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Channel: 水彩画と俳句の世界
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三月の詩(雪吊り)

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            家島のクレーン 50号 水彩

     雪吊

広がりし被爆の記憶天高し  惟之

伏見へと上るバス旅新酒汲む

骨壺へ納める寒さ喉仏

動けない冬の揚羽を助けし子

早早に雪吊はじむ妻の里

  誌上句会 兼題「山眠る」

特選

石段に足跡残し山眠る  博女

生も死も一つに束ね山眠る  悦子

アルパカの長き睫毛や山眠る  光央

合戦地大山崎の山眠る  鈴子

秀逸

説法の上方訛り山眠る  幹雄

山眠る安曇野なかを大糸線  秀穂

山眠るママのお話ごんきつね  ふみ女

熊出没の札残し山眠る  洋子

伝説を蔵せる淵の山眠る  博光

杉桧父祖の植ゑたる山眠る  安恵

鳴喉まだ残る眠りの能登の山  謙治

曲屋の軒に薪積み山眠る  洋子

稜線に風車の並ぶ山眠る  靖子

入選

昨日今日平穏無事と山眠る  正道

殺生石日のさんさんと山眠る  珠子

山眠る薪とる人を拒まずに  まこと

夫逝けば妻も七日後山眠る  惟之

種種に日差しの渡り山眠る  啓子

山眠る亡父の机の整ひし  利里子

林床に差し込むひかり山眠る  三郎

里奥の川のせせらぎ山眠る  信義

大声のお国訛りや山眠る  歌蓮

削られて削られて山眠りをり  三枝子

山眠る君は写経の衣着て  康平

山眠る風につれゆく修行僧  静風

定かなる獣道あり山眠る  稔

借景の山悠然と眠りけり  泰山

稜線の間近し父祖の山眠る  藤子

厳かに山眠りをり風の音  秀子

山眠る寺の鐘の音殷殷と  紀久子

城跡の茶店閉店山眠る  敏子

日当りて翳りて山の眠りけり  美代子

    やまびこ(一月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

余るほど秋の日受くる棚田かな  美幸

星空の里へ降り立つ賢治の忌  東音

杖持てど歩ける幸や秋日和  千恵子

母逝けり歩いてをれば曼殊沙華  洋子

何見ても母とつながる里の秋  洋子

新涼や藍の色濃き豆絞り  研二

夕風のはらり紐解く萩の花  惟之

秋茜おもひおもひの風に乗る  ふみ女

  俳誌嵯峨野 三月号(通巻644号)より

 

 

 


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