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Channel: 水彩画と俳句の世界
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西瓜描く

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               西瓜と桃  6F 水彩

湖水会の室内写生会で西瓜・桃・玉蜀黍を描きました。参加は10名。モチーフを囲んで静かな一時を

過ごしました。西瓜の丸ごとは初めて描きましたが、頭部から尻への縞模様は正に天然の美。完熟した

桃の甘い香りに呆け気味の頭に刺激されました。

  桃薫る時の流れや呆け封じ   惟之

  西瓜描く尻尾の黄色に縞すくむ

  悪魔めく西瓜の模様に刻わすれ

  山頂や仲間と西瓜割りて喰ふ

  こけざまにほうと抱ゆる西瓜かな  去来

  やや膝を開いて西瓜食べてをり   赤尾富美子    

作品1                       作品2

作品3                      作品4

作品5                    作品6

作品7                   作品8

作品9                 作品10

 

   室内写生会の講評風景。スケッチの時間13:30~15:30

 

 

 

 


九月の詩(貴船路)

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                 親と子の自然体験会(びわこ文化公園)

     貴船路

 ががと鳴く夜泣峠の青蛙   惟之

 蛭降りて血染めとなりし山路かな

 貴船路の深山に郡れし九厘草

 千尋の谷へ木霊す不如帰

 仁王門潜りて安堵のしゃがの花

    誌上句会 兼題「燕の子」

 特選5句

 作務僧の箒に遊ぶ燕の子   珠子

 子燕と交わすお早う医者通ひ 保子

 子燕や無二生家を輝かす   みどり

 燕岳てふ山もあるぞよ燕の子 秀穂

 燕の子生まれは那須の御用邸 須美子

 秀句20句

 下津井の潮の香りや燕の子  よう子

 子燕の育つ湖畔の無人駅   基雲

 水音の激しき堀や燕の子   信儀

 燕の子まるまる健康優良児  泰行

 客を待つ床屋の軒の燕の子  ひさ子

 巣立ちゆく子燕比叡の青空へ 静風

 子燕やからくり時計動き出す 清子

 交番も楽しき我が家燕の子  佳子

 本陣の深き軒先燕の子    京子

 出棺を見送る軒の燕の子   幹男

 子燕のたすがるるまでブーメラン  洋子

 世継ぎなき生家の庇燕の子  篤子

 独り居の姉に友あり燕の子  京子

 子燕や越後獅子くる峡の里  仙命

 三味の音や郡上の駅の燕の子 肇

 海風の錆濃き軒や燕の子   奈緒世

 子燕の飛び立つ朝の空青し  近子

 口開き日の瞬かず燕の子   たかすけ

 母を待つ家の遠きや燕の子  睦美

 夢在って生きる世界の燕の子 一二朗

     やまびこ(7月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 分校を背負う一人の入学児  幹男

 音もなき帰雁の空の深きかな 道子

 どちらまでちょいとそこまで桃日和  素岳

 卒業式タクト静かに置けれけり 久子

 今年また花に会へしを幸とせむ 玲子

 静寂に耐え切れずして椿落つ  素岳

 白梅の一枝の余力活けにけり  久子

 糸柳揺れて無言の別れかな   啓子

 辛夷咲く真青な空をかくすほど 志津

 わが余命数へてをれば亀鳴けり 勝彦

 父眠るレイテ沖より春の雷   爽見

 薄紙をとれば吐息や内裏雛   紀久子

 呼べば陽のにほひを連れ来る子燕 節

    俳誌 嵯峨野九月号(566号)より  

 

 

 

第13回青いアトリエ水彩画展のご案内

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  第13回青いアトリエ水彩画展の開催をご高覧いただきますよう

ご案内申し上げます。

日時:平成30年10月2日(火)~10月6日(土)

   10:00~16:00 初日は13:00から開催

会場:大津市生涯学習センター 1Fギャラリー

   TEL 077-527-0025

 

 

荒神山ハイキング

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                 曇天の荒神山へ向かう

 秋の一日を登ってみたかった荒神山(286m)に行ってきました。天気は曇天でしたが、荒神神社遥拝場には彼岸花が咲き乱れ、山頂近くではハングライダーとも出会いました。展望台からは比良山系を背景にした沖島、多景島、竹生島の湖の風景は見事でした。千手寺をおりての鈴鹿山々の遠見はまた来たい気持ちになりました。カメラ修理中のためKさんの画像を拝借。ありがとうございました。   

