Quantcast
Channel: 水彩画と俳句の世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 435

十月の詩(さくらんぼ)

$
0
0

 

              北山田漁港(草津市) 8号         

  さくらんぼ

七年の歳月実りさくらんぼ  惟之

朝日差す葉裏に百顆さくらんぼ

妻に摘む朝の一盛さくらんぼ

さくらんぼ掌に摘みお裾分け

ネット越し小鳥も突くよさくらんぼ

    誌上句会 兼題「星月夜」

特選

カルザスのチェロの響きや星月夜  惟之

鯉跳ねて川面におどる星月夜  みどり

釣り船の連なる灯かり星月夜  東音

ベドウィンの露営のテント星月夜  清次

一張りのテントに親子星月夜  咲久子

秀作

賜はりし恩師の陶画星月夜  博女

星月夜あした佳きことある予感  珠子

貰い湯のあの日も遠く星月夜  洋子

潮騒の聞ゆ旅寝の星月夜  恵子

高原の音楽堂や星月夜  翠

クレーン伸ぶビルの屋上星月夜  洋子

戦争と平和読了星月夜  鈴子

田の中の一本道や星月夜  まこと

みやげ持ちこれから空路星月夜  祐枝女

十度目の富士八合目星月夜  捨弘

  やまびこ(八月号の作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句

鐘朧力抜くと謂ふことも  勝彦

八十年の嘘の数数桜咲く  隆を

螺子蒔けばまだ鳴る時計昭和の日  洋子

二輪草語り合ふごと咲く山辺  治子

実家といふタイムカプセル鳥雲に  洋子

えいえいおふ拳を上げてわらび出づ  古奈

雨音の規則正しや柿若葉  志津

囀りの空は真青や風日和  懋

のぞきをる仏のまなこ藤の棚  博女

追伸に本音を少し春灯  方城

幼子の息七色にしゃぼん玉  紀久子

卒業の日の一礼や下宿の子  利里子

藩邸の一の間二の間風薫る  節子

春光をこぼして回る水車かな  邦弘

末の子も村を出てゆく桃の花  邦弘

一人居の安らぎもあり春炬燵  和江

日の永し疲れを知らぬ児の相手  順子

川端の花満開や風に酔ふ  早苗

   俳誌 嵯峨野 十月号(通巻第603号)より

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 435

Trending Articles