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Channel: 水彩画と俳句の世界
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梅宮大社の紫陽花

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       梅宮大社の庭園(京都市右京区梅津)2017.7.1

紫陽花を期待して梅宮大社にいってきました。酒の神、安産の神として、そして近世では産土神と信仰を集める。本殿には嵯峨天皇、仁明天皇、壇林皇后など4座が祀らています。炎天下の回遊式庭園は錦鯉が群れていましたが、紫陽花は花時を終えていました。満開を思い浮かべながら、パチリパチリ。帰りは祇園囃子の賑やかな寺町通りのギャラリーに寄ってきました。

 額の花病に隠るることなかれ  石田波郷

 人生に前篇後編額の花     和田吾朗

 額の花下山の靴の紐締むる   金田野歩女

 あぢさゐや愛していると立ちし人  惟之 

 

桂川のほとり。右は愛宕山、左は嵐山、真ん中は小倉山。梅宮大社へはJR嵯峨嵐山駅より1時間かかって歩きました。

コンコンチキチンコンチキチン祇園囃子がはじまった寺町通りの商店街

 

 

 

 

 

 

   


大溝城跡と乙女ヶ池、太鼓橋を巡る

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  大溝城本丸跡の石垣(滋賀県高島市) 8F

 近江高島の乙女ヶ池、大溝城跡を訪れました。乙女ヶ池は万葉の時代から「香取の海」として大溝城の外濠として利用され、幾多の歴史を秘めた場所です。現在は昔のびわ湖の湖岸風景を残す風光明媚な内湖。大溝城は明智光秀の設計により築城された城。初代城主は信長の甥・信澄は高島の開発・発展に尽くし、織田軍の遊軍として活躍。光秀の娘を妻としていた信澄は本能寺の変の嫌疑を掛けられ自害。その後、次々と城主は交代したが、その一人が浅井三姉妹の次女を正妻とした京極高次であった。

 乙女ヶ池の太鼓橋からのスッケチは時おりの牛蛙の鳴く声を聞きながら、山裾を走る湖西線の列車音を耳にして描きました。その後、大溝城跡へ移動して、苔生すの石垣を戦国時代へ思いを抱きながら描きました。

 牛蛙太鼓橋をも震わせる   惟之

 万緑の山裾走る列車かな

 万緑へ五つ繋がる太鼓橋

 万緑に見えつ隠れつ番鳥

 炎天に心臓ぱくぱく筆おきぬ 

 釣人の案山子のごとく動かざる

 農小屋のトタンの屋根や柿若葉

 水城の跡の石垣苔の花 

  乙女ヶ池の太鼓橋より1 2F

 乙女ヶ池の太鼓橋より2 2F

 乙女ヶ池の太鼓橋より3  2F

 青田と三尾山。この山裾は壬申の乱の戦場となった場所といわれている。

 農小屋、柿若葉と茄子と古井戸のある乙女が池の畔をゆく。

乙女ヶ池の池畔 

 釣人と太鼓場の見える乙女ヶ池。釣人はまるで案山子のようだ。

 どこで描こうかとうろうろ。もう描いている仲間もいた。

 炎天下、ここでスケッチ。抜群の景色。右の山麓はリトル比良。右奥は蛇谷ヶ岳。

 頂に鉄塔の見える三尾山と太鼓橋。牛蛙の鳴き声が時をり響く。

 湖西線の電車が山裾の緑陰を走る

緑陰の山影映す池面かな

 

 遠くに魞の見える池畔

大溝城跡の石垣

 大溝城跡の碑

 近江高島駅構内で作品の講評風景

 

 

八月の詩(下萌)

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 金勝アルプス天狗岩山頂より(2017.7.24)

       下萌

 笑ふ児の歯はうすうすと下萌ゆる   惟之

 橋下に数多隠れし燕の巣

 サーチライト照らし舟ゆく花の下

 山越えの桜蕊ふる通学路

 幼子の諸手に溢る花の屑

      誌上句会 兼題「螢」

 父母や飯盛山の夕蛍    惟之

 束の間の命の乱舞蛍の夜  洋子

 かりそめにこの世に生まれて螢かな 秀子

 せせらぎの涼しき宿や螢飛ぶ    テル

 荒物店むかし懐かし螢かご     幸子

 ほうたるを蚊帳に放ちし幼き日   捨弘

 湧水の川をよぎりし初螢      美枝

     やまびこ(六月号の作品から) 感銘・共鳴ー私の好きな一句)