 JR河瀬駅ー天満橋ー天満天の神社ー荒神山神社遥拝殿ー本坂ー腹切地蔵ーハングライダー離陸場ー昼食ー荒神山神社ー荒神山古墳ー展望台ー千手寺ー天満橋ーJR河瀬駅

   荒神は山の神なり秋彼岸  惟之

   軒下に「や}の字の酒屋秋の蔵

   遥拝場の石の鳥居や天高し

   石地蔵は斜に腹切れ彼岸花

   湖へ舞うハングライダー秋の山

   撫で牛の耳に願ひを曼殊沙華

   沖島も竹生も一望秋の湖

   禅寺の蔵は石の戸曼殊沙華

   鳴き継ぎし千古の宮の法師蝉

   稲干すや鈴鹿山系夕まぐれ

 JR河瀬駅下車

 

  軒下に「や」を示した酒蔵を見上げる

 天満天神社まえをゆく

  荒神道の道標 

  荒神山神社遥拝殿

 山頂の荒神山神社への表参道のこの本坂を登る

 腹切地蔵と名ずけられた地蔵

  パラグライダー離陸場

 離陸場に揃いパチリ 

  全員集合

 

 

 荒神山神社

 撫で牛の病どころをハイタッチ

  荒神山古墳

  展望台

 千手寺へ

 山門から蔵をのぞむ

 右は本堂 正面に鐘楼 八角堂 

 境内の中庭 

 蔵の石の戸

 千手寺の案内 木造僧形座像・木造僧形半跏像・千手観音立像・不動明王・毘沙門天が収められ、

 9世紀から11世紀の木造彫刻。僧形像はいずれも釈迦十大弟子の尊者。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十月の詩(夏霞)

