思い出の果物 6号水彩
人馬一体
取りを行く大船鉾や大拍手 惟之
仏蘭西に嫁ぎし子とや日焼の子
火の玉を見たと真夏の夜の妻
夏空へ人馬一体パリ五輪
父母の飯盛山や星流る
誌上句会 兼題「秋高し」
特選
俳諧を一途に生きて秋高し 三枝子
不機嫌と無口は別と秋高し 康平
秋高し会ひたき人は遠くにて 静風
秋高しバスの車窓に清滝村 東音
秀逸
天高し子らの歓声なほ高し 洋子
せともの市皿底碗底秋高し 幹雄
群青の水平線や秋高し 藤子
たをやかな志功の天女秋高し 利里子
草原に牛千頭や秋高し 泰山
秋高し旅姿なる俳聖殿 敏子
汚れなき帆の走り出し秋高し みどり
秋高し京の大寺の義生句碑 秀輔
入選
予後試歩のゴールは十歩秋高し 謙治
山寺にはずむ足音秋高し 博女
秋高し夢多く持て若くあれ まこと
秋高し渓流竿のしなりかな 光央
秋高し次の百年甲子園 惟之
秋高し出来栄えのよき墨流し 珠子
銀色に光るビル群秋高し ふみ女
秋高し刈り終へし人田を後に 稔
秋高し届かぬ夢がおもしろし 悦子
退院の家路うれしや秋高し 祐枝女
クレーン機秋高支配する如く 啓子
秋高し元海兵の食ぶるカレー 秀子
稜線に並ぶ風車や秋高し 靖子
秋高し鳥城の鴟尾金色に 紀久子
秋高し猫の食欲戻りけり 美代子
秋高し山の子の声透きとほり 翠
空港の百の国旗や秋高し 洋子
秋高し自在に駆くる岬馬 和夫
釣船の小さき歓声秋高し 博光
空高し異国語交わす足場かな 文夫
翔平の走打記録秋高し 歌蓮
秋高し男二人の上高地 仙命(選者)
やまびこ(十月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句
古書店の灯しは低し梅雨に入る 勝彦
病むことも生きる道草朝の虹 康平
長病みの妻への団扇の風薫る 克彦
補聴器に朝の囀捕らへ蹴り 千恵子
妻をまだ仏と呼べず梅雨深し 爽見
咽るほど薔薇を咲かせて平和都市 京子
夏の月ペンで書き足す生命線 利里子
お先にとペンを離るる天道虫 小鈴
子の声も田畑も減りぬ麦の秋 文香
茄子漬も箪笥の傷も生家かな 博光
俳誌嵯峨野 十二号(通巻第641号)より