 しばらくは春の海見て空を見て   志津

 多羅葉にようこそ古希をと春便り  啓子

 足袋を履く背骨一本軋ませて    素岳

 土筆出てみな仲良しに過ごしをり  志津

 春立つと聞きて伸びたる背筋かな  玲子

 春耕の眠りし土の鼓動かな     きぬ

 庭のもの眺めて春と思ひをり    海尾

 春の雨丹波木綿にある重み     洋子

 凍星の剥がれて沖の漁火に     ひさ子

 明日はまた明日を頼りに冬籠    隆を

 励まして励まされつつ春を待つ   トモ

 一村の鬼打ち揃ふ追儺寺      正弘

 虎杖を折ればパ行の音したる    節

 花屋の荷解かれ息吹く猫柳     一宇

 ポストまで少し歩いて少し春    喜美恵

    俳誌 嵯峨野 八月号(通巻553号より)

 

  

 

 

 

 

 

 

仮面

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                           仮面 6F

韓国の仮面劇で知られる仮面を描きました。写生会では、ほかに人形、野菜がモチーフとして準備されましたが、木彫りの仮面を選びました。この仮面は眉が黒くて、太く、鼻が大きいのが特徴。正面か斜めか迷いましたが、真正面としました。仕上げのバックの色は黄色を基調としてみました。写生時間は13:30-15:30の2時間。

  濃く太き眉の仮面や晩夏光   惟之

  お宝の笑ふお面や晩夏光

  新聞紙広げ描かる夏野菜

 作品の講評風景

  人形3点、野菜1点の作品

 仮面 8F  K.Yamazaki

  仮面 8F  F.Nagai

  仮面  G.Mathida

  仮面 6F  N.Hoki

竹生島クルーズ

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 西国33カ所30番の宝厳寺弁天堂(長浜市早崎町・竹生島)

北びわ湖に浮かぶパワースポット、神秘の島と云われる竹生島に里帰りの子らと行ってきました。竹生島へは長浜港から定期便の高速艇で30分ばかり。宝厳寺本本堂までは165段の石段をのぼり、60分ばかりの霊場めぐりはかわらけ投げなど楽しいひと時でした。帰りには、久しぶりに北国街道、黒壁ガラス館や大通寺商店街を巡りました。

   かわらけを湖へと投げて秋に入る   惟之

  幟立つ弁財天や秋立つ日

  児を背負ひ石段降りる秋立つ日

  路地裏の鯖素麺に人の列

  文月や瑠璃に輝くガラスペン

  盂蘭盆の雲に隠れし伊吹山かな

  雲かかる伊吹山を眺め長浜港を出航(10:15)

 竹生島の島影が見える。島の西側(左)は琵琶湖最深部104m。北側の対岸には湖底遺跡がある。

  

 瑠璃の島影割っていよいよ入港 

 竹生島桟橋より見上げる境内

 急な石段を登ること165段

 まずは清水で手を洗う

 五色の仏旗はためく本堂へ。里帰りの児を連れた参拝者が多い。

参拝者あふれる宝厳寺本堂。こちらの弁財天は厳島神社、江島神社と並んで日本三大弁天のひとつ。

  豊臣秀吉の御座船「日本丸」の船櫓を利用して建てたと云われる舟廊下

都久夫須麻神社(竹生島神社)本殿(国宝)

八代竜王拝所

  龍神拝所から鳥居へ願いを書いた土器(かわらけ)投げ

 拝所に祀られた弁財天 

拝所に祀られた龍神 両脇に「阿吽の龍」

 弁財天の朱いのぼりの揺れる石段を下る

 

 竹生島港を見下ろす

 北陸街道を遊歩

 長浜曳山祭りのこども歌舞伎の大看板のある大通寺商店街 

 お疲れ様でした

 

  

 

九月の詩(錦鯉)