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     夏霞

  叡山へ秦山木の花捧ぐ   惟之

  本堂の色濃き影や新樹光

  丈六の阿弥陀座像や苔の花

  鮨押して島に眠れる樽いくつ

  比良比叡鈴鹿山系夏霞

    誌上句会 兼題「胡瓜」

  特選

  足元は白川廃寺胡瓜生る    胡蝶

  被災地に残る胡瓜の太りけり  里子

  球児らに届く百本冷胡瓜    奈緒世

  疎開つ子でありし思い出花胡瓜  弘子

  ままごとのやうな昼餉や胡瓜もみ 近子

  秀作

  胡瓜畑去年は百歳媼居り    ひさ子

  育ち過ぎ胡瓜も添へて旅土産  洋子

  若者の背丈をきそふ胡瓜畑   博女

  一本目の冷し胡瓜や貴船川   京子

  胡瓜もむ当たりさはりのなき話 篤子

  胡瓜もみもふ教はれぬ酢の加減 靜風

  朝市や婆の薦めへぼ胡瓜    基雲

  初胡瓜男独りの冷し汁     幹男

  亡き人のレシピの文字や胡瓜漬 珠子

  丸かじりの胡瓜に味噌や山の昼 山女魚

  菜園を褒めていただく胡瓜かな 靖子

  胡瓜もみ母の味にはまだ速し  紀久子

  葉隠れに見逃し胡瓜太くなり  美枝

  花の後早くも胡瓜の曲がり癖  まこと

  初捥ぎの胡瓜甘しと妻の讃   惟之

  冷胡瓜かじり踊りの輪を遠見  惠子

  不器用な胡瓜も笊に小商い   研一

  まな板にタップダンスの胡瓜かな  須美子

  自販機に選る花付きの胡瓜かな 啓子

  風軽し若き胡瓜に残る花    臬子

     やまびこ(八月号の作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句から

  これまでもこれからも過疎春の村  隆を

  ふらここを漕ぐや心の晴れるまで  素岳

  暮れなずむ空を広げて花水木    久子

  廃線に駅名いまだ花は葉に     篤子

  竹林は風梳き分けて初音かな    裕司

  城門が校門つつじ咲揃ふ      満子

  参道に僧一列や松の芯       定慧

  遠ざかる人の香残り春愁      優江

  医師の手の肩にやさしき花の雨   鈴枝

  今年また燕の育つ理髪店      恭子

  先代の名前を貰ふ子猫かな     素岳

  なによりも句座は薬よ桜餅     通幸

  激流に先陣競ふ燕かな       仙命

  茎立や孫の下宿は最上階      秀子

  母の手をそっと放して卒業す    美幸

  囀の中にさえずりはじまれり    久子

  亀鳴くや婆さんどちの艶話     庄知

  がん消えて動機しづみし新樹光   敏乃

  声かけて通る人ありミモザ咲く   京子

  岸壁の割れ目に一輪すみれ咲く   惟之

  焼き立てのパンのお出まし春日向  惟之

  午後のバス出でて蒲公英の土手となる  耕

      俳誌 嵯峨野 十月号(通巻第567号)より

  

  

第13回青いアトリエ水彩画展おえる

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        菜の花畑(守山市播磨田町) F8  太田厚子

 第13回青いアトリエ水彩画展は台風25号の接近で心配しましたが、10月6日(土)無事おえることができました。今回はメンバーが1名少なく4名の24点となりましたが、例年どうり200名近くのご来場がありました。後遺症で手足の不自由な方、故人のメンバーの娘さん、「こんな絵を飾ってみたい。」など沢山の感動をいただきました。そして、作品の一部と拙句を掲載してお礼に代えさせていただきます。

   大楠に秋光差し入る展覧会   房枝

   大樟の窓辺にそよぐ秋の展   惟之

   比良からの風より生(あ)れし菜花かな

   ピレネーの二筋の滝や大屏風

   雪山の頂いくつ八海山

   天平の鐘撞けば啼くほととぎす

   城跡の湖辺に芽吹く大樹かな

   カンバスの真中におはす大西瓜

   涼風や浜の小島に鳥居あり

   春三日晴れて伊吹の雄姿かな

   薔薇挿して賑やかなりし立ち話

   木漏れ日や若葉ゆれゐる大社径

   水差しと林檎と過ごす昼下がり

 ピレネーの思い出  F20  長井房枝

 三原色で描く 八海山遠謀(新潟) F8 中村忠治

  鐘楼(長壽寺/湖南市)

  春がやってくる  F8  太田厚子

 夏の主役  F8  長井房枝

 三色で描く 桂浜(高知) F6 中村忠治

 伊吹残雪  F20  伯耆惟之

 日吉大社に続く道(坂本) F8  太田厚子

 

  バラとコップ F8 長井房枝

  水差しと林檎 F6 伯耆惟之

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

  

   

 

   

   

 

第13回青いアトリエ水彩画展おえる(その2)

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     大船鉾(京都・四条) F6

   第13回青いアトリエ水彩画展の作品その2を掲載します。3色で描くと示された作品は赤、青、黄の絵の具で描かれました。一部、照明の関係で作品の色合いが異なっていますのでご承知ください。 

  花籠の届きて感謝茱萸熟るる   惟之

  こんな絵を掲げて見たいと秋の展

  取りをゆく大船鉾の凱旋旗

  三色の彩なす山の花見かな

  池の辺に浜茄子咲きて小さき堂

  春雨て予期せぬ出会い湯屋を描く 

  尾道は故郷なのよ秋の展

  牛蛙太鼓橋をも震わしむ

  カーネーション色濃く描き母偲ぶ

  軒下に貝殻つづく秋の道

  秋空へ象の雄叫び二度三度

  三色で描く 花見山(福島) F6 中村忠治

  長寿寺の弁天堂(湖南市) F8  長井房枝

  尾道商店街(広島・尾道) F8 太田厚子

  乙女が池の太鼓橋(高島) F6 伯耆惟之

   3色で描く 雑木林 F6 中村忠治

  母を偲んで  F8  長井房枝

 

   島の昼下がり(沖島) F8 太田厚子

 

  落葉踏む(京都・岡崎) F6  伯耆惟之

  会場風景1

  会場風景2

 

 

 

 

 

11月の詩(祭舟)

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              御池とうりで見つけた鍾馗さん

