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凧あげ F2 水彩
京都植物園
赤赤と浮気心のダリヤ咲く 惟之
秋桜相合傘となりにけり
すゑこざさ確と見届け秋時雨
秋高し子ら駆け回る大芝生
小鳥来る絵本のやうな水車小屋
誌上句会 兼題「初氷」
特選
谺して山の深しや初氷 三枝子
あけやらぬ光のかけら初氷 利里子
罅割れの如フロントに初氷 稔
雀らの会話弾けん初氷 泰山
句会への脇道一歩初氷 東音
秀逸
初氷湖北の家並み静かなり 静風
初氷未完のままの放射状 珠子
登校の子らの大声初氷 幹雄
初氷そつと引き上ぐ厚さかな 秀子
足跡の器量の悪さ初氷 悦子
初氷小さき社の潦 文夫
初氷ひそと生まれし ふみ女
登校児つぎつぎと踏む初氷 美代子
入選
ふみ行けば足跡残る初氷 博女
ふむ数を競ふ子等かな初氷 謙治
刈跡に遊ぶ雀や初氷 洋子
靴先で突きたくなる初氷 まこと
日が昇り触れたくなりぬ初氷 惟之
初氷朝の光を跨ぎゆく 康平
手水鉢の柄杓で割るや初氷 敏子
水甕の柄杓丸ごと初氷 藤子
初氷光すべらせ一滴 秀輔
花片を確と抱きて初氷 翠
道の辺に仔犬と遊ぶ初氷 洋子
名園の疎水に光る初氷 紀久子
景新た田んぼに光る初氷 博光
辻地蔵祀る路地裏初氷 鈴子
蹲の朝日を返す初氷 信義
函館に住めば都よ初氷 みどり
やまびこ(十二月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句
唐詩選閉づ夕顔のひらくころ 勝彦
お休みと言ふ人のゐぬ虫の夜 海男
盆の月母を遠くに住まわせて 洋子
𠮟責の刺さる胸抱き髪洗ふ 勢津子
残さずに飲み干す水や終戦日 久子
存へてことに親しき草の花 憲勝
八月やパリは燃えてゐるかを聴く 富治
終活の文字を身近に夏の果 安恵
城跡へ探しに行くや秋の声 敏子
夜干し梅星の雫を宿し居り 咲久子
蓑虫を揺らして風の子守り唄 康平
暮れ残る木曽路に白き蕎麦の花 克彦
迫り来る雨後の山並み法師蝉 玉恵
俳誌嵯峨野 二月号(通巻643号)より