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Channel: 水彩画と俳句の世界
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八月の詩(花の回廊)

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                 夏の由布岳(大分県由布市)

 

      花の回廊

 青空の花の回廊子ら駆ける   惟之

 春休み超満員のすべり台

 ねそべってうとうとうとと花万朶

 みぎひだり川面煌めく花堤

 テント張り庭でままごと春休み

      誌上句会(兼題 「夏木立」または「新茶」)

 歩を返し宇治の新茶を覗き込む  三枝子

 夏木立抜ければ海の青きこと  紀久子

 夏木立抜けて次なる王子社へ  洋子

 封を切り新茶の香り楽しめり  杏花

 おもむろに新茶と言はれ正座する  研二

 夏木立過ぎてふりむく鳥の声  祐枝女

 休日や新茶のかをる三時どき  まこと

 急須よりまつ一滴の新茶かな  静風

 鳴砂の夏木立にて晶子の碑  稔

 新茶摘む乙女の姿輝きて  たかすけ

 摘むときの唄思ひつつ新茶汲む  靖子

 八十路過ぎて新茶のうまみ知りにけり  よう子

 夏木立すき間を抜ける風少し  みどり

 堂塔を仰ぐ参道参道新茶の香  博女

 夕方の光の長き夏木立  里子

 新茶汲む宇治駅ポストは茶壷形  秀穂

 マラソンの二人の絆夏木立  珠子

 夏木立木漏れ日に笑む石仏  秀子

 旅終へておもむろに汲む新茶かな  美枝

 武蔵野も独歩の碑にも夏木立  真喜子

 夏木立ベンチの犬も舌を出し  初枝

 街道は右も左も夏木立  テル

 一角はメタセコイアの夏木立 捨弘

 湖辺に座す石仏群や夏木立  惟之

 夏木立青空将棋の駒の音  美樹

     やまびこ(6月号作品から) 感銘・共鳴ーー私の好きな一句

 粕汁やしあわせさうな愚痴を聞き  素岳

 糠床の底の寒さを掴みけり  勝彦

 庭園のどこか余寒の水響く  近子

 空の青乱して鴨の着水す  紀久子

 白木槿百花夕日に静止して  佐智子

 退院す梅一輪に迎へられ  秀子

 飼えぬ児がそっと抱き上ぐ捨子猫  素岳

 石庭に自問自答や春浅し  勢津子

 ほとばしる雪解の水や和紙の里  ひさ子

 待春の峡に寄り添ふ家二軒  洋子

 貝殻を置き去りにして春の波  利里子

 紅梅や淋しき闇に色こぼし  弘子

 武蔵野の蒼天へ豆打たれけり  恵子

 前へ前へ若鮎の何時も一途  紫陽

 針穴の見えて通らぬ余寒かな  美枝

 余命尚為すこと多し春隣  和江

 つくしんぼ音轟かせsL来  秀子

 万物の動き初めたる雨水かな  捨弘

      俳誌 嵯峨野8月号 (通巻第577号)より

 

 

 

 

 


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