      祭舟

 湖望む薔薇満載の花車    惟之

 鰹節煮(ふしに)干すバイオリン弾きは四代目

 大観の白衣観音うすころも

 対岸に篝火ゆれて祭舟

 雲の峰トップロープのクライマー

    誌上句会 兼題「秋の燈」

 特選

 秋燈し論語素読の中学生   ともはる

 秋燈に佐藤愛子を読みふけり 万智子

 口ずさむ啄木詩集秋燈    みどり

 秋燈や燈火管制解かれし日  靖子

 秋燈の坂のぼりくる話ごゑ  喜志子

 秀作

 秋の燈や小さな町の美容院  近子

 秋の燈や揃ひの笠の波打つて 須美子

 鉈彫の小さなほとけ秋燈   惟之

 雨催ひ分かつ人なき秋燈   保子

 秋燈し小体な店の旨き味   仙命

 枕辺にポケット図鑑秋燈   啓子

 秋の燈や勲記の部屋に父不在 和己

 傍らに手擦れの辞書や秋燈  三枝子

 秋の燈の近くに見えて子らの待つ 秀子

 千金の夢を託す日秋燈    十二朗

 秋の燈にひもとく文庫子の遺品 咲久子

 ふるさとの比叡山頂秋燈    胡蝶

 晩学のまだ読めぬ字や秋燈   ひさ子

 秋の燈や菩薩微笑むご開帳   博女

 秋燈や子ら傍線の古語辞典   恵子

 子は遠く住みて半年秋燈    篤子

 展開の読めぬミステリー秋燈  泰行

 語り部を囲む遠野の秋燈下   幹男

 秋燈や街密やかに喋りだす   章代

     やまびこ(九月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句 

 水ぐるま立夏の光こぼしけり  素岳

 どの山へ狐嫁ぐや七変化    きぬ

 中陰の夜の深さや青葉木菟   勝彦

 世の夏や悲しきことの消ゆるなく  洋子

 意識なき児の枕辺に武者人形  博女

 夏服の軽さをまとふ一人旅   素岳

 クレヨンの二十四色麦の秋   怜

 葱坊主叩いてみたくなる高さ  千代

 ケアバスの細き道行く麦の秋  祐枝女

 香水の瓶の凹凸夏始      豊子

 縄文の裔の一人や潮干狩    邦弘

 破れ傘下に小人の居るやうな  古奈

 畳まれて息をはき出す鯉幟   ひさ女

     俳誌 嵯峨野 十一月号(通巻568号)より

 

 

 

 

 

 

 

    

 


音羽山ハイキング

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              音羽山山頂(比叡山、びわこ方面)

  秋晴れの10月22日、逢坂山・音羽山を登ってきました。天候にめぐまれ、音羽山山頂からの眺めは最高でした。びわ湖側には比叡山、比良山、そして伊吹山、霊仙山から鈴鹿山系をかすかにのぞむ。南には眼下に東山三峰、遠くに西山の山々、愛宕山も薄っすら。この絶景に反して尾根道の倒木の余りに多さに驚きました。台風21号の大樹の倒木は八瀬や御所でも目の当たりしましたが、これまでに見ない被害である。

 JR大津駅-国道1号線ー高山寺霊園入口ー祠ー鉄塔ーBBC分岐ー東海道自然歩道出合ー音羽山山頂ー1号線歩道橋ー京阪大谷駅

 倒木の嘆きおちこち秋の尾根  惟之

 木漏れ日を浴びし樹の腹台風禍

 東山眼下にのびて秋の空

 逢坂の歌碑に木漏れ日秋暮る

 標識の鰻呼び込む秋の暮

JR大津駅近くのの一号線沿い

BBC分岐近くの鉄塔を真下からみあげる。雲の素のよう。

東海道自然歩道出会の標識

音羽山山頂の南側

 眼下に比叡山から稲荷山まで続く東山三十六峰、遠くに西山連峰がかすむ。

 京阪大谷駅へ急階段を下る

 

 急階段をおりて一号線歩道橋を渡る

 逢坂山関址

 三条右大臣の歌碑 「名にしおはば 逢坂山のさねかづら 人に知られて くるよしもかな」 

 清少納言の歌碑 「夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」

 