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  百日草   10号(水彩)  中村修三 

     錦鯉

 手を繫ぎ渡る渓流夏に入る   惟之

 錦鯉跳ねる近江の商家町

 片蔭や船板塀の釘の跡

 飛び跳ねて魚道をのぼる小鮎かな

 聖五月美女と野獣を見る二人

     誌上句会 兼題「風鈴」

 懐かしきほおづき市の風鈴音  惟之

 風鈴に眠りの国へ誘はるる   洋子

 遠き日や表を通る風鈴屋    初枝

 天秤の売り込む声の風鈴屋   幸子

 風鈴の舌の気ままや風まかせ  秀子

 風鈴や坊やすやすや夢の中   テル

 風鈴の時時鳴れば耳に優し   捨弘

     やまびこ(7月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

 沈丁花小さき石は猫の墓    きみ

 ふれあひてひがなおしゃべりこごめばな  篤子

 春風を乗せて母子の縄電車   永治

 おふくろの彼岸のおはぎ忘れえず   龍策

 のどけきやいまさら気張ることもなく   恵弘

 柳芽に地球の軽さ計りをり   東音

 遠く住むも詫びの一つや彼岸寺   東音

 真筆の美しき行間利休の忌   爽見

 百畳の千のひひなの吐息かな  ひさ子

 道端の子猫を囲むランドセル  久子

 芹採りの水の匂を持ち帰る   隆を

 桃の日や妣思ふとき子に帰る  方城

 三萬日生きてお濠の朝桜    珠子

 犬ふぐり言葉飾らぬ子の話   繁子

 病む人を笑はせに行く春日和  芳子

 水に浮く河馬の目ふたつ花筏  幸江

 紅椿落ちてくれなゐなほ深し  敏子

  俳誌 嵯峨野(通巻第554号)より

 

 

 

 

 

 

 

 

夏の思い出

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  桟橋からミシガンを見送る

 夏休みに東京から子らが里帰り。魚とりや山のぼりをしたり、初めてミシガンにのりました。また、琵琶湖博物館では、ザリガニになったり、木こりなどをして楽しく過ごしました。

 清流に鮴(こり)を放して清々し  惟之

 手の平に青蛙ゐて稚の笑顔

 陶観音ならぶ山路やつくつくし

 夏山のおにぎり旨し鮭と梅

 山裾の彩とりどりのダリヤかな

 船長の白帽被る夏休み

 ミシガンの舵とりしたよ夏の昼 

 桟橋に蜻蛉群れ飛びミシガン往く

 ザリガニとなりて遊んだ博物館

 誕生日の母を描きし夏休み

 ひまわりの稚の初立ちの笑顔かな

 ひまわりや頬一杯のごはんつぶ

 ウルトラマンとポーズを決めて夏おわる

 つぎつぎに子ら来て帰る日日花

  田上キャンプ場にて

  手の平の青蛙

   悪路の登り道(立木観音参道)

 陶観音が迎えてくれし三合目

 赤い茸が岩肌ににょきり

 目標の立木山7合目のからヤッポーと叫ぶ 

  蝉時雨の参道を下る

 ダリやが色とりどりに咲いていました

  初めてのミシガン

 デッキにて

  船長の白帽被り 舵にぎる

  船上から湖岸のヨット係留をみる

 ポーズを決めてミシガンとさよなら

 行列についてウルトラマンと格好きめたよ 

 琵琶湖博物館にいったよ

 ザリガニになって鋏をチョキチョキ

 バイカルアザラシおおきかったよ

 ザリガニにさわったよ

 化石探し上手にできました

  プランクトン見てきました

  木こり体験をしました

 パンダの和菓子つくりしました(すないの里)

  イヤリングしているママをアッという間に描きました

 

 

 

棄てられた錨と桟橋

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   棄てられた錨と桟橋

 2016年10月、沖島に写生会に来てスケッチのままの未完成作品をやっと彩色しました。「あの水平線のように沖島の人はみんな平等だよ。こちら来たら湖水を描かないと」古老に云われたのが、いつも頭の隅に残っていました。この絵の水平線の一番高い山は津田山、その右側は長命寺山。近江富士の北にあるこの連山は私のお気に入りです。2016年10月掲載の「日本遺産の沖島めぐり」参照

 さよならを子と交した島の秋   惟之

 桟橋は猫の居場所や秋の午后

 棄てられたい錨に挿しぬ秋日差

 

 

 


十月の詩(ひつじ草)

