガニにはそれぞれ名前がつけられています。サイズ順に、おおすけ、ちゅうすけ、ちーすけです。ちーすけはまだ幼ないですが、小さな鋏がきちんと描かれています。細やかな愛情がないとここまでは描けないと思う。おーすけは鋏も大きく立派です。そしてその鋏は右が大きいですね。すこし黒ずんでいるちゅうすけも鋏は右がすこし大きく描かれています。この観察力には驚きです。恵介君はもう立派な虫博士なんです。

    ザリガニに愛称つけて飼う子かな   惟之

紅葉の南禅寺界隈漫歩

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               鴨の日向ぼこ(鴨川)

 紅葉の南禅寺から永観堂、哲学の道、おめん(昼食)、橋本関雪記念館まえ、吉田山、京大講堂、鴨川へのコースを歩いてきました(11月18日)。平日の南禅寺コースは混雑はすくなくゆっくりできました。吉田山近くから京都大学に入り、構内を散策できたのはラッキーでした。鴨川河原の鴨とのひと時はいい記念になりました。

      焼香を左耳に翳し冬ぬくし   惟之

  疎水へと紅葉かつ散る山辺かな

  名代のおめんの門や鯛釣草     

  午後の日の鴨の群れなる平和かな  

  鈴懸の木の葉かつ散る学舎かな

  

 南禅寺山門

 南禅寺山門

 南禅寺山門

 南禅寺境内

 本殿前でお焼香

 本殿うら

 本堂うら

 境内2

 

  永観堂

  案内図

 哲学の道1

 哲学の道2

 老舗 おめん 

 つけ麺一式

 おめん前の鯛釣り草

 橋本関雪記念館まえ

 今出川通り・疎水

 京大講堂まえ(37号棟 工学部 土木工学科)

 京大構内

 鴨川

 

 

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第九を歌う

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                                ベートーヴェン

 ベートーヴェンの交響曲第九 第4楽章「歓喜によせて」を24人のメンバーで歌いました。練習は7月から12月までのべ6回。第257楽章から330楽章までをNHKのビデオをスクリーンに映し、楽しく合唱しました。歌えるかな やってみようを合言葉にして歌うことができました。

  楽聖の似顔を掛けて歌う第九   惟之

  

 

 

 


謹賀新年2020

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         湖南アルプス初日の出(2020.1.1 AM 7:26 )

    新年あけましておめだとうございます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    黄金差す令和の初日昇りけり   惟之

    裏山に母子も登り初日の出

    山仲間初日出れば第九かな

    寒風に言葉交わして集ふなり     

 日の出20分前の大戸川と湖南アルプス

 瀬田丘陵からの比叡山。右の中央は琵琶湖。左の中央は瀬田川

一月の詩(秋暁)

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               日吉大社の大絵馬

      秋暁

  夜泣の児あやし月夜の一回り   惟之

  蟷螂と閨に一夜を過ごすなり

  オムライス二人で分ける敬老日

  秋暁や網打つ人は未だ見えず

  山霧は一村包み法螺響く

     誌上句会 兼題「新米」または「落鮎」

  落鮎の一片となる流れかな  三枝子

  弥白き多摩川の瀬や下り鮎  まこと

  元気よく梁の落鮎跳ねてをり  紀久子

  暁の光にすすぐ今年米  洋子

  鮎落ちて護岸工事の始まれり  裕枝女

  落鮎の下る川瀬の日の鈍し  秀子

  秋田小町てふ新米を求めけり  稔

  錆鮎の色や姿は無常とも  よう子

  新米の三十キロやおすそわけ  利己

  新米のお粥ふつふつ香り立つ  惟之

  落鮎の河口まで来て果にけり  研二

  被災地に湯気たててみよ今年米  珠子

  落鮎の流されてゆく被災の地  博女

  落鮎の瀬音しづかな峡の川  靖子

  新米のにぎり飯食ぶ十五歳  初枝

  新米やまともに湯気を顔に受け  繁子

  新米や越後魚沼産名乗り  捨弘

  新米や舌にほどける味がして  美枝

  新米のぴんと立たる行儀よさ  奏行

  新米に一筋付きし薄みどり  千代

  新米やどこより早し高知産  誠子

  八品種の田んぼアートや新米に  秀穂

  新米を入れし俵のくびれかな  敏子

  新米のむすびで締めるクラス会  葵堂

  避難して分け合う新米塩むすび  啓子

  新米たくぎらぎらひかり五光かな  テル

  山積の新米どんと蔵の中  里子

  四万十川の風や落鮎焼き上がり  ひさ子

      やまびこ(十一月号作品から)感動・共鳴ーー私の好きな一句

  返納ぞもう八十ぞ髪洗ふ  秀子

  白シャツの少年一人葬の列  怜

  源流に滴りといふ力かな  篤子

  亡き人の齢数へる夕端居  勢津子

  絹糸の絡まり解けず梅雨に入る  そよ女

  さくらんぼ会津訛りのやさしくて  優江

  蜻蛉生れ池の光を漂へり  勝彦

  身のどこか風吹き抜ける祭あと  梅子

  茄子焼くや心ときめくことも無く  梅子

  汗の子を丸洗ひして夕支度  清次

  帰省子にカレーライスと井戸の水  梨里子

  病む人の手を握りしめ梅雨長し  敬子

  心太無為と無欲に蜜をかけ  慶子

  大木を真っ逆さまに蟻下り  裕司

  茄子の花いくつになれど子を諭し  きみ

  星涼し母と揃ひの帯しめて  鈴枝

  本当と嘘の行き交ふ団扇風  利里子

    俳誌 嵯峨野 一月号(通巻582号)より

   