  蝉丸神社前に蝉丸の歌碑あり。「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関」

 老舗かねよの標識「うなぎ注意」をすぎて京阪大谷駅へ 

 

 

 

 

 

淀川浪漫紀行(淀川船下りの旅)

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          淀川下りのクルージング「ひまわり」から

 明治時代に淀川を往来していた川蒸気船をモチーフして造られたクルーズ船「ひまわり」に乗船して、クルージングを楽しみました。なかでもパナマ運河と同様の方式が用いられている毛馬閘門の通過は貴重な体験でした。

 枚方公園駅ー鍵屋資料館ー枚方船着場ー出航(14:00)-毛馬閘門ー天満橋ー八軒屋浜船着場(17:00)

  街道は京へと続く秋の空    惟之

  秋晴れて幟はためく船着場

  船室に船唄ながれ秋の雲

  青信号閘門くぐれば薄紅葉

  句友待つ釣瓶落しの八軒屋      

 

 京街道に面した鍵屋 江戸時代、京街道や淀川する上で、重要な場所であった「枚方宿」の資料館。江戸時代の町屋「主屋」と昭和初めの「別当」がある。

 鍵屋別棟2階の大広間

 大広間の置かれた「吊り太鼓」。三十石船の出港や下船の合図に使われたようだ。

 かまどや石臼など設置されたカマヤ

 安藤広重画 京都名所之内淀川(部分)

 小判が積み重ねられた箱

 鍵屋別棟

 枚方宿船着場 

 秋日が輝く

 船室内の風景

 淀川大堰

 もうすぐ毛馬閘門

 青信号の毛馬閘門へ

 赤信号の閘門内

  毛馬閘門通過

 天満橋通過 

 八軒屋浜船着場(17:00)

 

延暦寺にない堂

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          比叡山延暦寺 にない堂  8号 水彩

 常行堂(左)と法華堂(右)という同じ形の二つの堂が渡り廊下でつながれてをり、この廊下天秤棒にして弁慶が担いだという逸話によりにない堂と呼ばれている。常行堂は念佛を、法華堂は法華経をそれぞれ唱えて、修業する道場で、法華と念佛が一体であるという比叡山の教えを表し、二つのお堂が渡り廊下でつながっている理由もそこにある。親鸞聖人・西教寺真盛上人もこの地で修行され、顕彰碑が建立されている。右手の階段をのぼり渡り廊下をくぐれば、左に鐘堂、正面は釈迦堂である。2008年の湖水会の写生会は比叡山西塔のこの地でした。

   瞬けばもふひとむかし苔ひかる   惟之

   彼の人も彼の師も逝きて苔の花

   

 

 

第14回湖水会水彩画作品展の開催

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          白川郷の雪景色(部分) F6  三浦武弘

 第14回湖水会水彩画作品展が大津市生涯学習センターで開催されました。多数ご高覧いただきますようご案内申しあけます。開催期間は11月23日(金)~11月29日(木)。会員15名の38点が出展されています。ここでは、作品の一部をご紹介し、拙句をそれぞれ掲載しました。

  法起寺の空ひろびろと秋桜   惟之

  睡蓮のささやき聞こゆ水面かな

  若葉して本堂へゆく仲間かな

  子らの声聞こえていたよ大紅葉

  浜茄子の一輪添えて弁財天

  三方五胡みな繋がりて虹かかる

  日盛の傘門くぐり幻住庵

  黄葉のきりり聳えし御門かな

  田植をへ湖北の山山水に映ゆ

  冬晴れて虚空に聳ゆ大樹かな

  山路をふと見上げれば木通落つ

  悪魔めく西瓜の模様に気ずきけり

  やすらぎの神社の杜や鎮守祭

  軒つらら輝いてをり白川郷

  ゴッポかと紛う作品並びをり(無季)

  

   発起寺(奈良・斑鳩) F8 飯沼正明

  

   水生植物園 F8 太田厚子

  

   長寿寺参道(湖南市石部) F6 北川清彦

  

   秋色(京都・宝が池) F9 相根満諠

  

   長寿寺 弁天堂 F6 佐藤 武

  

   三方五胡(福井・若狭町 美浜町) F8 清水ちよ

  