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          万葉の里を彩る柿たわわ  高嶋市    

      ひつじ草

   薫風や被災地めぐる図書のバス  惟之

   参拝は素足が決りかくれ里

   島影に行き交ふヨット碧き湖

   水上のお菓子のやふなひつじ草

   じゃがたらの花の風呼ぶ大地かな

     誌上句会  兼題「新涼」

   新涼や比良山中の杉襖      惟之

   トパーズの色に明け初め涼新た  洋子

   新涼や抱かれし嬰のよく笑ひ   初枝

   涼新た遙かに望む近江富士    美枝

   新涼や旅の心の二つ三つ     テル

   新涼や草なびかせて列車過ぐ   秀子

   新涼やエイトビートに足揺する  睦美

     やまびこ(八月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

   紫を尽くしてあやめ雨を待つ   洋子

   船頭はをとこまさりや葦若葉   素岳

   一人来て子と見し花と思ひけり  洋子

   春田打つ我に日時計腹時計    素岳

   家族して押す車椅子花の昼    あや子

   黒板にエール満載卒業す     隆を

   ふと思ふことありて買ふ桜餅   近子

   囀りの中のどれかが青い鳥    芳子

   長閑しや山奥に姉一人住む    すみれ

   山越えの桜蕊ふる通学路     惟之

   子規庵のがらり戸軋む菜種梅雨  洋子

   柿若葉夫婦に小さき祝賀会      中畑

   笑う児の歯はうすうすと下萌ゆる 惟之

   骨董市ひやかしてゆく黄蝶かな  そよ女

   八方の風まとまりて花筏     睦美

      俳誌 嵯峨野 十月号(通巻555号)より

   

   

賤ヶ岳の見えるの酒蔵(木之本)

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 賤ヶ岳の見える酒蔵 F6  

「木之本のお地蔵さん」で名高い、木之本地蔵院の門前町の木之本にゆきました。北陸街道沿いに酒造りの老舗「富田酒造」と「山路酒造」があります。この「賤ヶ岳の見える酒蔵」は北近江の地酒「七本槍」の蔵元、富田酒造です。1583年(天正11)の賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉が柴田勝家を破る以前からつづく、470有余年の老舗。白壁のつづく酒蔵の背後に賤ヶ岳の見える構図です。木之本のまちあるきを合わせてご紹介します。「木之本まちあるきMAP」参照 

 木之本のコバルトブルー秋の空    惟之

 地蔵尊見守る町や秋桜

 秋日和杉玉の影動きをり

 古戦場の山頂ふはり秋の雲

 桑酒の徳利に魅入られ秋みやげ

 陶かえる片目瞑りて秋愁ふ

 陶蛙の絵馬のカラカラ秋の風

 酒蔵の白壁長き秋の影

 人気なき札の辻なる秋の昼

 秋日和赤きポストの影のびる

 古の牛馬市や馬肥ゆる   

七本槍の看板のある富田酒造

  杉玉のぶら下がる老舗「山路酒造」 

山路酒造は480年余りの桑酒・清酒の蔵元です。ここに座ってOさんと描いたが、逆光のこの構図はスッケチはできても色付けがむづかしく未完のまま。 

 街道沿いの郵便ポストと郵便車 

 富田八郎家と大きな杉玉と車輪の背のある長椅子。

 木之本地蔵院本堂と蛙の絵馬。木之本地蔵院は日本三大地蔵の一つ。賤ヶ岳の合戦では秀吉の本陣が置かれたといわれる。

 地蔵院本堂前の陶蛙。蛙のお腹に願いを書いて地蔵尊にお供え。

 本殿まえにつまれた寄進瓦。家内安全、無病息災、心願成就、延命長寿、眼御守護など。

 竹内五左衛門家と本陣薬局。浅田飴、ばいどく(梅毒)など古い薬看板がぶらさがっている。

 竹内薬館の重厚な登録商標「百毒下し」。

馬宿平四朗の家。山之内一豊の名馬ゆかりの家。

地蔵院まえの札の辻跡。「札の辻」は藩の禁止または公示事項を知らせるために目抜きに立てた制令という立札を立てた場所と云われる。

木之本牛馬市跡。室町時代から昭和の初めまで毎年2回牛馬のせり市が開かれた。

元床屋 上阪五郎右衛門家。江戸末期弘化四年の建築 二階を低くした典型的な役人家屋

江北図書館。明治39年設立、滋賀県下でもっとも古い。中に入るとなつかいレトロな感じ。

 

賤ヶ岳の山並が見える踏切。 

 JR木之本駅

 木之本地蔵院まえのスナップ

 お土産やに並んだ地酒の七本槍。でっち羊羹や水飴も木之本のお土産。

 にぎやかに写生会の講評会

 

第12回青いアトリエ水彩画展のご案内

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 第12回青いアトリエ水彩画展を下記のとおり開催いたします。

ご高覧いただきますようご案内申し上げます。

  日時:平成29年11月7日(火)~11月11日(土)

