祇園先斗町 水彩F6 町田源二
節分草
阿寒湖に揺らぐ気嵐鶴の声 惟之
湖に入り正拳突きぬ寒稽古
新装のドローンショップや春立ちぬ
雪解けて次次のぞく節分草
本堂のヨーガ体験春兆す
誌上句会 兼題「春休」または「海(無季語)」
稽古海女しぶきを残し潜りけり 三枝子
春休み大きくなりし孫の靴 初枝
末つ子の笑顔の多き春休み よう子
果てもなき俳句の海や春霞 まこと
海を見に行く約束の春休 洋子
春浅し知覧の青春海に消え 朱実
峰よりの新しき景春休 秀子
涅槃西風海の細波撫でながら 稔
華やぎの季節移ろふ春休 静風
パンダ見る駆ける子供ら春休 美智子
琴の音は練習曲や春休 みどり
夢中なる子供のゲーム春休 奈緒世
足腰の耐へれば見たき春の海 喜志子
パステルのブルーや春の海の色 研二
ひと回り靴も成長はる休み 美枝
智恵熱のさがりて遊ぶ春休 博女
解放も拘束もなし春の海 克彦
海の町今も見下ろす花菜端 祐枝女
海一望香り千里の梅の丘 靖子
一筋の潮目しろじろ春の海 紀久子
春休み着飾りし子はデートかも はかすけ
海越えて来ても休まぬ燕かな 仙命
春休み子らと石投げした中洲 惟之
春休み老いも若きもうきうきと テル
春休み沖ゆく船のほんやりと 捨弘
プードルのリードは子供春休み 佳子
埋め立ての海はかなたや花曇り 啓子
やまびこ(四月号作品から)感銘・共鳴ーー私の好きな一句
仕舞湯の柚子胸元に集まりて 昌子
亥の年を八度重ねて初勤行 惠弘
仏足石に命引継ぎ冬の蜂 素岳
年の瀬や遺影を掛ける場所を決め 一陽
追伸に本音の覗く寒さかな 方城
すき焼や男仕立の目分量 龍策
健康に勝る富なき年湯かな 龍策
浜風にふはりとのりし冬の蝶 志津
行く先は未知の世界や初暦 杏花
幸せをつつむがごとく着ぶくれし 惠弘
既に無き社名のタオル冬至風呂 爽見
年ふりし地球儀十二月八日 洋子
白菜の色して虫の太りけり 千代
牧場の霧の中より牛の声 たまき
目に枯野溢れて熱きレモンティ 恵
俳誌 嵯峨野 六月号(通巻575号)より