   石段を昇ると幻住庵(大津市国分) F6 杉本幸男

  

   黄葉(京都御所) F8  寺西千賀子

  

   日中(昼)の田んぼ(木之本) F6 高橋忠英

  

   冬晴れ(信州) F6  中村忠治

  

   秋を集めて F8 長井房枝

  

   西瓜と桃 F6 伯耆惟之

  

   茶店のある参道 F5 町田源二

  

   初夏の訪れ(上高地・岳沢温泉) F10 三浦武弘

  

   果物  F6  山崎 清

  

   窓から F6 山崎 清

  

   

  

  

  

  

  

   

  

  

  

  

  

   

十二の詩(大船鉾)

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                   石山寺の紅葉

      大船鉾

 山頂へ蟻の門渡り人の列   惟之

 凱旋旗はためく取りの大船鉾

 煌煌と火星接近夜の秋

 響きの後の拍手や大花火

 土器をみづうみに投げ秋にいる

     兼題「月」

 特選

 鹿遊びくる月明りの音楽堂  肇

 月光に崩れし古墳の吉備の山  京子

 湖渡る三井の晩鐘盆の月   静風

 暈かかる月端然と雲早し   啓子

 明り窓に母の声きく良夜かな  敬子

 秀作

 十六夜や塔を要に吉備の里  みどり

 災害の傷跡照らす月青し  弘子

 宵月や櫓音の滑る瀬田の川  惟之

 満月かざす腕や阿修羅仏  博女

 母を抱き湯舟の月明り  睦美

 月明や非常呼集の練習船  ともはる

 空襲を一人眺めし月明り  たかすけ

 サハラの月駱駝の背のVサイン  胡蝶

 まどかなる朝の月あり巌島  一江

 再開を待つ月光のエアポート  洋子

 人悼む心いだきて月の道  和子

 月光に恥じぬ己を問うてみる  万智子

 空耳に立ち上る夫月今宵  珠子

 妻の歩のテンポの緩し月の道  仙命

 病む友に月の姿を教へけり  三枝子

 月昇り静かに月をひとり占め  近子

 月浮かべ近江の湖の平らなる  捨弘

 写経の手休めて仰ぐ月まどか  咲久子

 子守唄の種の尽きたる星月夜  敦子

 望月の光さし来る欅坂  信儀

   やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

 水を打つ石のほてりの消ゆるまで  惠弘

 宿下駄のゆるき鼻緒や蛍の夜  ひさ子

 実梅落つ己が重みを音にして  廣平

 万緑に吸はれゆくかに寺詣  靖子

 橋渡りきて薫風の母の里  東音

 緑さす先師の句碑を排しけり  勝彦

 老鶯に気配はなかりけり  海男

 病んで知る家族の絆梅雨晴れる  道子

 従兄弟らと余生持ち寄り川床料理  素岳

 ほつほつと増ゆる里の灯新茶汲む  懋

 夏の朝バス通りゆく若き医師  近子

 亀鳴くや日記は愚痴の捨てどころ  方城

 夏萩や老いても捨てぬこころざし  みどり

 息吸うて吐いて緑の限りなき  安恵

 垂直にすする水稲夏の雲  睦美

 樟脳の匂ひ取り出す更衣  研二

 父の日や写真の父に頼みごと  美幸

   俳誌 嵯峨野 十二月号(通巻第569号)より

 

 

石山の紅葉

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               石山寺本堂前の紅葉

  石山寺本堂前の紅葉。大きな絵襖のようだ。お参りの人はこの本堂前の紅葉にたたずみ本堂に入る。紅葉も素晴らしいが、煤けた本堂の天井も描いてみたかった。湖水会の写生会は、本堂右の石段に腰掛けでスケッチしました。石山寺の作品は、春の仁王門、石山の阿形、紅葉の公風園、新緑の本堂についで五作目となりました。

   石山の大きな絵襖もみじ照る   惟之

   

  

一月の詩(ブラックアウト)

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                 二年坂(京都市東山)