     AM10:00~PM16:00

  場所:大津市生涯学習センター1階ギャラリー

     大津市本丸町6番50号 TEL 077-527-0025

     京阪電車石坂線 膳所本町下車 湖岸方面へ徒歩数分

笠置山ハイキング

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  笠置山から笠置の町並みと木津川流域、右上は鈴鹿山系、伊賀上野方面を望む 

 美しい笠置の町並みと木津川の流れが一望できる笠置山(288m)は、京都府立自然公園に指定されています。春は桜、秋は紅葉などさまざまな風景が楽しめます。笠置山にある笠置寺は、国内最大の磨崖仏などの巨石奇岩があり、見どころが豊富。1300年まえ、笠置山全体が修験行場として栄え、その後、宗教の山、信仰の山として全盛と極めたといわれています。まだ紅葉には早かったですが、後醍醐天皇が行在所を置いた史跡にも立寄ってきました。

 石山(9:07)ー京都ー木津ー加茂ー笠置(10:49)ー笠置山ー笠置(15:28)-加茂ー木津ー京都ー石山(17:07)

 秋の空また乗り換えて一両車   惟之

 柳生への小道に群れる曼珠沙華

 山門の葉陰に朱き水引草

 竹の杖かりて登りぬ秋の山

 丁石の読めぬ一字や秋陰り

 秋天へ弥勒ぼとけの大磨崖

 ゆるぎ石少し動きて落葉ふる 

 行在所の真中の大石こけの花

 木津川の流れゆるやか初紅葉

 木津川の水面のひかり秋の駅

JR木津駅で関西線に乗換え

JR加茂駅で一両車に乗換えてJR笠置駅へ

JR笠置駅を下りて笠置山へ

 

出会いの奈良街道から旧登山道へ 

余り踏まれていない登山道(東海道自然道)

 

三丁石 頭の一字は「笠へ」と読めそうだがーーー

柳生街道から笠置山古道へ

笠置寺山門に到着 

修行場入口で水引草を見つける 

笠置寺の本尊弥勒像菩薩。度重なる火災で表面が焼け崩れている   

特殊カメラの技術で残った線から彫刻線をさがし1300年前の弥勒菩薩を見つける

 

本尊弥勒磨崖仏は高さは五十尺(16.5m)あり、国内最古、最大といわれている

正月堂まえから虚空像菩薩への道、大岩石に圧倒され、人は蟻の様にみえる

大岩石がつづく 

虚空蔵菩薩を見上げる。弘法大師が一夜にして彫り上げたといわれる

少し角度をかえて拡大した虚空像菩薩、左下に刻線が見える

先年、拓本にこの8m×10mの大掛軸を作製したと記されている

先手屈

 胎内くぐり

笠置山修験道の入口にある胎内くぐり

笠置山には滝がなかったことから、この胎内くぐりをとおり、身を清めたといわれる。

 ゆるぎ石。元弘の変のおり、攻めあがる鎌倉幕府軍にこの石を落して戦うために倒討幕側(後醍醐天皇側)が準備したといわれる大石。押し込むと動きました。

平等石の間を何とか抜ける

蟻の戸わたり

蟻の戸わたりからの見た北方面の景色

紅葉には早いが、林間の木洩れ日がきれい

行在所への石段

後醍醐天皇行在所跡。元弘の変で敗れた天皇は隠岐の流刑(1332年)となるも

1333年、鎌倉幕府は崩壊し、復帰。1339年没。墓は奈良、吉野町にある塔尾陵。

後醍醐天皇の歌碑 「うかりける身を秋風にさそわれて おもわぬ山の紅葉をぞ見る」。「うかりける身」とは、どのような身辺だったのだろうか。 

 笠置駅への道路脇に「笠置寺絵縁起」が描かれている。

「笠置寺絵縁起」の部分 

元弘の変(1331年~1333年)の一幕を語る人形(JR笠置駅付近にて)

 

笠置駅ホームから木津川を見る

JR笠置駅からJR加茂駅への一両車にて

一枚の記念写真、蟻の門渡りにて

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

十一月の詩(蝉しぐれ)

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           乙女が池の太鼓橋(高島市勝野)

