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Channel: 水彩画と俳句の世界
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八月の詩(柏原宿)

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           赤いドック(姫路市家島)8号 水彩

     柏原宿

 街道に野ざらしの句碑いぬふぐり  惟之

 境内は拝観休止紅枝垂

 宝冠を被る観音花明り

 艾屋の読めぬ一文字さしも草

 中山道に火の見櫓や雀の子

    誌上句会 兼題「蝸牛」

 特選

 でで虫やひとりに遠き遊歩道  みどり

 悲しみは生きていること蝸牛  正和

 ででむしや空ゆく宇宙飛行船  洋子

 かにかくにふたりの余生かたつむり  惟之

 手も足も出さぬが宜し蝸牛  啓子

 秀作

 立ち止まり考え込んでかたつむり  里子

 生れ出て緑を住処かたつもり  清次

 蝸牛降りみ降らさず日暮るる  佳子

 花に未だ間のある四葩蝸牛  稔

 大観音の裳裾の襞へ蝸牛  恵子

 幼子の一歩角出すかたつむり  洋子

 身も角も伸ばして雨の蝸牛  三枝子

 わらべ歌ふと湧く雨の蝸牛  和男

 外出は通院のみや蝸牛  靖子

 木漏れ日にまいまいの渦色めきし  鈴子

    やまびこ(六月の作品から)感動・共鳴ーー私の好きな一句

 すみれ草庭一面に咲かせたし  志津 

 五能線の鉄路を越ゆる波の花  勝彦

 海光をすべる白帆や春近し  勝彦

 再びの潮騒の浜春隣  久子

 折り紙の蝉を飾りて患者待つ  博女

 ヒヤシンス夫を残して死ねません  志津

 立春や土の匂ひの野菜籠  優江

 冴返る学習塾の窓あかり  梅子

 笹鳴や瞼の裏に無二の友  久子

 今は春ダム湖の底にある故郷  篤子

 図書館の閉館チャイム日脚伸ぶ  邦弘

 初蝶と指さすうちに見失ふ  葵堂

    俳誌 嵯峨野 八月号(通巻 第601号)より

 

 

 

 


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