     ブラックアウト

 走錨の船はをちこち台風裡   惟之

 聞きなれぬブラックアウト秋の闇

 倒木の目立ちし八瀬の初紅葉

 禅寺の蔵は石の戸曼殊沙華

 鳴き継ぎて千古の宮の法師蝉

    誌上句会 兼題「山粧ふ」

 特選

 山粧ふ明日香亀石眠らせて  洋子

 奥飛騨は好天五日山粧ふ  美智子

 回廊を登れば神苑山粧ふ  紀久子

 幾たびも久女通ひし山粧ふ  研二

 閑適に風雅に生きん山粧ふ  十二朗

 秀句

 頂は雲のベールや山粧ふ   京子

 山粧ふ山は動くと晶子の碑  秀穂

 山粧ふ朱鷺の里より米届く  近子

 北国の採炭跡や山粧ふ    基雲

 ダム放水山粧ふて応へけり  保子

 独り居を重ねし村や山粧ふ  敬子

 地震の跡隠して山の粧へり  ひさ子

 門跡寺の鐘の余韻や山粧ふ  初枝

 粧ふ山雲とどめては放ちては  篤子

 川下り粧ふ山を仰ぎつつ   靖子

 粧ひし山ゴンドラの影走る  幹男

 松姫の超へし陣馬山粧ふ   恵子

 同郷の二人の暮し山粧ふ   珠子

 山彦を返して山の粧へり   三枝子

 山粧ふ白川石の採堀場    胡蝶

 山粧ふ万国万来引き寄せて  奈緒世

 焼団子の名物店や山粧ふ   佳子

 山粧ふ温泉宿の迎え馬車   陽子

 合格通知粧ふ山の晴れ渡り  秀子

 夫と婿仲良く登る山粧ふ   京子

    やまびこ(十一号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句)

 いつまでも想い出を言ふ大文字   一雀

 鬼百合や時に微かな朝の風  志津

 ご詠歌の鈴の音揃ふ涼しさよ  惠弘

 炎天の影を脱ぎすてバスに乗る  素岳

 阿修羅像見つめる少女夏深し  敦子

 本当も嘘も半分半夏生    利里子

 日焼けして海の匂ひを持ち帰り  敏子

 入道雲我はほそぼそ生きてをり  志津

 暑き日やのら猫に水飲ませゐて  玲子

 句に遊び中寿の炎暑遣り過ごす   東音

 棟梁の枕は木端三尺寝    素岳

 月涼し歩のゆるやかな海の街   正弘

 仏像展の仏師も慈眼梅雨晴間   龍司

 鍋底に居るかと思ふ暑さかな   古奈

 来世なほ母と子であれ仏桑華   咲久子

 歩まねば安らぎ遠しかたつむり   幸子

 夕菅のひらけば風の生まれけり   照子

 何度でも叱られたくて水鉄砲   廣平

    俳誌 嵯峨野一月号(通巻第570号)より

 

 

 

 

  

 

 


謹賀新年2019

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                         伏見稲荷大社(2018.12.27)

      新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 ブログ「水彩画と俳句の世界」は65歳からはじめて10年間つづけることができました。思いがけなくも長くつづいていますが、多くの皆様の励ましがあって、続けられてきたような気がします。今後ともくじけずに80歳のブロガーを目指して挑戦を続けます。

  継続は力なりけり餅を焼く   惟之

  

 

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洋酒ボトルと花器

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              初描きの作品(草津町つくりセンター)

 湖水会の初描きは洋酒ボトルとガラス花瓶が画材となりました。洋酒は高級なスコッチ・ブランデー・ウオッカなど未開封のボトル。花瓶は様々な形のガラス製。余り描きなれない画材で、個性あふれる作品が並びました。提供いただいた三浦さんに感謝。

   描き初め洋酒ボトルはナポレオン   惟之

   三原色これが基本と初絵描く人

   春十日晴れて源二の慰労会   

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖岸の初景色

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            タグボートの向こうは大津港マリーナ  

 新春の書道展会場の大津市歴史博物館へ湖岸をサイクリング。初春の景色にジョギング、散歩、凧揚げなどの人達やゆりかもめ、鴨、かいつぶり、群鳩との出会いがありました。

    群立の帆柱そめる初明かり    惟之

    比良望む水上消防出初式

    素潜りの名人なりしかいつぶり

    次々に飛び来て並ぶゆりかもめ

    群鳩の仲睦まじき日向ぼこ

    逆光の冬日波打つ湖岸かな

    タグボート新装なりし三日かな                 

  