      蝉しぐれ

 近江富士見上げて匂ふ椎の花   惟之

 池底に影と動きし井守の掌

 万緑に見えつ隠れつ番鳥

 あの山とこの山競ふ蝉しぐれ

 木から木へ蝉飛び交うて子らの声

     誌上句会 兼題「草の花」

 微笑みの童地蔵や草の花     惟之

 草の花遙かに地平を風渡る    洋子

 行き帰る路傍の割れ目草の花   秀子

 草の花歩き出す影やはらかく   美枝

 踏まれてもまた立ち直り草の花  初枝

 草花の宝庫となりし河川かな   捨弘

 引き抜いてもまた草生える草の花 テル

     やまびこ(九月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句)

 百僧の居て音もなし風薫る    恵弘

 夏帽子リボン違えて姉妹     敏子

 葉桜や予防注射になく子犬    満子

 薔薇園の少年となる白昼夢    龍策

 鯉幟小さな村のひとところ    志津

 山つつじ数え始めて止めにけり  紫魚

 そのことは忘れてゐたし更衣   勝彦

 豌豆の剝き実こぼしぬ案じごと  素岳

 嘘はうそ殻の透けたる蝸牛    素岳

 解く紐の長さ楽しむ笹ちまき   ひさ子

 ひとり湯の落してよりの蟇    みどり

 母の日の花束溢る墓前かな    久江

 昭和の日母の気品を懐かしむ   君代

 それぞれの小屋に山羊の名若葉風 弘子

 茶摘みしてかわいい笑みの八十路かな 孝子

 高原の風の一戸の鯉のぼり    盛美

 敷石の定家の塚に青時雨     洋子

 夕暮れの海を見に行く夏帽子   近子

 母の日や一つピアノに姉いもと  憲勝

 父逝くや里の田植えの終はるころ 照子

 父還る五月の空のその奥へ    照子

    俳誌 嵯峨野十一月号(通巻第556号)より   

 

第12回青いアトリエ水彩画展おえる

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  紫陽花のころ(英国庭園)8F 太田厚子

2017年度の第12回青いアトリエ水彩画展を盛況理におえることができました。期間中は天候にもめぐまれ多くの方々にご覧いただきました。いただきましたご助言や励ましのお言葉を今後の糧に制作を励んでゆきたいと思います。ありがとうございました。出展30点の一部をお示ししてお礼にかえさせていただきます。

 秋の港余白に近江富士のあり  惟之

 杉玉の影おほきかり秋日和

 梓川朝霧ほのか樺の花

 玉ねぎの軒にあふるる命かな

 苔の花歴史を重ね400年

 堅田港の午後 8F 太田厚子

 近江商人屋敷 8F 太田厚子

 神木(仰木・小椋神社)8F 太田厚子

 北陸街道の老舗(木之本)8F 長井房枝

 キッチンの風景 8F 長井房枝

 マリーナの片隅 8F 長井房枝

 土偶(レプリカ) 8F 長井房枝

 清い流れ 8F 中村忠治

 陽射し(長野県) 6F 中村忠治

  朝霧(長野県)8F 中村忠治

 かずら橋(福井県) 6F 中村忠治

 たまねぎ 6F 大蔵美耶子

 伊庭内湖(能登川)6F 大蔵美耶子

 どくだみ 6F 大蔵美耶子

 ブルーメの丘 6F 大蔵美耶子

 賤ヶ岳の見える酒蔵 6F 伯耆惟之

 タグボート 8F 伯耆惟之

 大溝城跡の石垣(高島) 8F 伯耆惟之

  棄てられた錨 6F 伯耆惟之

 

バッタが原の大銀杏

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 バッタが原の大銀杏(京都御苑) 6F 

 11月16日(木)湖水会で京都御苑へ写生会に行きました。寒い日でしたが、7名参加。九条池、建春門、大銀杏、紅葉の立木、清水谷家の椋などそれぞれで描きました。余りの寒さで予定を一時間切り上げました。御苑には何本かの大銀杏がありますが、大宮御所を背景にしたこの大銀杏を描きました。

 散り初めるバッタが原の大銀杏  惟之

 赤帽の子等の声聞く紅葉狩

 コップ酒で気合を入れて紅葉描く

 大天狗見上げてをりぬ黄葉の樹

 写生場所の大銀杏。まだ、みどりが多く、銀杏の葉がすこし散り初めてっている。偶然に大銀杏を見上げている二人をモデルにでき、芝目の刈りこみの跡や背景の大宮御所の塀もアクセントになりました。建春門の東側のこの苑は「バッタが原」と名づけられている。この大銀杏、天狗が大空を見上げているようにも思った。

