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Channel: 水彩画と俳句の世界
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二月の詩(笠置山)

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           三島池からの伊吹山冠雪 (2005年1月3日) 

       笠置山

   丁石の読めぬ一字や秋陰   惟之

   修験の笠置古道へ花すすき

   秋澄めり弥勒菩薩の大磨崖

   行在所の歌碑よむごとく秋の蝶

   大岩の胎内くぐり穴惑ひ

       誌上句会 兼題「日向ぼこ」

   玻璃ごしの亡夫の座を占め日向ぼこ  三枝子

   爺あくび子等もあくびや日向ぼこ   清彦

   甲羅干す親亀子亀日向ぼこ      惟之

   日向ぼこ如来の膝に日向ぼこ     憲勝

   片寄せて小舟漕ぎ出す日向ぼこ    洋子

   背の子もいつか眠りに日向ぼこ    幹男

   この星のいつも何処かで日向ぼこ   秀子

   日向ぼこ俳誌読みつつ舟を漕ぐ    初枝

   遠き日を孫と語るや日向ぼこ     静風

   日だまりに日向ぼこする爺ゐて    テル

   日差し浴び寡黙の夫と日向ぼこ    美枝

   富士遠き駅のベンチや日向ぼこ    東音

   親亀の背で子亀の日向ぼこ      捨弘

   漁師らの将棋談義や日向ぼこ     京子

      やまびこ(十二月号作品から)感銘・共鳴--私の好きな一句    遺言のなき戦死の兄の墓洗ふ     靖子      わが命けずるほど鳴くちちろ虫    志津      いつぱしの漁師に化けし日焼かな   仙命      夏休み少しいびつなオムライス    久子    老いし身に秋蝉の何うながすや    玲子    道元の威儀即佛法爽やかに      恵弘    さやけきやまぬがれぬ四苦受けとめて  恵弘    語り継ぐ一人に我も八月尽      東音    逝く老師惜しみ惜しみて薄紅葉    東音    この峡の空しか知らず稲雀      ひさ子    人去りて蛍は星になる時間      方城    月に空返して終わる揚げ花火     みどり    子ら駆けて路地生き生きと地蔵盆   明子    おはぐろや水の闇より木の闇へ    耕    抜衣紋頂に白き萩の風        咲久子    跡取りの絶えし分家の墓洗ふ     素岳    目印は白いハンカチ東口       睦美         俳誌 嵯峨野 二月号(通巻第559号)より         

 


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