 

次々に飛び来るゆりかもめ      

膳所公園東の舟溜り

鳩の群れ

鴨の群れと比叡・比良の山並み

大津市水上警察署

消防艇

大津港

新装されたビアンカ

大津港マリーナ

 観音寺近くの琵琶湖疎水の入江

 

 

 

             

二月の詩(阿闍梨)

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                                      プラムとパン 8号 水彩

   阿 闍 梨

 鬼灯の笑福門や深大寺    惟之

 秋日和阿闍梨と歩む比叡山

 萩散りて蒔絵の彩を重ねをり

 秋の田を無残に覆う土砂崩れ

 廃寺の心礎に窪み十三夜

   誌上句会 兼題「綿虫」

 特選 

 軒先に舞ふ大綿や山日和  敏子

 綿虫の綿透く空の青さかな  梟子

 山国の暮色急なり大綿とぶ  篤子

 富士見えて綿虫どこまで付いて来る  洋子

 綿虫の群れを突き切り摩周湖へ  章代

 秀作

 綿虫の漂ふ渓の道長し  近子

 綿虫や備前の山の皆ましろ  紀久子

 綿虫や忍者隠れも杉木立  奈緒世

 綿虫や山の分校灯の入りて  洋子

 綿虫の光となつて舞ふ日暮れ  佳子

 綿虫や旅路の果ても風まかせ  泰行

 儚きや我と綿虫似てゐたり  捨弘

 綿虫や舟へと急ぐ遊歩道  加代子

 綿虫や晶子の歌碑は川向かふ  ひさ子

 葬列の後先になり雪蛍  まこと

 綿虫や修行大師の錫杖に  恵子

 綿虫やつかみどころのなき話  博女

 綿虫や村の真中の駐在所  睦美

 綿虫や野地蔵につこり座し給ふ  美枝

 綿虫のふはり降り立つ無人駅  万智子

 廃校の窓辺に集ふ雪蛍  須美子

 綿虫の飛ぶさま我の歩くさま  敦子

 綿虫や千姫眠る伝通院  基雲

 綿虫や心重たき日にありて  懋

 綿虫を払ひ今夜のレシピ決め  秀子

 

 

源内峠製鉄遺跡

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          源内峠製鉄遺跡の復元の4号炉と1号炉(大津市瀬田南大菅町)

 大津市瀬田丘陵の中央付近にある源内峠製鉄遺跡に行ってきました。身近な瀬田丘陵にこのような大津宮からの国家的な製鉄遺跡があったことに驚きました。40年ほどまえ地元の小学生が見つけた鉄滓石が遺跡の発見につながったようです。

源内峠製鉄遺跡は出土土器の年代から大津宮の造営や続く藤原京、平城京の造営と密接な関係があるといわれています。瀬田丘陵の近くには鉄鉱石の鉱床があり、製鉄に不可欠な燃料となる森林資源も豊富。また、瀬田川を使った水運により、たやすく製品を運ぶことができました。製鉄炉の周辺で5tを超える鉄滓が確認され、この地域で国家的な規模の鉄生産が行われていました。

   石居橋ー芝原町ー波穂神社ー源内峠ー製鉄遺跡ー源内峠ー波穂神社ー石居橋

  春浅き製鉄遺跡の鉄滓

 

石居橋から大戸川の上流と湖南アルプスを望む

竹林を芝原町へ

 上田上芝原町の家並み

波穂神社まえ

神社近くに駐輪

 

 獣道をゆく

 

 

 源内道案内 瀬田丘陵の中では残された数少ない歴史的遺産の一つで、源内峠は信楽と大津、京都を結ぶ唯一の重要な道路でした。飛鳥、平安初期まで、この源内峠付近で製鉄遺跡があり、平成17年に国の史跡指定となりました。

1号製鉄炉の復元炉

 燃え上がる炉内と流出滓(手前)

 鉱山房小屋

 小屋に展示された製鉄炉の復元作業の写真

  復元写真2

 波穂神社拝殿

 大戸川と湖南アルプス

 

 

 

 

 

 

 

 

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