九条池。写生まえにコップのウイスキーで談笑していた男性グループがいました。ここも写生ポイント

蛤御門を遠くに見ての清水谷家に大椋。

きれいに散り敷かれ紅葉葉。園児らの元気な声がわたる 

 静岡から来られたカメラマンに教えられ、この大銀杏に出合う

大銀杏の傍をゆく人と比べて幹の太さがわかる

余りに寒く、予定を一時間切り上げての講評

了解を得て、パチリと記念写真

おつかれさまでした。

 

 


十二月の詩(牛蛙)

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           南禅寺境内(2017.11.23)

     牛蛙

  太鼓橋を響かせている牛蛙  惟之

  清流に鮴のはしこし掴み捕り

  水遣りに飛び込んで来し宵の蟇

  山頂や仲間五人と西瓜割り

  文月や瑠璃にかがようガラスペン

    誌上句会 兼題「鳥兜」

  赤丸で囲ふ検査や鳥兜   三枝子

  奥宮の暗がりのぼる鳥兜  惟之

  県境の標に絡む鳥兜    洋子

  大寺の裏参道や鳥兜    美枝

  薮中にともしび一つ鳥兜  秀子

  若き日の思い出の山鳥兜  テル

  蔓ひげば朱き顔出す鳥兜  初枝

  鳥兜神樹をよぎる風強し  近子

  蔓引けば同胞のやう鳥兜  紀久子

    やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句から

  夫に手を借りて天守へ若葉風  悦子

  上半身巣より溢れて燕の子   志津

  戸惑いもなく牡丹のくずれけり  鈴枝

  わだかまり箸すりぬけてところてん  布美子

  打つ鐘の余韻や峡の田植とき  敦子

  草の葉の天道虫に空広し  志津

  短夜を長し思ひ病み臥しぬ  節子

  沙羅の花雨の雫を珠と抱き  きぬ

  一駅は青葉の中を山手線  勝彦

  価値の解らぬ遺品土用干し  素岳

  眠る児のよごれぬままの祭足袋  布美子 

  いやいやを覚えし稚児ゆすら梅  里子

  梅雨空の己が手を見るチンパンジー  多喜子

  陶かえる仰ぐ目玉に梅雨の月  小鈴

  雨つれて音の暴れれる夜の雷  アイ子

  参拝は素足が決りかくれ里  惟之

     俳誌 嵯峨野 十二月号(通巻第557号)よr

  

  

   

 

第13回湖水会水彩画作品展のご案内

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 第13回湖水会水彩画作品展を下記の通り開催いたします。

 ふるってご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。

  日時:平成29年12月5日(火)~12月9日(土)

     10:00~17:00(最終日は16:00まで)

  場所:大津市生涯学習センター ギャラリー1階

     大津市本丸町6-50 TEL 077-527-0025

     京阪電車 膳所本町下車 湖岸方面へ徒歩数分

 

第13回湖水会水彩画作品終える

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   ちんどん(尾張・一の宮) 6F 高橋 満   第13回湖水会水彩画展は無事に終えることができました。師走の寒い中、 多くの方のご来場をいただきありがとうございました。作品の一部を掲載 させていただきお礼に替えさせていただきます。   ちんどんの目と目が会ふて冬うらら  惟之  朝宮の茶山を走る黄の電車 舟板の釘跡くきり近江蕎麦 散り初めるバッタが原の大銀杏 わが町は鈴鹿の麓花すすき 醤油屋の煙突髙き秋の空 杉玉の影おおきかり冬日和 ねこじゃし川面に映し風さやか 落葉ふる糺すの森の歌枕 木漏れ日を浴びてお参り秋の昼 風雅なる嵯峨野の茶室や風薫る 花器あおく花愛らしく春来る   秋空へ七本槍の幟立つ 錦鯉跳ねては描く古刹かな 

  黄色い電車(信楽町・朝宮)  6F  杉本幸男

  太田厚子  8F  めんめんたなか(五箇荘)

 飛蝗が原の大銀杏(京都御苑) 6F  伯耆惟之

  岳遠望(古賀町・和田)F4 山崎 清

 醤油屋の里(たつの) 6F  飯沼正明

 古い酒蔵(木之本)6F 高橋忠英

 六花の森(北海道)8F 中村忠治

  禊の流れ(下鴨神社 糺すの森) 8F 相根満誼

 昼下りの山道(仰木)・小椋神社) 6F 北川清房

 風趣漂う茶室(京都) F8 寺西千賀子

 朝の静寂(野洲・あやめ漁港)F6 町田源一

 春の訪れ F8 長井房枝 

 湖北の酒屋(木之本町)8F 佐藤 武

 展示風景 2017年12月5日(火)