  

 

  

新春十三句(2020)

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                      日吉大社・牛尾宮(大津市坂本)   F50    

   吾子抱き夜番の人と一廻り  惟之

   黄金さす湖南アルプス初日の出

   裏山へ母子も登り初日浴ぶ

   人だかり日吉大社の猿回し

   初ビデオライオンキングに目を澄ます

   オリオンを指呼する吾子やキッザニア

   初春のファッションモデルキッザニア

   鰭酒をコップに注がれ敗着す

   ゲームして泣く子笑ふお正月

   正月や光秀ゆかりの陣太鼓

   鰤さばく杵紫(きつき)の里や大旦 

   毘沙門へ襟を正して初句会   

   鶴の橋亀の橋あり京の春

   

   

   

二月の詩(雁渡る)

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                     二年坂

      雁渡る

  初紅葉叡山へ発つケーブルカー  惟之

  古希と喜寿二人で祝ふ茸飯

  蝉丸の面は物憂げ花梨の実

  秋天の虚空へ聳びゆ摩崖仏

  吊橋の空次次と雁渡る

     誌上句会 兼題「鮪」または「牡蠣」

  触れ太鼓合図に鮪糶られけり  三枝子

  牡蠣棚の並ぶ内海波しづか  由紀子

  鮪寿司いつもの店で昼御飯  祐枝女

  イベントの目玉の鮪解体ショー  洋子

  牡蠣鍋の果てや熱熱うどん鍋  まこと

  地芝居の玉三郎も牡蠣を剥く  研二

  無事下りて牡蠣鍋囲む山仲間  惟之

  焼牡蠣の香りと紫煙能登の浜  秀子

  喉越しにつるりとすぎる志摩の牡蠣  靜風

  鮪競る寿司屋の社長太つ腹  捨弘

  長島の海のくれゆく牡蠣筏  よう子

  牡蠣小屋の煙突薪の匂ひして  稔

  大とろの舌にとけゆくにぎり寿司  博女

  それぞれの好み語りて牡蠣の膳  靖子

  神業の鮪解体小気味よし  珠子

  骨のあること知らぬ子や鮪食ふ  古奈

  手袋を汚し牡蠣剥く能登女  美智子

  解体ショーが肴や角打ちす  秀穂

  牡蠣殻の山と積まれて波の音  みどり

  夕餉にちょっとはりこみ鮪買ふ  初枝

  焼かれたる憤怒にがばと牡蠣の口  篤子

  板前の手さばき見つつ鮪食ふ  美枝

  免許返納の夫に慰労の鮪鮨  佳子

  広島に義姉息災や牡蠣本番  啓子

  鮪競る正念場や黒光り  章代

  競り市のはちきれさうな鮪かな  真喜子

     やまびこ(十二月作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

  口を閉じ眼に力あり生身魂  勝彦

  ハーブティー注ぎ新涼分ち合ふ  一江 

  かなかなや郷は地つづき空つづき  圧知

  盂蘭盆会み仏に逢ひ友に逢ひ  幸子

  朝の気を静かにのせて咲く桔梗  久女

  おもひきり捨てる覚悟や鳳仙花  志津

  時かけて暮れる湖法師蝉  和子

  秋天へ昇る思いや本門寺  楙

  髪洗ふ指先の知る古き傷  方城

  揚花火闇を力にひらきけり  みどり

  科学者の煩悩如何に原爆忌  幸江

  秋暑し断乳と言ふ試練かな  淳子

  手を合はす箸の立つ粥終戦日  梟子

  ちんちろりん一合の米研ぐときに  志津

  終戦日逝きて帰らぬ兄ふたり  きみ

  悲しげに啼きし烏や終戦日  きみ

  遺骨なき兵士の墓や法師蝉  鈴枝

  一葉落つ島に人間魚雷の碑  爽見

  世を少し覗きし孑孑沈みけり  素岳

  自在とは言へず大暑の車椅子  ひさ子

  敗者には敗者の礼儀汗滴る  隆を

  忙しき妻に跨がれゐる昼寝  方城

  狗尾草揺らし雀のかくれんぼ  洋子

  梨割って分けあふ人の居ぬ夕餉  利里子

  石一つ帰りて義父の敗戦忌  志保子  

  貧血のことはりもなく薮蚊かな  アイ子

  白桃や小さき嘘を秘めてをり  ひさ女

  懐メロの深夜放送明易し  秀峰  

     俳誌 嵯峨野 二月号(通巻第583号)より

  

 

 

鬼やらひ

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                      赤鬼  杉山悠理 6歳

       子の描く鬼は伸びらか節分会     惟之

       柊を扉に挿して鬼やらひ

            横縞のパンツを着きて鬼やらひ

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