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Channel: 水彩画と俳句の世界
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十二月の詩(夏の灸)

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          青空に無患子の実の彩りて 

  山麓の緑雨にけぶる牧場かな   惟之

  ミニカーをリュックに詰めて夏帽子

  おおうれし逆児もりし夏の灸

  蹴り上げて花火聴いてるお腹の児

  黒焦げの写真は兄ぞ原爆忌

  後の月亡夫の能管聞こえさう   初枝

  ビルに出てビルの谷間の十三夜  捨弘

  十三夜明かりいただき母のこと  幸子

  十三夜仁王の小指欠けてをり  惟之

  恙なく一日安らぐ十三夜    美枝

  戸を開けて友を待ちをり十三夜  テル

  遅咲きの笑顔の女十三夜   秀子

      俳誌嵯峨野 十二月号(通巻第545号)

 

 

 

  

 


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