 

 

 

 

大津宮関連史跡めぐり

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             南尾根金堂跡(大津市滋賀里町甲) 

 2017年12月3日(日)に開催された大津市歴史博物館のれきはく講座の現地見学会「大津宮関連史跡をめぐる」に参加。滋賀里埋蔵文化センターに集った参加者は、なんと約100名。知人のH氏とも偶然に一緒になり、秋晴れの寒い午後、天智天皇によって建立されたと伝わる寺院、崇福寺跡などを訪れました。この夜の月は楕円軌道が地球に近く、大きな満月でした。

京阪滋賀里駅ー滋賀里埋蔵文化財調査センター発(13:30)ー百穴古墳(13:50)-滋賀の大仏(14:00)-南尾根金堂跡(14:20)-崇福寺跡中尾根塔址ー崇福寺跡北尾根弥勒堂跡(15:00)ー南滋賀町廃寺(16:00)ー近江大津宮錦織遺跡(16:45)ー京阪近江神宮前駅(17:00)

   山中の尾根に寺跡冬紅葉   惟之

   塔心の礎石は丸き冬日向

   へそ石の心礎を照らす冬満月

   山越えを見守るほとけ吾亦紅

百穴古墳出会い

百穴古墳群の横穴式石室

山越えの人を見守っている滋賀の大仏

滋賀の大仏と背面を見ている参加者

大仏の側面 

 崇福寺跡南尾根に向かう

 南尾根金堂跡

 南尾根金堂跡(標高約242m)

 崇福寺跡中尾根金堂跡へ

崇福寺跡中尾根塔跡  地下約1.2mに位置する塔心礎に舎利容器が納められていた

北尾根弥勒堂跡へ向かう

北尾根弥勒堂跡

 南滋賀町廃寺へ

 南滋賀町廃寺への西大津バイパスまえの案内板

 南滋賀町廃寺に残る塔心礎 雨水の溜りが空を映す

 崇福寺跡←南滋賀町廃寺→近江神宮

 近江神宮楼門前

 

 

 

一月の詩(通草)

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           下鴨神社参道(糺すの森) 6F 

 

       通草

   松の樹の空に蔓巻く山葡萄   惟之

   雨上り傘を広げし茸かな

   獣道行く手に一つ通草落つ

   朝顔の土手咲きのぼる濃紫

   辻地蔵前垂れ朱き萩の花

     誌上句会 兼題「時雨」

   護摩の焔を煽るる風や初しぐれ  三枝子

   山上に棚引く読経しぐれ雲    惟之

   しぐるるや峡の駅舎の忘れ傘   洋子

   暮れて行く時雨の中の浮御堂   静風

   庭石の何時しかぬれて時雨あと  美枝

   時雨来て夕日に光る田舎径    秀子

   山門に宿れば時雨遠ざかる    初枝

   ポストまで車押し押し時雨けり  テル

   時雨るるを合図に下る高尾山   啓子

   初時雨美山に残る赤ポスト    憲勝

   しぐるるやホームに入居決めし友 近子

   夕時雨古刹の鐘の鳴り出して   東音

   暁のしぐるる音や右の耳     睦実

   山の峰越ゆる黒雲夕時雨     直子

   しぐぐるや下校の児童駆け出して 紀久子

     やまびこ(十一月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句    黙し会ふことも労り白扇     鈴枝      雲の峰スマホより顏上げてみよ  洋子      渡り終へ大暑の橋を振り返る   久子    余白なき吾子の短冊星祭     篤子      目高の子水の色して産まれけり  紀久子    背の児の脚で喜ぶ大花火     芳子    手花火の終の一滴尽きし闇    豊子    こんがりとトースト跳ねて梅雨明ける  美枝     一人づつ家族の減って冷奴    優江    ハンカチをたたみ法話へ正座せり   勝彦    放たれしほむらの如く梅雨夕焼  清次    梅雨出水山河慟哭して止まず   洋子    山翡翠の高笑ひして谿真昼    耕    蜜柑咲く丘に斜めの海の風    睦実    遅刻した子の提げて来る蜥蜴かな 方城      俳誌 嵯峨野 一月号(通巻第558号)より    
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